劇場公開日 2024年5月3日

「18歳×2以上の大人にこそ響く」青春18×2 君へと続く道 BMD44さんの映画レビュー(感想・評価)

4.518歳×2以上の大人にこそ響く

2024年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

普段映画はほとんど見ないし、ましてや恋愛映画を見ようとは思わない。
そんな自分がこの映画を見に行ったのは、映画のロケ地の1つに以前住んでいたことがあったから。
ほとんど予備知識なしで、主題歌をミスチルが歌っていることすら知らずに見たが、本当に見てよかった。
映画を見てから1か月ほど経った今でもその余韻が残っている。

映画のタイトルから青春恋愛映画かと思っていたら、青春映画ではあるが恋愛の要素は思ったほど強くなく、どちらかというと美しいロードムービーであり、「青春の蹉跌」から一歩踏み出そうとする男の物語でもあった。
切ない物語が好きな人はもちろん、旅が好きな人も、特定の出演者目当ての人も、いろいろな人が見ても、満足できる映画になっていると思う。
個人的には主人公のジミーの心情への思い入れが強く、ジミーが日本から台南に戻ってからシーンが印象に残っている。
「青春18×2」というタイトルどおり、青春真っ只中の18歳より、18歳×2以上の大人にこそ響く映画だと感じた。

映画を見て原作がどうしても気になり、この映画の原作である紀行エッセイ「青春18×2―日本漫車流浪記―」(小説版ではなく2014年に公開されたウェブ版)を読んだが、この原作からこの映画に仕上げた藤井監督の技量には唸るしかない(原作の紀行エッセイと映画とでは、全くテイストが異なる)。
なお、原作にアミに(ちょっとだけ)似ている日本の女優さんの名前(もちろん清原果耶さんではない)が書いてあって驚いた。

BMD44