劇場公開日 2024年5月3日

「少々『地味な感じ』ではあるが『良い作品』でした」青春18×2 君へと続く道 ネコと映画と人生とさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5少々『地味な感じ』ではあるが『良い作品』でした

2024年5月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

最近「疲れている」せいか[作品の鑑賞日からレビューの投稿までの時間差]が3〜4週間も空いてしまう者のレビューですが、まだ「これから」本作を鑑賞される方の参考になれば幸いです。

【ストーリー(脚本) & 演出】
原作は未読ですが、台湾で出版された[紀行エッセイ]から こんな素敵なラブストーリーが生まれるとは。この原作に着目し脚本化したプロデューサーさんのセンスが素敵です✨

日本の[藤井道人]さんが監督を務めた上に 映画の制作が《台湾と日本の共同プロジェクト》だったお陰か、邦画のラブストーリーにありがちな「くどい迄のお涙頂戴感」は一切無く、どちらかと言えば『台湾の青春映画らしい爽やかさ』が感じられる作品でした。

ストーリーの[肝になる部分]こそ 殆どの方が「あらすじを読んだ時点で予測していたであろう」既視感のある展開ではあったものの、作品全体のテイストが 邦画のラブストーリーとはひと味違う《静かで落ち着いたトーン》で統一されていたので、最後まで退屈する事なく鑑賞出来ました。
脚本評価★★★★☆
演出評価★★★★☆

【キャスティング(配役) & 演技】
主演の二人の演技は勿論の事ながら、ストーリーの大部分を占める[台湾のシーン]に登場した俳優の皆さんの演技も 非常に作品のテイストに合っていて良かったと思います。
奇を衒ったキャスティングに走る事も無く[手堅い実力派の俳優陣]をキャスティングした点も 非常に好感度が高いです。
配役評価★★★★★
演技評価★★★★★

【映像 & 音楽】
個人的なイメージと感覚かも知れませんが、[映像の質感]は どちらかと言えば「邦画よりも台湾の映画に近い質感]だと感じました。…が 個人的に物足りなく感じた点が1つだけ有り、18年前の台湾のシーンは『夏』で 現在の日本のシーンは『冬』なのですが、作品全体が《静かで落ち着いたテイスト》のせいか「日本の冬のシーンは良いんだけど 台湾の夏のシーンからは『夏の暑さや熱気』がイマイチ感じられなかったかな」と。
(よく言えば「暑苦しさが無く あくまでも爽やか」という事になるのでしょうが…)

本作の音楽は「とても素晴らしかった」と思います。時に鑑賞している観客の感情を揺さぶり 時に登場人物の心情に寄り添う、そんな素晴らしい楽曲の数々でした✨
映像評価★★★★☆
音楽評価★★★★★

【総合評価】
脚本・演出・配役・演技・映像・音楽・その全てが高いレベルで纏まった《良い作品》であったと思います。 …が おそらく「作品としては地味」かも知れません。

「地味だけど良い作品」でもあり「良い作品だけど地味」でもあるような。 劇場の上映スケジュールを見ると そろそろ上映終了する所も出ているので、お客さんの入りは「それ程でもなかったのかな?」とも推察されますが、本作を観ないのは勿体無いと思うんだけどなぁ…。

とは言え「☆5評価にする程ではない」と感じている自分も居る訳ですが。 なので 総合評価は《★4〜★4.5》とさせて頂きます。

【追記】
「エンドロール後にシーンは無し」です。

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