劇場公開日 2024年10月18日

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「ジグソウに同情してしまう作品でした」ソウX 悶さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ジグソウに同情してしまう作品でした

2025年3月7日
PCから投稿

【鑑賞のきっかけ】
お気に入りの「ソウ」シリーズの最新作ということで、強く興味を惹かれ、動画配信で鑑賞してみました。

【率直な感想】
<ジグソウを騙すとは・・・>
あの衝撃的な第1作の「ソウ」の制作年は、2004年。
既に20年が経過しているのですよね。
本作品は、時系列的には「ソウ」と「ソウ2」の間の物語なのですが、ジグソウことジョン・クレイマーが末期がんの先端治療を受けたら、それが詐欺だった・・・ということで、お得意の死のゲームで詐欺師たちを追い詰めていくお話。
このジグソウを騙すという設定には、驚きました。
「罪を犯したものは償わなければならない。生き延びたければ、ゲームに勝たねばならない」という、このシリーズを貫くジグソウの考え方は、常軌を逸しているもので、現実的には到底受け入れられるものではありません。
でも、今回の詐欺の内容からすると、ジグソウの気持ちに寄り添いたくなり、「ジグソウ、頑張れ」と心の中で叫んでいました。
こんな気分にさせるストーリーを思いついた制作陣には、賞賛に値します。

<これまでのシリーズのテイストも踏襲>
このシリーズが単なるホラーやスリラーと違うところは、「サスペンス」の要素が盛り込まれていて、最後にあっと驚く展開が待っているところです。
しかも、そこには、しっかりと「伏線」が張られている。
ラストになると、テーマ音楽が流れる中、その伏線の張られていたシーンがフラッシュバック形式で、画面に展開していくのですが、「そうか、あの場面はこんな意味があったのか」と納得。
このテイストが本作品でも、しっかり取り入れられています。
もちろん、第1作や第2作には、及びませんが、それ以降の9作目までとの比較でいくと、かなりハイレベルなものに仕上がっていたと思います。

<あの人物が登場>
シリーズお馴染みの登場人物が死のゲームが始まるとともに登場して、シリーズをずっと観てきた人は、思わずニヤリとしてしまうと思います。
でも、これはそれで終わりではないです。
物語の本編が終了して、エンドロールが始まって間もなく、あるシーンが流れてくるのですが、ここにも、「あの人物が!」という驚きが待っていました。

【全体評価】
本作品は、ジグソウに肩入れしたくなってしまい、そういう風に観ていくと、「ジグソウ、頑張ったね」という感じのものでした。
ラストでこんな気分を味わえるなんて、想像していませんでした。
新たなる続編にも期待できるかもしれません。

悶