劇場公開日 2024年6月14日

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「狐の恩返し」オールド・フォックス 11歳の選択 ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5狐の恩返し

2024年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

予告編から抱いたイメージではリャオジエ君、どんどん闇落ちするのかと思ったけれど、そんなことはなく、子供ながらの一途さがけなげでしたね。
シャ(古狐)も非情ではあるけれど親子を見守る視線に温かみというか、それを超越した愛のようなものを感じ取りました。
正直者で馬鹿を見て逝ってしまった母と同じ匂いのするタイライを「負け組」とリャオジエに言い含めていたけれど、本当はその二人のように真っ当に、正直に暮らすことができることが一番だと思っていて、きっと(賢い)リャオジエなら明と案・善と悪を天秤にかけて善き方へ進むだろうと考えて伝えたのではなかろうかと、ワタシ的には全てを性善説に捉えるような解釈に至ったハートフルな作品でした。
足踏み式ミシンの奏でる音も郷愁を誘われましたが、げに恐ろしきは「お金」、それはお国が違っても変わらないのですね。
「清貧」という言葉を改めて心に刻みました。

ニコラス