「みんな大好き、ラブリーマブリー!」犯罪都市 NO WAY OUT おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
みんな大好き、ラブリーマブリー!
人気の「犯罪都市」シリーズ第3作。第1作は未鑑賞ですが、第2作がおもしろかったので、本作も期待して鑑賞してきました。今回もマブリーの暴れっぷりを堪能できて大満足です。
ストーリーは、女性の転落死事件の背後に新型合成麻薬の存在があるとにらんだ広域捜査隊のマ・ソクト刑事の捜査により、麻薬密売への日本のヤクザの関与が判明し、さらに麻薬を横流ししている人物が浮上する中、露顕を恐れた男が麻薬を持ち逃げしたことから、麻薬の在処をめぐってソクト刑事、ヤクザの差し向けた殺し屋リキ、横流しグループの首謀者ソンチョルの三つ巴の争奪戦が繰り広げられるというもの。
まずは冒頭から、マブリーの自己紹介代わりのメガトンパンチが炸裂!機敏で無駄のない動きから繰り出される破壊力抜群のパンチは、本作でも健在。そうそう、これを観にきたんだよ!と期待どおりの暴れっぷりでワクワクさせてくれます。
その後、女性の転落不審死から薬物中毒が疑われ、そこから麻薬密売や横流し、裏切りと制裁、その果てに20㎏の麻薬の行方を追い求める三つ巴の攻防を描いていきます。テンポはとてもよいのですが、話がけっこう複雑で、正直言って麻薬売買側の関係性はきちんと把握しきれなかった気がします。でも、だいじょうぶ。そんなモヤモヤさえ、マブリーの豪快パンチがすべて吹き飛ばしてくれます。
相変わらず韓国映画のバイオレンスシーンは目を背けたくなりますが、エグいシーンはフレームアウトして直接描写を避けてくれているので安心です。一方で、コメディ要素をしっかり入れ込み、マブリーの会話や表情や態度でたっぷり楽しませてくれます。というわけで、おちゃめでパワフルなマブリーを愛でるための作品として、うまく仕上がっています。
ただ、そうはいっても殴り合い一辺倒のアクションは、ちょっと飽きがくるかなとも感じます。マブリーが強すぎて、あまりピンチがなかったせいかもしれません。ポストクレジットでは次作への橋渡しのようなシーンがありましたが、次はさらに強く冷酷な敵が現れることを期待しています。次作も楽しみです!
主演はマ・ドンソクで、彼の魅力が存分に生かされています。脇を固めるのは、イ・ジュニョク、イ・ボムス、キム・ミンジェら。他に、日本から青木崇高さん、國村隼さんが参加しており、お二人ともすばらしい演技を披露しています。特に國村さんの存在感と威圧感はさすがで、この起用にはよくわかってるねと言いたくなります。