「アミールザスーパージャンキー」クリティカル・ゾーン redirさんの映画レビュー(感想・評価)
アミールザスーパージャンキー
テヘランの街中を縦横無尽に疾走する
カーナビの声は彼の頭の中から響く。
ジャンキー擬似体験
怪しいトンネルからブツを持ち帰り
悩める子羊や狼たちに分配だ!
こんなふうなスピード感こんなふうに音が歪み拡声されて聞こえる
老人ホームにはガンジャケーキチョコレート味。
家に帰りたいとか、美しい詩をインプロバイズしながらガンジャケーキで安眠。おや、映画館私の隣の席のじいさんも、気づけばいびきをかいて寝ている。
路地の女装の男娼たち、
右へ左へ前には危険と脳内ナビが警告する中アミールは上下に回転して疾走する。
子どもたちにジム演技を見せる女
スーツケースを持ってガンジャの包みを持ってトルコ経由でアメリカに行きたい女
空港から乗り込んだフライトアテンダントは欧州からの運び屋でビールも覚醒剤ももちこちフライトはガソリン切れてロシアにケツ舐めしてガソリンもらってきたとのたまい2時間ぶっ飛んでまたフライト。この女は凄腕ジャンキーだった。リスペクト。
最後はブルカの美女でとにかくひたすら美女を車に乗せこの方はジャンキーで弱った二十歳の息子を助けたい。美しい声で右に右にとナビをして、家に着いたらぐったりと美少年がいて、アミールは愛犬Mr frank にするようにやさしく少年で二十歳だけど可愛がり、母親が愛を込めてアミール先生お手製のハシシ入り紅茶を息子に与えると、飼い主が戻らない飼い犬のように可愛くなり、ひとり脳内ナビでギュンギュン飛ばしてほーむすいーとほーむへ。
おそらく抑圧の街テヘラン。テヘランも東京に負けじというくらいきっとすごいストレス社会。美女たちのキレ具合ととくにフライトアテンダントの雄叫び、アミールの開いた瞳孔で大いにわかるよね。それでもって絶対に
アミールは捕まらないし悩まないな二があっても立ち止まらない。監督さんの強いプロテスト。スーパージャンキーヒーロー。アンチ体制ヒーロー。テヘランでよくこんな映画撮れたねとリスペクトしかなくて、みんな客席にいた人はいい気分で家路につくだろう。ブラボー。