「リアル・たこせん」劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re: サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
リアル・たこせん
前編は物語の序盤ということもあってかなり説明が多く、それでも上手くまとめていたとは思うけど、映画にするにあたって若干駆け足のようにも見えた。でも、後編である本作は、基盤ができた状態のエピソードだから説明省かれてるなーとか、物足りないなーとか、そういうのはほぼ感じない。もう、完璧に1つの映画として成立している。
77分しかない短尺だけど、ボリュームは2時間ある映画レベルだし、あっという間だったけど見応えは凄まじかった。前編で大半を詰めただけあって、後編では文化祭エピソードをしっかりと描けている。いやぁ、よく出来た二部作、総集編だなぁ。
テレビアニメは追いかけていないけど、ここ省かれているんだろうなというのは、何となくでもわかる。だけど、その省き方があまりに自然で上手い。それでいて、この作品特有のぼっちちゃんによるギャグシーンは随所残されているし、おかげでスムーズに物語が展開して、とにかく見やすい。最も大切なバンドに関わるシーンはじっくり丁寧に描きつつ、日常パートも綺麗に入れ込んでいく。ここまで上質な総集編なら、ずっと見ていられる。ぼっちだけじゃなくて、他の作品でもやってくれないかな...まじセンスがある。
結束バンドの絆が深まっていく様をより詳細に描いた本作。それぞれバンドメンバーにかける言葉が、互いに尊重していることが直に伝わってきてグッとくる。新しいギターを買ったぼっちちゃんにかける、リョウ先輩の言葉が、個人的にはなんだかすごく心が温まったし、印象深かった。結束バンド、いいものになってきたな。それを象徴する素晴らしいシーンだと思う。
音楽を楽しむこと、愛すること。時に大変で苦しいけど、あの達成感と興奮は何にも変え難い。やっぱり、音楽って最高だ!