年少日記のレビュー・感想・評価
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巧みな構成による兄弟の愛情の深さの表現
違和感の答えを探して。
近代の悩み映画
切なくて優しい話、そういう事か、、
勘違い?してたから余計に泣けた
現在の学校の教師としての自分と子供時代の自分とを交錯させながら進んでいきます。
壮絶な子供時代の境遇が、いかに人生において大きな影響を与えていくのか。
優秀な弟と不出来な兄。親や周りの大人が兄に対して厳しく、一緒に暮らしているものの拠り所はなかったんだなあとなんとも辛い。「避難場所」となっていた漫画の作者が自殺をするというこれまたなんとも辛い内容。死、とりわけ自殺というのがポイントとなるこの映画。香港でも自殺というのは社会問題なんですね。
一つ、私自身が勘違い?していたからか、余計に涙が出てきてしまいました。そっちだったのか〜。これは監督の狙いだったのか。他の方もレビューに書いていたのでそういうことなのかと思いました。だからこそ余計に涙が出てしまいました。
弟の進んだ道は、まだ人生途中ですが間違っていない。幼少時代に、兄に対しては見下してるようなところはあったのですが大人になってからの生き様でそうでもなかったんだよと示してくれてる気がします。
チェン先生が、ずっと星野源に見えてました。
「最大の悲劇は善意の人の沈黙と無関心」(マーティン・ルーサー・キング)
高校教師のチェンの勤務校のゴミ箱から生徒が自殺をほのめかす文章がみつかる。その中に「私はどうでもいい存在だ」という言葉を見つけがく然とする。それが長いこと封印していた幼少期の日記(年少日記)に記していた言葉とまったく同じだったことにショックを受ける…という場面から物語は始まり、子ども時代の体験やトラウマを引きづりながら成長する過程などがフラッシュバックとして描かれていく。
監督のインタビューによれば、香港の学生の自殺問題をきっかけに本作を撮ろうと思ったそうで、学業や家族、社会からのプレッシャーに直面する子どもたちへの理解を促進したいとのことだ。
この問題は当然ながら対岸の火事ではなく、2024年度の小中高生の自殺数は、厚生労働省の統計によれば、前年度比で16人多い529人で、1980年に統計を取り始めて以来最大数になっているとのこと。その原因のトップ3は「学校問題」「健康問題」「家庭問題」で、本作での課題とも重なる部分は大きい。
エンドロールの Special Thanks にいろいろな学校や先生たちの名前が多数列挙されていることから、かなり多くの取材を丁寧に重ねてから作ったのだろうことがうかがい知れる。
日本では少子化に伴い、かつての「受験戦争」と言われていた時代よりは競争が緩和されているのかも知れないが、逆に一人の子どもに対する親の期待とプレッシャーは従来とは比べ物にならないはず。そこに誰がどのように寄り添えるのか、それこそが子どもたちを救う唯一の道かも知れない。
そのように考えると、「負の連鎖」を生まないためにも、子育てをしている人や、教育関係者・子どもと関わる仕事をしている人は観ておくべき作品だと言えるだろう。
なお、兄弟間の出来・不出来の差が父親の愛情の示し方の違いになって表れる物語は古くは聖書の「カインとアベル」の逸話にまで遡れるし、それを基にした(映画化もされた)スタインベックの『エデンの東』も当然そうだ。これも世界中で普遍的な課題なのであろう。
事前に「泣ける話」だという評判を聞いていたのだが、いろいろな意味で胸に刺さり過ぎて、自分には「泣く」という感情が逆に生じてこなかった。(ハンカチ持っていったのに…)
余談だが、広東語の「はい(yes)」は「はい(漢字で書くと「係」)」って言うんだ!というのが今回一番驚いた発見。笑
重すぎた。そして良かった。 時代、環境、家庭。 多分これがピンとこ...
加油!
子供の心の壊し方
一人の少年の日記を通して、親の体罰によって、人生に前向きだったはずの心が少しずつ壊れていく衝撃的な物語。
Yahoo!ニュースで教師による体罰のニュースが出ると、コメント欄には教師を擁護し、体罰を肯定する意見が少なくない。
そうした人々がよく口にするのは、「自分も体罰を受けて育ち、それが成長につながった」というもの。
この映画に出てくる浅野忠信似の父親も同じようなことを言っていた。
彼らはこの映画を観ても、同じ意見のままなのだろうか。
もし体罰で成長する人間がいるとしても、その陰で命を絶つ人間がいても許されるというのだろうか。
人は誰しも得意不得意がある。
親の役目は、子供の得意なことを見つけ、学ばせ、伸ばし、社会で活躍させることだと思う。
しかし、世の中には、自分の理想を子供に押し付け、うまくいかなければ子供を責め、結果として生きることに絶望を感じさせてしまう親も少なくない。
この映画の兄弟がまさにそうだが、向いている子は体罰がなくても結果を出すし、向いていない子供は、いくら体罰を与えても結果を出すのは難しい。
体罰を振るう大人は、子供が思い通りにならないことにイライラし、その感情をぶつけているようにしか見えない。
それを「子供の成長のため」と言うのは、あまりにも卑劣だと感じる。
確かに、努力を怠り、結果を出せていない子供も多くいる。
そういう場合、勉強するようになれば飛躍的に結果を出すことも珍しくない。
『ビリギャル』の主人公がその典型。
しかし、この映画の主人公は違う。
次のテストで良い点を取ればどんな望みも叶えると言われ、彼は今までの人生で最も勉強したはず。
それであの結果だった。
この時点で、親であれば別の道を考えるべきだった。
子供をさらに傷つけ、結果を出させようとするのは、人間としてあるまじき行為ではないだろうか。
物語の途中に出てくる若い女性のピアノ教師は、性別や年齢は違えど、普段の自分を見ているようだった。
自分も人に物を教えるときは、あのような感じなので。
だからこそ、子供に結果を出させてあげられない彼女の苦しみが痛いほどよく分かる気がした。
葬儀場での彼女の姿を見て、涙が止まらなかった。
考えさせられる作品だが、ストーリーは詰め込みすぎ!
台湾映画かと思ったら香港映画。テーマは物凄く重い。高校教師チェンが見つけた生徒が書いたと思われる遺書のメモを見て幼少期に見た兄の日記を思い出したが、内容は色々考えさせられた。ただ、詰め込みすぎた感は否めない。逆に香港の学校教育事情など絞っても良かったか。ラストは希望が見えたが。アイデアはいいだけにもったいない。
家族間でそれは……
家族関係
高校教師が自分の過去を振り返りながら生きて行く姿を表現した感じの作品。 本年度ベスト!
幼少期に傷ついた心の追体験
淡々とした映画といえばそういう映画ですが、私は嫌いではなかった映画でした。
幼少期に傷ついた心を振り返り、それを乗り越えようとするストーリー。
あそこまで酷い毒親は、今では虐待ですね。
あそこまで辛い経験を私自身は幼少期にしていませんが、追体験しているような感覚になりました。
思ってたほど…
静かで内省的な、後悔と自省を反芻するような映画。
事前の印象から韓国映画だとばかり思っていたが香港映画だった…
基本的には、遺書らしきものを発見した教師が子供時代のことを思い出すことで観客は過去の出来事を知る、という形になってるんだけど、ひとつだけギミックが入っていて、それが終盤グッと物語を展開させる。
その展開が少しだけ主人公に前を向かせるので、後味はけして悪くはない。
ただ思ってたほど入れ込めなかったのは、全部父親が悪いってだけじゃないの?としか思えなかったから。父親もまた…ってことでもなさそうだったしね。
主人公の元妻役のハンナ・チャンさんも、その若い頃役のナンシー・クワイさんもめちゃくちゃ可愛かったのが印象的…
悲しい家族物語
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