劇場公開日 2024年12月13日

「強制(矯正)があるから個性が生まれる」小学校 それは小さな社会 サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 強制(矯正)があるから個性が生まれる

2024年12月18日
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鑑賞方法:映画館

2024年劇場鑑賞104本目 名作 90点

24年末、数ヶ月前にこのサイトで目にして現代の初等教育現場を他国から評価されたドキュメンタリーということで大変期待して鑑賞を楽しみに銀座シネスイッチに足を運ぶ

結論、24年年間ベスト1あるいはベスト2甲乙つけ難いほぼ同率1位に君臨した傑作でした

同日に鑑賞した大きな家より運霊の差で良かった

放送室にいた6年生の男女のすごく仲良いわけじゃないけど、定期的に会ってた少し性に目ばめてきている年頃の二人がどこか別れ惜しいが素直に言葉が出てこないシーンや、そのうちの一人の少年が運動会の縄跳びの練習風景がお盛んな年頃である大学生が筋トレし始める様で可愛かった

演奏の発表会のクラス代表を決める時間の女の子のまだ言葉表現より泣くことが先行する年頃をうまくさがく教員も怒りが先行せず余裕を持っていて尊敬の念が湧く

体育館での集会や卒業式だかのシーンの教員の情熱具合も多様性だのどうのこうのが蔓延する現代においてもなくてはらない、後に必要愛だったと誰しもが気づくからこそ、これからもこういった人材には教育現場からいなくならないでほしい

右も左もわからない小学生、自我が芽生え始めた中学生、人格がほぼ形成された高校生、不条理と要領を体感する大学生と、それぞれの年代におこる変化の中で、その中で順守するべき事柄が足枷になることも勿論あると思うが、それを感じたというのとは自分の中の正しさや感覚が備わってきた証で、何もないところからは個性が生まれないわけで、現代が多様性だの寛容な器で受け止めようという表向きな豊かさが育まれたのは、この強制(矯正)がある故なのだろう

サスペンス西島