劇場公開日 2024年9月27日

「エネルギーに溢れてる」ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0エネルギーに溢れてる

2024年9月29日
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1作目は最高。

正直、前作となる2作目は今一つピンと来なかった。
2作目では二人のイチャコラがあまりに長く、田坂が絡んでのギャグシーンもしつこい、その割にバトルシーンは淡白で、敵の兄弟も強いのかよく分からないからカタルシスがなかった。

しかし3作目となる本作。
バトルシーンにかなりウェイトを置き、イチャコラシーンも適量でギャグシーンの不必要なエスカレートもない。
そして何しろ敵が「変態」で「最強」。
特にまひろをずっと見ていたい私としては、本当にワクワク満載の1本。

1作目はまだまだインディーズ感もあったので、ほぼメジャータイトルと言える程に育ったこの3作目と純粋に比較は出来ないとは言え、私にとっては見事にシリーズ最高の更新となりました。

まひろは可愛くてカッコ良くて相変わらず素晴らしい。
冒頭でかえでにやられた時はホントに悲しかった。そして最後での逆転カタルシス。冒頭バトルのポイントをちゃんとトレースして決着を付けるのもニクい。
ラストバトルはあと1時間は見ていたかったな。

今回はちさともすごく良くて、格闘に入ってからの眼力、身体の動きもキレていた気がする。

で宿敵、かえで役の池松壮亮ですよ。
個人的にはあまり好きな役者ではなかったんだけど、あのイカレた役を、見事な体術と合わせて体現したのはすごい。見直した。

本作は、まひろとちさとの結構真面目な感情のやり取りもちゃんと描かれてて、ラストの焼き肉屋で、ショートケーキにかぶりついてまひろが涙ぐむシーンって「あれ、演技?感情爆発してない?」って思いながら観てた。

格闘シーンも、二人をただ強く・カッコ良く見せるだけじゃなくて、馬乗りされてボコボコ殴られて鼻血出してるまひろを見て、「暴力ってやっぱダメじゃん」と思わせてくれる。
こういう「暴力って痛くてみっともなくて恐ろしいんだ」って表現することってすごく大事だと思ってて、この作品にはそれもちゃんとあって感心した。

格闘バトル映画としてのクオリティや完成度は正直まだまだだとは思う。
でも、限られた予算の中で、いろんなアイディアを出して、これまで見たことのないアクションを見せてやるっていう熱意がビシビシ伝わってきて、若い役者陣だけじゃなく、作り手のエネルギーも一緒に楽しんだ気がした。

是非この荒々しいエネルギーで、4作目にチャレンジしてほしい

キレンジャー