劇場公開日 2024年7月26日

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めくらやなぎと眠る女のレビュー・感想・評価

全47件中、41~47件目を表示

4.0かえるくんが救ったのは東京だけではありません

2024年7月27日
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鑑賞方法:映画館

今週公開の映画一覧をみていたら「あれ?このタイトル村上春樹さんだ」と初めてこのアニメの存在を知りました。幸い、原作はすべて短編だったので、元となる6編のうち、「UFOが釧路に降りる」「かえるくん、東京を救う」「めくらやなぎと、眠る女」「かいつぶり」の4編は鑑賞直後に再読できました。
各作品をうまく繋げたな、というストーリー展開(「かいつぶり」についてはどの部分が映画作品に組み込まれていたのかわかりませんでした)。セリフはかなり原作に忠実で、そのぶん、やや継ぎはぎな印象もあり、「どこをどう翻案して、どういうテーマを表現したかったのか」というものはそれほど明確に描かれているようには見えません。逆の見方をすれば、監督もあの短編のこの部分はそのまま鑑賞者に伝えたい、そして、おのおのの感性で受け取って欲しい、そう考えたように見えます。

テーマはたくさんあるけれど、どれもが繋がっている。そのうち思い出せる部分を自分の覚え書きとしてふたつほど。

・映画「アパッチ砦」に関連しての会話から
「誰の目にも見えることは、それほど重要なことじゃないっていう意味なのかな」
「誰かに同情されるたびに思い出すんだよ。『インディアンを見かけたというのは、つまりインディアンはそこにはいないということです』ってさ」

・妻が出ていくという(小村にとって)大きな喪失の原因は、もしかしたら自分がなんの役にも立たない空気のかたまりのような存在だったからかもしれないと、小村自身も深く傷ついたが(シマオさんを絞め殺そうとするほどの暴力的な感情をいだくほど)、シマオさんはこう言う「でも、まだ始まったばかりなのよ」

地震だけでなく、理不尽な自然災害や戦争・事件・事故すべてを含めての大きな喪失や恢復、再生については、軽々に語れることではありませんが、『かえるくん、東京を救う』だけはぜひ皆様に読んでいただきたい作品です。
何の力もない自分という者の(日常の)在り方について深く考えることができます。

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グレシャムの法則

4.0なぜか引き込まれるお話

2024年7月26日
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鑑賞方法:映画館

萌える

村上春樹の短編を繋ぎ合わせたストーリーだと思いますが、僕は村上春樹の創った世界が好きなので、気がつけば引き込まれていました。
"かえるくん″みたいな(何かのメタファーだね)「こと」「もの」ってあるかもしれない。誰にも知られずにひっそりと、でも途方もなく大きなことを陰で成し遂げてくれている″力"がどこかに存在するということ。
ときに幻想的で、ときに哲学的で、ときに馬鹿馬鹿しくて、そんな不思議な村上ワールドを懐かしく(昔読んだ小説だから)、そして視覚的にも十分に楽しむことができました。

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ゆみあり

3.5吹き替え版で鑑賞

2024年7月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

古舘寛治さんのカエルくんの声がとても合っていた
あの話し方は狐につままれたような気分になる
六つの短編を混ぜ合わせたそうですが
覚えているのは、めくらやなぎだけだけど、
村上春樹の世界というよりフォルデス監督そのもののような気がする
ねじまき鳥の鳴き声が脳内で聴こえていた鳴き声と同じだった
人間の動きがリアルだなと思ったらライブアニメーションって手法なんですね

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m m

2.0ごめん。ちょっと私には受け入れられない。村上春樹ファンの皆さんはどうですか?

2024年7月26日
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鑑賞方法:映画館

村上春樹は上梓されれば速やかに読む程度にはまあまあファンだった。「だった」というのは「1Q84」を途中で読むのをやめて以来、長編作品はどうもパッとしないなと思っているから。でも短編集は「一人称単数」に至るまで依然として端正で瑞々しさを失っていない。村上さんは本質的には短編小説家なのだろう。
さてこの映画はフランス育ちのアメリカ人クリエーターが村上の短編6作品を題材にしたアニメ映画。村上へのリスペクトが感じられ秀作との声が高いようだが私はちょっと受け入れられなかった。
村上の短編は実にたくさんありその質感はそれぞれ違う。短編集毎によっても、執筆時期によっても、登場人物によっても(登場人物はかなり重なる)。
この映画では、登場人物でいうと小村、キョウコのラインと片桐、かえるくんの2つのラインが取り上げられている。作品でいうと「ねじまき鳥と火曜日の女たち」が前者のライン、「かえるくん、東京を救う」が後者のライン。それぞれ全く毛色の違う作品であり、前者が小村やキョウコ自身の欠落感や喪失感を扱っているのに対し、後者はグロテスクで邪悪な異界との対立がテーマである。本来、同時に、同じレベルで取り上げる題材ではない。さらに、アニメ作品としての技術や芸術性は優れているのかもしれないが、表情が乏しく平板な印象がある。そのため作品全般にメリハリがなく原作小説それぞれの持ち味や個性を活かせているとは思えない。思うに、この映画のクリエイターは英語なりフランス語なりの翻訳でこれらの短編を読んだのではないか。そしておそらく同じ翻訳小説というところから同質化して消化されているのではないか。
もう一つ付け加えると「めくらやなぎと、眠る女」を初めて読んだときに感じた気だるい喪失感と、一方で病院に向かうバスの中から見える海のキラキラした輝かしさ、アンビバレンツなんだけど繊細な感覚がこの映画では全く表現できていない。
村上春樹という人は、映画化許諾については厳しいが、完成した作品については映画は映画だからということでアレコレ論評しない人のようだ。でもこの作品については、やや歯にモノが挟まったようなコメントをしていた。そりゃあ、やっぱり不満だったのでしょうね。

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あんちゃん

3.0ピンと来ず

2024年7月26日
PCから投稿

アニメーション表現としては優れていたものの、自分が村上春樹氏の作品を苦手とする要素が、強調されたようで正直苦手。
(漫画『黄昏流星群』より)おっさんがよりおっさんらしい醜悪なリアルさを持って描かれていて。
美醜のわからぬ曖昧な女性が日常会話で、セックスに関した持論を急に語り出す、ファンタジーなのか非常識なのかわからない会話劇。
この辺が、全然ピンと来なくて。

吹替で観てよかった。
字幕なら寝ていた気がします。
拷問みたいに眠かったけど。

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コージィ日本犬

3.5アニメが合ってる。

2024年7月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

難しい

原作未読。字幕鑑賞。
カエルくんが出てきたあたりで、村上春樹っぽさが感じられて、ワクワクした。
村上春樹の独特なファンタジー要素を映像化するにはアニメが合ってると思う。
様々な監督でアニメ化してほしい。
気になるところは、主要キャラの顔。
村上春樹に似すぎていて、虚構と現実が入り混じり、集中できないときがあった。
脳内で、現実の村上春樹が「チラッ、チラッ」と侵入してきた。
叶うのであれば、丁寧にヒゲを剃るシーンをアニメで観てみたい。

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真

4.0公開したら吹替版も観る!

2024年6月16日
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鑑賞方法:その他

原作既読。というか、このイベントのために海外向けに書かれたという短編集を大急ぎで読んだー。
面白かったー✨✨

原作では一つ一つが独立したお話だけど、ピエール・フォルデス監督が好みのストーリーをピックアップして、アニメ映画に作り上げる段階で6つのお話をmergeして一つのコンパウンドに作り替えたそぉな。そんな繋ぎ目が全く見えない良い感じに仕上がっていて納得の結果🍀

上映会の後は監督と原作者村上春樹氏の対談!イベントの主催目的からして内容で理解の及ばない箇所について文学的に説明がされるのかと思いきや、春樹氏のボヤキに徹した😂

(好きだった春樹語録)
●短編を映画化するのは好きです。僕の書いた話を映画にするには監督らしさが足し算されるから、面白いものが出来上がる。逆に長編小説は映画化すると引き算作業がメインになるから……(抵抗がある)
●早稲田大学文学部で映画について学びました。映画がつくりたくてね。でも小説家になって良かったー。小説家の方が楽なんですよ。
●自分の長編で映画化して欲しいなと思うのは『アンダーグラウンド』かな。(←読んでみよ)

(関係ないけど)
・片桐さん、どう見ても柴田理恵

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らまんば