「なんのための闘いだったのか…」TATAMI さとうきびさんの映画レビュー(感想・評価)
なんのための闘いだったのか…
柔道の世界選手権、勝ち抜き戦の最中に政治的な配慮で発せられた祖国からの指示に翻弄される選手、監督、家族の姿を描いています。
事態を察してできる限りのサポートを試みる世界柔道協会のスタッフたちを交えて、容赦ない試合の進行を緊張感に満ちたモノクロの映像が追います。
尖ったカメラワークが緊迫感を更に煽ります。
そして…
観客という第三者の目線で観たこの闘いはいったいなんだったのか、徒労感しか感じられません。
けれど当事者にとっては絶え間なく迫られる決断の一つ一つに力の限り立ち向って手に入れた勝利なのかもしれません。
観終わった後で想いました。
これが女子選手権でなく、選手も監督も男性であったなら、また違う展開、違う感情があったのだろうかと。
イスラム教国での女性の立場を斬新な視点で描き出した傑作です。
息をもつかせぬ2時間でした。
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