「この赤ん坊に臍はあるのか」ポッド・ジェネレーション ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
この赤ん坊に臍はあるのか
妊娠・出産で女性が被る社会的負担や男女の妊娠の捉え方を批評的に描こうという話なのだと思うが、妻がテック系企業のバリキャリの一方、夫は植物の研究者で元から自然の何かを育てるのが好きというキャラ付けもあってか、結果的にテーマや目線がけっこうゆるい感じで、現代人が安心するようなところに着地するのもやや退屈だった。
金をあまりかけずにそこそこクールな印象の近未来SFになってるのはうまいけど、終始淡々とした展開でびっくりするオチも用意されているわけではないため、ぶっちゃけ本物の映像なのかCGなのかわからんけど大スクリーンで観るヒトの卵子と精子の受精シーンが大迫力で、小学生の頃に読んだ子どもができる仕組みを解説した学習マンガを思い出した。ついでに当時、飼育委員で飼っていたカイコが繭になったので抽斗にしまっておいたら、気づかないうちに羽化して中で白い蛾が死んでいた記憶も蘇った(どうでもいい思い出)。
そんなわけで、ポッドの中の胎児を時々確認するのは大事と思いつつも、それが父性や母性を目覚めさせるのかはやや疑問に感じつつ、産まれたての嬰児を一緒にベッドに寝かすのはさすがにまずいと思った次第(そこ?)。なお、鬼太郎誕生が混んでるようなのでこっちを観たのだけど、まさか本作で目玉おやじが観られるとは思わなかった。
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