劇場公開日 2024年5月3日

「ひと夏の恋が人生を後押しする力に」青春18×2 君へと続く道 みる子さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ひと夏の恋が人生を後押しする力に

2024年5月29日
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ストーリーにそれほどの新鮮味や驚きがあるわけではないですが、しみじみいい作品です。
36歳になった主人公の、挫折からの旅がゆっくりと呼吸をするように撮られていて、素直に共感します。
初恋に突っ走るのではなく、彼女との約束を守り、ちゃんと働いて夢を実現するため人生を重ねた後の旅、というところが情感をそそります。
若いバックパッカーは別として、その年齢の男性のひとり旅は覚悟があっていいものだと思います。
いや、彼は思い出の中のアミと旅しているのだからひとりではないのか。若く見えるイケメンという設定に助けられてはいますが、撮影スタイルもいいのでしょう。
慣れた日本の光景がジミーの目を通した外国のように見えます。特に松本城は私もこの間初めて行ったところだったので、面白かったです。なぜ松本だったのでしょうね。小料理屋の台湾人の店主がジミーに案内しようかと言ったとき、あれ夜なのにどこへ?とは思いました。
出だしからジミーの素朴さに対して歳上のアミの演技にかなり無理を感じましたが、役柄として実際に無理していたという設定なのだと、後でわかります。
ジミーの俳優さんは清原果耶より十歳以上も上と観終わってから知りました。清原果耶だって結構少女っぽいのに、彼のほうがちゃんと歳下に見えました。少年の演技が上手かったです。
コロナ禍は過ぎたものの、今度は円安で、何だか海外に行きにくいですが、今まではさほど興味のなかった台湾へ、行ってみたくなりました。世界街歩きみたいな番組を見てもわからない台湾が垣間見られたからかもしれません。

みる子
ブルーさんのコメント
2024年6月6日

ジミーは、本当は、直ぐにでも福島に行ってアミに会いたかったのだと思います。
しかし遠回りしながら時間をかけながら、これまでの自分の気持ちと向き合って、やっとアミのもとに訪れることが出来たんだと思います。
遠回りをしてまでも、アミのもとに行きたかった、逢いたかったのだと思います。

ブルー