「喜多ちゃんのドラマとして再構成」劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re: 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
喜多ちゃんのドラマとして再構成
前作も今作も、まず冒頭に「これは誰の物語か」をはっきりと明示する構成になっていた。今回は、喜多ちゃんの物語だ。彼女がどうしてこんなにギターをがんばるようになったのか、テレビシリーズではやや不透明だった部分を補強して、後藤ひとりを実際にどう思っているのか、二人のドラマをより濃密にするよう再構成されていた。
喜多ちゃんみたいな人が、どうして後藤ひとりのことを高く評価しているのか、彼女が単に誰でも分け隔てなく接するいい人というだけではない、確固たる理由みたいなものを印象的に表現していて、どこか通じ合うものがあるんだということに説得力が増していた。
総集編ではあるのだけど、TVシリーズとは異なる角度からドラマを描こうという意欲があるし、なによりバンドものは演奏シーンが見せ場になるから、劇場では音圧が全然違うので、鑑賞体験としてとても良かった。情緒ある終わり方も好印象。
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