劇場公開日 2024年5月3日

「出せなかったラブレター」青春18×2 君へと続く道 羊さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5出せなかったラブレター

2024年5月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

18歳と36歳のストーリーなので
高校生役の俳優さんを別で起用することも
普通にあり得る話だと思うのですが
シューさんおひとりで演じているからこそ
感情がリアルに伝わってきたのだと思います

アミの生まれ故郷へ向かうジミーの旅は
自分と向き合って自分の心を取り戻し
止まっていた歩みを進めるための大切な日々でした

【自分の心と向き合う】というのは
アミの思い出と自分だけでもできたと思いますが
旅先で出会った人々との交流があったからこそ
ジミーはより自分のことを知れたのです

アミはいつも明るくて無邪気で元気な子だけど
こういう子ほど危うくて脆い…
この疑念がまた少し確信に変わるのでした
明るすぎる子は心配になります(私情)

【気持ちを伝えるか、伝えないか…】
永遠に存在し続けるのであろうこの問い

あのとき出せなかったラブレターを
胸の引き出しにしまっている人は
ジミーだけじゃないんだろうな
そう思うとたまらなくこの作品が愛おしくなる

ネタバレなしで感想を書くということが
とても難しい作品なので…このあたりで

以下、印象に残ったことを雑多に記します



電車の3.2.1のあとの景色は圧倒されて涙が出た
『Love Letter』を知らなくても泣けた

黒木華さんはおとなしい役の印象ですが
ざっくりとした役もハマるんだなと
新しい演技を見ることができて新鮮でした

スライドのケータイとてもなつかしい
手持ちぶさたにスライドしまくった
高校時代の日々がフラッシュバック

「旅は自分探しっていうけどもう自分じゃん」
18歳の青年のこの言葉が刺さりました
僕が彼の年齢だったころはこんなふうに
自分という幹は通ってなかったな
すぐ折れてすぐ自分を見失ってたな
彼みたいに強く生きられていたら
今の僕はどんなふうになっていたんだろう?

羊