「人とうまくつるむことができない側の人たち」ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
人とうまくつるむことができない側の人たち
彼らが欲しかったものは…。合格~!!
《深川まひろ=冬村かえで》(【ふ】【か】がわまひろ=【ふ】ゆむら【か】えで)。ラストバウト前に名乗りまであって、それが明確に示されている【What if】"もしもまひろにちさとがいなかったら?"…な世界線に生きる強敵。いや、"敵"じゃなく相手。実力が拮抗しているというだけでなくサンドバッグを殴るシーンや、最初から最後にかけての差異を伴う反復など、作中通して指し示されている。「自分もアッチ/コッチ側だったかもしれない」みたいな。
対・池松戦ファーストバウトから全面協力すぎるまさかの場所でのアクションが最高!いきなり出し惜しみゼロのエンジン全開フルスロットルで、間違いなく本作あるいは本シリーズにおけるハイライトの一つとなった!! 刮目せよ!!! いや、マジで瞬き厳禁で見てね。廊下や階段のところエグすぎた。
流石の池松壮亮。僕が一番強い!一人ぼっちの殺し屋、孤高の最強。演技派なキャラクター描写に、キッレキレのアクションで見・魅せる新たな一面か。出るか"モズの早贄(はやにえ)"?! →分かる人には分かる。『ターミネーター2』や『ノーカントリー』然り、自分で縫合するなど治療シーンある映画は面白い説、根強い。
殺し屋を扱って、実社会(の中で周囲に馴染めない人々)を描く。今回も野良に対して主人公サイド=協会における生きづらさ、畑("ファーム")を変えても結局組織。けど、最終的にはどのキャラクターも不器用で愛しい。本シリーズ通して、あんまり"コイツ嫌い!"って観客のヘイトを溜めるような心底ムカつくような奴がいなかったのが印象的。シリーズ通して一貫したテーマに、青春の記録とモバイルバッテリー問題。本当に楽しく見ていられる愛すべきシリーズだったよ。さらなる続編も期待しちゃっていい?
P.S. この作品は友だちと見に行ってから焼肉食べたい。あと、ケーキも(あれは『街の上で』オマージュってことでいいですか?)。生きててよかった~!!
灰原哀