劇場公開日 2024年2月9日

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「「煙草投げて」は北海道弁やんか」一月の声に歓びを刻め たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「煙草投げて」は北海道弁やんか

2024年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

チラシに「あなたは傷を元手に映画を撮る。」というコメントがあり、脚本・監督の三島有紀子が幼少期に受けた性暴力と心の傷をテーマに撮った命がけのというか人生を懸けた作品である。「自主映画」という枠組みでスタートしたとのことでタイトルに込めたその心意気の名残りが恰好良く本編にも(自主映画というジャンルがあるわけないのだが)いかにもというカメラワークに起因するテイストを感じる。「島」「船」を接点に洞爺湖の中島・八丈島・大阪の堂島を舞台とした3つの物語をオムニバスでくくるのだが、どう考えても2話目(八丈島の哀川翔:希望)と3話目(堂島の前田敦子:メインテーマである過去の傷)をテレコに配するべきではないのか?(堂島パートを白黒で描いていることからもなおさら)と思えてならない。監督はNHKでドキュメンタリーを作ってきただけにそのテイストを生かそうとするあざとさ(小賢しさ)が見えちょっと萎える。ワンショット長回しの持つ力は良くわかるがそれに拘り(頼り)過ぎているのではないか。特にエンディング洞爺湖でのカルーセル麻紀の長いカットはさすがにカメラアイを意識してしまい最後に寄ってピンが外れて戻ることで一気に興ざめる。

たあちゃん