「池松壮亮が演じた意味が確かにある」ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
池松壮亮が演じた意味が確かにある
アクション映画として文句なしの傑作であること以上に、登場人物たちの、一人の人間としての生き方生かされ方の対比が見事。それもこれも、敵役の野良の殺し屋を演じる池松壮亮の存在感があってこそ。アクションのキレもハンパないのだが、彼がこれまでたどってきた人生が垣間見れるちょっとしたディテールの積み重ねのシーンそれぞれから、彼自身の心の揺れや仕事への適応状況や、理解者を欲する渇望がダイレクトに伝わってきた。
彼にも、まひろにとってのちさとのような存在がいたならば…という切なさと共に、だからこそ、まひろとちさとの唯一無二感が更に増して感じられ、2人のじゃれあいを観ているだけでちょっとジーンときてしまう。
前田敦子も好演。ある意味、映画の中では、前田敦子もまた、池松壮亮との対比的な存在で、彼女らしくしっかりと演じ切っていた。続編もあるならば、再登場もちょっと楽しみ。
あと、自分として一番ビックリしたのは、予告編で出てきた場面が、本編を観ているなかで、予告編で受けた印象の数倍刺さったこと。高石あかりの発するセリフに泣けてしまった。今回増えたであろうアクションシーンのこなし方も含めて、本当にすごい役者さんだなと再認識。
映画全体に、連ドラのエブリデイのゆる〜いニュアンスも絶妙に入れ込まれているし、1、2とのつながりも出てきてファンとしては大満足。
(館内に笑い声が響く場面がいくつもあった)
終演後、観に来ていた若者4人が「宮崎県、ずるいなぁ」と言っていたが、宮崎のご当地感も満載で、面白かった。同様に「ぜひ次はうちの県でも」と思っているファンも多いのでは?
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