「ご当地映画の新たなジャンルとなりうるのでは、と期待させる一作」ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
ご当地映画の新たなジャンルとなりうるのでは、と期待させる一作
もちろん今回も、伊澤彩織と髙石あかりは超絶的なアクションを惜しみなく披露するし、池松壮亮ら出演俳優も、それぞれ特色ある技を駆使して、主演二人と堂々と渡り合っています。旧二作ファンはもちろんドラマから入ったファンにとっても、劇場に足を運ぶに十分値する満足感を得られる内容になっています。
池松壮亮演じるかえでが仲間を作っていく過程は、ブラザーフッドに重きを置いた北野武映画でももうちょっと深堀するだろうと思わせる強引さを感じなくもありませんが、それよりも何よりも、自分を変えたい、仲間が欲しいというやるせない渇望を、アクションを通じて表現した池松壮亮の演技が印象深く、人間描写として見ごたえのあるものとなっていました。
本作のもう一つの主人公といえる「宮崎県」(髙石あかりの出身地でもあるとのこと)各地の描写も特筆に値します。どんな場所を舞台にしているのかについては宮崎県の公式観光サイトにも記載があるので割愛するとして、例えば庁舎とは思えないような、国登録有形文化財にも指定されている宮崎県庁は、あまりにもアクション映えする内装と構造で、セットではなくロケーションであることがにわかには信じがたい程です。よくこの場所を見つけてきたし、よく宮崎県庁も撮影を受け入れたなぁ…、と感心することしきりでした。
もうこうなったら、ちさととまひろが出張先で現地の強敵に出会う、という本作が提示したフォーマットを使いまわせば、日本国内外を問わずあらゆる場所でいくらでも続編を作ることができるんで、今後一風変わったご当地映画として成立するんじゃない?、という期待も持ってしまいました!
コメントする