「ありがちなストーリーですが穏やかでキュンとくる秀作」青春18×2 君へと続く道 くりくりぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがちなストーリーですが穏やかでキュンとくる秀作
表題の通り物語は良くある展開ですが画も役者も総合的に良かった。
「台湾旅行行きたいな+清原果耶が好き+新潟は少しゆかりの地」ということで、他に見たい映画もないので大きく期待せず選択。
清原果耶見たさではあったが、台湾の主演男優となるジミー役のシュー・グァンハンに引き込まれる。話しは、ありきたりであり結末も途中から多少見えてきたりする。しかしながら、男女年齢問わず楽しませてくれる綺麗な映画であり本当に観てよかった。
総合評価は少し甘めかもしれないが星は4.5となります。
映像 ★★★★ (単純だけど何気なく挟み込んでくる風景が良い)
音 ★★★
物語 ★★★★ (ありがちながら展開が良い)
役者 ★★★★ (清原果耶がご贔屓にて5としたいがグッとこらえての星4つ)
編集 ★★★★★ (少し甘いが星5、凝縮された終盤の回想がとにかく良い)
粗さ ★★★ (あたっとしても気にならない)
総合 4.5 (間違いなく秀作)
ここからネタバレ含みの感想。
正直、中盤まではシュー・グァンハンが良すぎてからなのか、私の贔屓にする清原果耶の演技が多少物足りないというか「素人っぽい演技」に感じてしまった。また役柄上の「世界を旅するバックパッカー」に対して現地語もまともに話さないという違和感。しかし・・・、この「素人っぽい演技」を終盤の回想シーンで一気に昇華させた監督とそれを切り取ったカメラ、それに応える演技をした清原果耶は本当に凄い。
この終盤のために、監督は清原果耶という役者を選び、更に前半の役と演技に敢えて「安っぽい演技してる感(Ami自身が元気でアクティブである自分を演じている人の感じ)」を持ってきたのだろうと思うと本当に素晴らしいとしか言いようがない。しつこく繰り返すが、それを表現できる清原果耶の表情を含めた演技は凄い。
「映画っていいなぁ」と思うのは、こういうところでもある。
また、台湾のカラオケ店の面々、旅の途中で出会う道枝駿佑が演じる少し過剰演技にも感じる旅の若者、あまりにもご都合的な登場にも感じる台湾人の居酒屋店主、黒木華・・・と、映画を見終わると皆必要なピースだったと思わせてくれる。正直、道枝と居酒屋店主は出てきたときは「要らない」と思ったのだけどね。
それから「ハイッ!ここで号泣してください」という陳腐な画作りや演出でなかったのも良い。私は気づくと何回かスーッと涙が出ていた。こういう画での泣かせ方をする映画は好きである。