「自分自身の信念に妥協することなく生きる強さ」ゴッドマザー コシノアヤコの生涯 Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)
自分自身の信念に妥協することなく生きる強さ
小篠(コシノ)三姉妹を育てた小篠綾子の生涯を描く物語…… と言えば、ある一定の年齢以上の人なら2011年の朝ドラ『カーネーション』じゃん!と思うかも知れないが、実際にその2時間バージョンのような映画作品。
ただ、尾野真千子が大地真央になり、小林薫が木村祐一になり…… とドラマの配役と無意識に比較して見てしまうのが自分の中で若干ノイズになった(その比較で考えると綾野剛はカッコ良すぎたかも…)。
アヤコが危篤になり慌てて三姉妹が病室に駆けつける場面から話が始まり、そこから天使と共にアヤコが自分の人生を振り返っていくのだが、この天使の設定は、果たして必要だったのだろうか?ただのアヤコの回想でもよかった気がする。
周りの(非難を含めた)さまざまな声に惑わされることなく、真っ直ぐに自分自身の信念に妥協することなく生きる強さを生涯通して貫き通したアヤコ。しかし、それは自分自身に対してだけではなく、子どもたちにもそれぞれがやりたいことをやらせることに繋がる。一見簡単そうだが、子どもに、余計な口出しはせずに、完全に任せるというのには親としてよっぽどの覚悟が必要なことが、親になったことのある人であれば、分かるであろう。
ちなみに、ほとんどの場面が(自宅兼店舗や病室などの)室内ということもあり、演出の手法が(映画的というより)非常に舞台演劇的。ほぼそのまま板の上に乗せて再演することもできそう。
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