「出せなかったラブレター」青春18×2 君へと続く道 羊さんの映画レビュー(感想・評価)
出せなかったラブレター
18歳と36歳のストーリーなので
高校生役の俳優さんを別で起用することも
普通にあり得る話だと思うのですが
シューさんおひとりで演じているからこそ
感情がリアルに伝わってきたのだと思います
アミの生まれ故郷へ向かうジミーの旅は
自分と向き合って自分の心を取り戻し
止まっていた歩みを進めるための大切な日々でした
【自分の心と向き合う】というのは
アミの思い出と自分だけでもできたと思いますが
旅先で出会った人々との交流があったからこそ
ジミーはより自分のことを知れたのです
アミはいつも明るくて無邪気で元気な子だけど
こういう子ほど危うくて脆い…
この疑念がまた少し確信に変わるのでした
明るすぎる子は心配になります(私情)
【気持ちを伝えるか、伝えないか…】
永遠に存在し続けるのであろうこの問い
あのとき出せなかったラブレターを
胸の引き出しにしまっている人は
ジミーだけじゃないんだろうな
そう思うとたまらなくこの作品が愛おしくなる
ネタバレなしで感想を書くということが
とても難しい作品なので…このあたりで
以下、印象に残ったことを雑多に記します
*
電車の3.2.1のあとの景色は圧倒されて涙が出た
『Love Letter』を知らなくても泣けた
黒木華さんはおとなしい役の印象ですが
ざっくりとした役もハマるんだなと
新しい演技を見ることができて新鮮でした
スライドのケータイとてもなつかしい
手持ちぶさたにスライドしまくった
高校時代の日々がフラッシュバック
「旅は自分探しっていうけどもう自分じゃん」
18歳の青年のこの言葉が刺さりました
僕が彼の年齢だったころはこんなふうに
自分という幹は通ってなかったな
すぐ折れてすぐ自分を見失ってたな
彼みたいに強く生きられていたら
今の僕はどんなふうになっていたんだろう?