劇場公開日 2024年2月23日

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「悪党は一掃されたか?」犯罪都市 NO WAY OUT 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0悪党は一掃されたか?

2024年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

マ・ドンソク主演の「犯罪都市」シリーズ3作目ということでしたが、本作が初見でした。マ・ドンソクが観たかったのもありますが、今回は日本の"ヤクザ"も出て来るということで、”ヤクザ”がどのように描かれているのか、その点への興味もあって観に行きました。最近は暴対法の影響もあり、現実のヤクザは以前に比べると低調になっている感じがあり、映画の世界でも「ヤクザと家族 The Family」とか「すばらしき世界」などに見られるように、没落したヤクザの物語が目立ちましたが、果たして本作ではどんな姿が観られたのでしょうか?

まずは主役であるマ・ソクト刑事を演じたお目当てのマ・ドンソクですが、期待通り理屈抜きでカッコ良かったので大変満足しました。アクション系の醍醐味アリ、漫画チックなおとぼけをちりばめたりと、愛すべきキャラクターが引き立っていたと思います。敵役の悪徳警官チュ・ソンチョルを演じたイ・ジュニョクは、色男だからこその出来る狡猾な役どころでしたが、きちんと役目を果たして最後はちゃんとマ・ドンソクに畳まれてました。またもう一人の敵役の日本からの刺客であるリキを演じた青木崇高も、大迫力の殺陣を魅せてくれました上で、最後はきちんとマ・ドンソクに絞められてました。取りあえずマ・ドンソクと直接対決した悪党2人は一掃された訳ですが、リキの親分である國村隼演ずる一条は、流石のマ・ドンソクも国境の壁は超えられなかったようで無傷で生き残りました。流石に当たり前か。いずれにしても外国映画でヤクザの親分役をやることの多い國村ですが、かの「キル・ビル」ではルーシー・リューの居合切りで一刀の下に首を刎ねられていたしまったことを考えると、最後まで無傷で本作が終了したことに若干胸アツになりました。

もう一つの注目であった日本の”ヤクザ”の描き方ですが、かなり現実とは乖離した感じで描かれていました。一条組の本部は、丸の内か大手町にありそうな超近代的なオフィスビルに置かれているように描かれてましたが、実際暴対法があるのであんな物件にヤクザが入居したり、購入したりするのは不可能でしょう。まあお話だから全然いいんだけど、これを実際のその筋の方が観たら、苦笑いするんじゃないかしらと思ったところです。知らんけど。

また、韓国に刺客として送り込まれたリキが、日本刀で殴り込みを掛けるのも、如何にも映画の世界の”ヤクザ”という感じでした。相手は拳銃を持ってるんだから、いくら何でも無謀じゃないのと思ったところですが、日本刀じゃないと”ヤクザ”を登場させる意味はないんでしょうね。

こうした微笑ましいツッコミ所はあったものの、マ・ドンソクを観てスカッとするためのアクション映画であり、俳優陣が期待通りの演技を魅せてくれたので、本作の評価は★4とします。

鶏