「ロマンチック・ラブストーリー」ニュー・オリンポスで talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
ロマンチック・ラブストーリー
若い時の一目惚れ、一緒に見た映画、地図、約束、会えなかったデート。なりたかった職業につき、パートナーと出会い、知り合いも家族も自分も少しの白髪や皺と共に老いに近づいていく。名声や地位も得て昔のあのときめきと幸福感はもはや霞む、でも忘れることはない。
相手を見つめる、相手から見つめられるその時は若いときと全く同じ。でも戻れないことはわかっている。エンドロールに泣けた。実現できなかったトラットリアでの夕食、楽しく幸せで途切れることのない会話、二人の笑い声が聞こえてくるようだった。
主役が映画監督設定の映画を作らせたらイタリアが一番ではないかなあ?フェリーニ、モレッティ、ソレンティーノ、クリアレーゼ「無限の広がり」とか「ニュー・シネマ・パラダイス」もそうだ!1970年代の学生デモと警察(それともカラビニエーリ?)の衝突、フェリーニの死を新聞で知るなど、映画や時代と帆走しながら登場人物が大人になっていく。ベタといえばベタな箇所もあったけれど愛がリアルに描かれていた。
「あなたが彼を見つめていたような眼差しで、私もあなたから見つめられたかった」という妻の言葉は強烈だ。妻には全てわかる、恋愛に男も女もない。
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