「戦いを楽しめる相手との邂逅は、潜在能力をさらに高めてしまうもの」ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
戦いを楽しめる相手との邂逅は、潜在能力をさらに高めてしまうもの
2024.10.3 MOVIX京都
2024年の日本映画(112分、G)
『ベイビーわるきゅーれ』シリーズの第3弾
シリーズ最強の敵に挑む殺し屋バディを描くアクション映画
監督&脚本は坂元裕吾
物語の舞台は、宮崎県某所
仕事のついでにバカンスに訪れていた協会所属の殺し屋のちさと(髙石あかり)とまひろ(伊澤紗織)は、さっさと仕事を切り上げて、バカンスを満喫しようと考えていた
だが、その日はまひろの誕生日で、そのことをすっかりと忘れていたちさとは焦り始める
何とか取り繕って見せるものの、仕事の時間になってしまい、二人は現場に赴くことになった
宮崎都庁に向かった二人はターゲットの松浦(かいばしら)を探すものの、彼に銃を突きつけている謎の男(池松壮亮)に遭遇してしまう
男はフリーの殺し屋・冬村かえでという人物で、ターゲットがダブルブッキングしていた
一触即発のムードになって銃撃戦が始まるものの、かえでは思った以上に手強い相手で、殺し屋にもターゲットにも逃げられてしまうのである
映画は、その不始末をするために協会の先輩殺し屋・入鹿みなみ(前田敦子)とその相棒・りく(大谷主水)が合流し、4人でかえでを始末する様子が描かれていく
かえでは、ある依頼を受けて「150人」を殺すことを目標としていて、邪魔が入ったことで苛立ちを隠せなかった
150人目を殺す前に邪魔者を排除しようと考え、その思惑が後半へと続く流れになっていた
物語としては、二人が最強の殺し屋を倒せるかというもので、1対4で立ち向かってちょうど良いという戦力差になっている
かえで側も4人を相手にするはキツいと考え「ファーム」の殺し屋たちを導入していく
殺し屋協会の所属とフリーの覇権争いになっていて、殺しは遊戯という感じに捉えられている世界観になっていた
映画は、アクション主体で簡単なミステリーがあるというものだが、総じてゆるーい日常会話とのギャップを楽しむ作品になっていた
ドキュメンタリーもほぼ同時期公開となっていて、このアクションがどのように撮られているのかを紐解く感じになっている
ちさととまひろの身体能力の高さを演出するためには、敵であるかえでの能力も必要とされるのだが、この二人を圧倒できるリアリティとか存在感というものはきちんと描かれていたのではないだろうか
いずれにせよ、シリーズのファン向けの映画で、二人がどのようにして難敵を仕留めるかを楽しむに観る映画だと思う
前回の敵は社会の底辺をいじめているような感じだったが、今回は容赦のない難敵なので戦い甲斐がある相手だったと思う
「ちさとがいないまひろ」みたいなテイストの敵だったことを考えれば、孤高ゆえの強さと弱さが同居している存在だったので、ある意味において、主人公よりも主人公感がある相手だったのではないだろうか