「アサヤンの宮路社長とダブるオールドフォックス」オールド・フォックス 11歳の選択 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
アサヤンの宮路社長とダブるオールドフォックス
1秒先の彼女の彼氏役だった リウ・グァンティン。ちょっと栁俊太郎に似てる。
この映画でますます好きになった。
1990年代のバブル期の台湾の父子家庭。レストランの接客係をしながら、服飾の内職もし、小さい息子と仲良く暮らしていた。
息子はレストランの空き個室で宿題をレジのお姉さんに見てもらったり、厨房のおばさんにおやつをもらったり。ノスタルジックな古き良き時代の香りが漂う。アパートの部屋にはレコードプレーヤーのステレオにサックス。家賃集めに巡回してくる美人さんはいかにも地元の不動産屋社長のイロなんだけど。お父さんにちょっと気がある。社長が所有しているビンテージカーに映える美人さん。
お風呂から出る直前にすっぱだがで廊下側の給湯器まで走って火を消してガス代を節約。老狐のおじいさんはレストランではなく、店子の老夫婦の小さい店でいつもスーツをビシッと着て一人でラーメンを食べている。あの時代、財を為す人はおしなべてケチ。不動産屋の老狐に対抗する新興勢力で、レストランにしばしばくる地廻りの男たちのナイショ話を仕切りの裏で盗み聞きし、老狐にゴミ集積所の土地開発の情報を流すかわりに、なくなった母親の夢であった散髪店を出すための物件を格安で融通してもらおうとする。そこへ急激な不動産高騰。ゆくゆくは店を畳んで、郊外に家を買って暮らそうとしていたラーメン屋のおじいさんも夢を絶たれて、突然首を吊ってしまう。事故物件だから安く売ってくれとせがむが、義理人情に厚い老狐は老夫婦の息子に店の権利を譲る。二十年後、少年はカリスマ建築家になっていた。
これは誰か実在の台湾の建築家の話?
オールドフォックス 老狐に浅草橋ヤング洋品店(アサヤン)にでていた現金入りのアタッシュケースを何度も強奪された城南電機の宮路社長をダブらせていた。年代もぴったり一致する。
宮路社長は勝ち組だったが、後ろ姿は負け組だったような。
少年はどっちも好きだったんだよなーきっと。
ほんわかした台湾映画好き。
門脇麦ちゃんは台湾映画のほうが合う気がする。