「ゴジラじゃない!やっぱりシン・ゴジラ!」シン・ゴジラ オルソ ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラじゃない!やっぱりシン・ゴジラ!
無性に「シン・ゴジラ」が見たくなって、配信を漁ったら「シン・ゴジラ オルソ」があった。
せっかくの迫力画面を、わざわざモノクロに作り直すってのがよく分からない。「ゴジラ−1.0/C」は、まだ戦後が舞台になってるから、ドラマ部分で楽しめた気がするけれど、本作にはどうだろう?
モノクロ作品だと昔の記録映画みたいな雰囲気があり、ドキュメンタリーぽくて、冒頭部分は、ニュース映像のようにも見えた。でも、迫力的には見劣りするんじゃないかな。
全部、見終わったあと、カラー版もちょっと見直してみた。ゴジラの体表に赤い部分がチラチラ見えるのも、体内が燃えていることを示しているんだろうが、モノクロ版ではただの模様にしか感じられなかった。
やっぱり、カラーの方がリアルで情報量もあり、迫力も半端ない。ファンの人には申し訳ないですが、わざわざモノクロにしたことに、自分は面白みを感じなかった。
とは、言っても、作品自体は面白い。再見ですが、オルソでもストーリー展開は楽しませてもらいました。
(以下、「シン・ゴジラ」を映画館で観た時のレビューより一部抜粋)
面白いとは思いますが、好きな作品とはちょっと違います。自分の中では、ゴジラはやっぱり怪獣王で、他の怪獣と戦うゴジラが好きです。人間と戦うゴジラってのはイマイチ魅力に欠ける部分があります。
1984年版のゴジラはロボットまで作って、自衛隊の新兵器と戦うまさに画期的な復活作品だったのですが、自分の中ではあまり魅力を感じていません。面白くなかった。
でも、今回の作品については、原爆反対を訴えた、迫力の白黒ゴジラ(1954年版)に緊迫するほどの面白さでした。 何しろリアルで面白い。 あくまで、一体の巨大生物が日本に来たらってことが主題で、これほど政府とか軍隊とかが中心となった作品ってのも初めてじゃないだろうか。一般市民はただ逃げ惑うっていうよりも、避難させるためだけに出てくるって感じで。
そして、その中心となる政府も、最初の頃の情けない対応が滑稽で笑えるんだけど、実際にこんな事態になったらこうだろうって感じでリアルだった。 まさに真・ゴジラって感じかな。
それから、最初に東京湾に現れた巨大なしっぽ。川をさかのぼってきて上陸した奇怪な生物。あのグロテスクな化け物がゴジラに進化する?ミニラの存在はどうなっちゃったのって感じ。
さらに放射能を口から発していただけだったのに、今回は背中のギザギザからあふれるように放出される。おまけにしっぽの先からもレーザーみたいに発射する。
口が裂けたり、体表の様子も違う。
今までのゴジラ映画とは異なり、1954年の上陸も無かったことになっている、まさに新・ゴジラかな。
ハリウッド版と同様のCGで作られたゴジラ。見劣りどころか、いやー、ビックリするほどの大迫力で魅せられました。それでいて着ぐるみ感も残っている、まさに進・ゴジラ。
そういえば、音楽も素晴らしい。あのエヴァを彷彿させるBGMも良かったけど、何よりエンディング。
懐かしい楽曲の数々にオヤジは大喜びでした。
大勢の役者さんが登場する贅沢な使い方も良かったですが、何より石原さとみさん。スゴイですよね、こんな役でもバッチシこなす。そのうえ、可愛いんだから、言う事なしです。
とにかく、今までのゴジラ映画に媚びていない、本当に心・ゴジラを見たって感じで新鮮な作品を楽しませてもらいました。

