劇場公開日 2023年12月29日

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「【”ダニ”今作は、フィリピン民間療法リベンジホラーであり、アンチファストファッション映画でもある。良くまあ、ロルカン・フィネガン監督は、こんな嫌な物語を思いつくよなあ。ハア・・。】」NOCEBO ノセボ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【”ダニ”今作は、フィリピン民間療法リベンジホラーであり、アンチファストファッション映画でもある。良くまあ、ロルカン・フィネガン監督は、こんな嫌な物語を思いつくよなあ。ハア・・。】

2025年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

■ファッションデザイナーのクリスティーン(エヴァ・グリーン)は、夫フェリックス(マーク・ストロング)と幼い娘ボブスと共にアイルランド・ダブリン郊外で豪華な邸宅で暮らしていた。
 だが彼女は、左手の痺れや、無呼吸症候群、記憶がなくなるなど原因不明の体調不良に悩まされ始める。そんななか、ダイアナ(チャイ・フォナシエ)と名乗るフィリピン人の若きメイドが彼女達の邸宅に現れる。
 クリスティーンは雇った記憶がないが、彼女はクリスティーンがフィリピンのファストファッション工場で知り合ったといい、彼女は自身の記憶に不安を覚えているので、それを信じて彼女を雇い始める。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作の、アイルランド・ダブリン出身のロルカン・フィネガン監督の前作「ビバリウム」も、じわじわ来るイヤーなホラーであったなあ。

・今作も、前半は明るい顔をしたダイアナの、フィリピンで呪術者の老婆からその力を受け継ぐ、小鳥が老婆の口からダイアナの口へと移るシーンや、ダイアナがクリスティーン達の前では見せない暗い顔のギャップが怖い。
 そして、ダイアナがクリスティーンに処方するフィリピン民間療法。
 だーが、今作のタイトルの”NOCEBO"効果とは、ご存じのように、偽薬や偽治療による期待やにより、実際に体調が悪化したり、副作用の効果が出る事を言うように、ダイアナはクリスティーンに、偽薬や偽治療を行って行くのである。

■彼女の”NOCEBO"治療により、クリスティーンが見た巨大な”ダニ”が就寝中の彼女の身体を這い上がって来るシーンも、アー、嫌だ。
 そして、ダイアナは吐き捨てるのである。”ダニめ!”と・・。

<そして、最後半。未だ元気だったクリスティーンがフィリピンの低賃金ファストファッション工場で、ダイアナを働かせ、彼女が娘を連れて来ていた時に、起きた火事により、ダイアナは愛娘を失った故に、クリスティーンの元を訪れたのである。
 目的を達した彼女は、クルスティーン夫婦の豪奢な邸宅から投身自殺を図るが、地面に叩きつけられた彼女の口から出て来た小鳥が、ボブスの口に入って行くシーンは、嫌だったなあ。
 良くまあ、ロルカン・フィネガン監督は、こんな嫌な物語を思いつくよなあ。
 今作は、フィリピン民間療法リベンジホラーであり、アンチファストファッション映画でもある。>

NOBU
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