「エリーをリフトできる腕力があれば、君もアーガイルに入れるぞ」ARGYLLE アーガイル Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
エリーをリフトできる腕力があれば、君もアーガイルに入れるぞ
2024.3.1 字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年のアメリカ映画(139分、G)
スパイ小説の原作者が実在のスパイ組織の陰謀に巻き込まれる様子を描いたアクション&コメディ映画
監督はマシュー・ヴォーン
脚本はジェイソン・フックス
タイトルの『ARGYLLE』は「菱形の格子柄」という意味
物語は、スパイ小説『アーガイル』をヒットさせている作家・エリー・コンウェイ(ブライス・ダラス・ハワード)が、フックフェアにてアーガイル第4巻を朗読している様子が描かれて始まる
質疑応答にて次回作の構想を質問されるエリーは、次の舞台がロンドンであることを仄めかしていく
自宅に帰ったエリーは愛猫アルフィー(Chip)と戯れ、第5巻の執筆にキリをつけた
いつものように母ルース(キャサリン・オハラ)に原稿を送って感想を聞いていると、母は「引き伸ばしているように思える」と言い、「追加のチャプターが必要」と答えた
週末に両親が彼女の元に来る予定だったが、エリーはそれを変更して、母の元に向かうために列車に乗り込む
母はサプライズだと喜び、父バリー(ブライアン・クライストン)を大声で呼んではしゃぎ始めていた
物語は、その列車にて「本物のスパイ」であるエイダン・ワイルド(サム・ロックウェル)が登場し、乗客から次々に狙われる様子が描かれていく
スパイ組織からの追っ手から逃げる二人は、パラシュートを使って脱出することになるのだが、ワイルドは「君の書いた小説の通りになっている」と言い、「アーガイル」が予言書になっていると言い始めてしまう
そこで、これから起こることを知りたがっていると言い、ワイルドは逃亡の中で「次の展開」を考えさせることになる
だが、エリーは綿密なリサーチが必要で、パッと出てくるものではないと言い、次の舞台のロンドンには行ったことがなかった
そこでワイルドは、プライベートジェットを配して、彼女をロンドンに連れていくことになったのである
と、小説で書いたことが本当になっていると世界観になっているのだが、それがどうして起こっているかが後半になって示されていく
この辺りはネタバレなしで鑑賞した方が良いのだが、結構早い段階で、映画全体の構造というものもわかってくる
後半はそれがわかった状態で鑑賞する感じになっているが、エリーがある人物であることを思い出してからは、コミカル度が高まっていくように思えた
エリーはスパイ組織の一員で、「アーガイル」は架空のキャラではなく、エリーそのものだった
また、ワイルドは恋人という設定になっていて、そのロマンスが封印されていたことが描かれる
ドレスアップして、レイチェル・カイルとなってからのエリーは出オチっぽくなっていて、そこからのアクションは「いつものマシュー・ヴォーン」のようなテイストになっている
なので、この顛末も全て「第5巻の内容」ということがなんとなくわかってしまうのである
エンドロール後には『キングスマン』と繋がっている世界線であることが仄めかされているが、『キングスマン』を直前に予習しているか、かなり詳細に覚えていないと意味がわからない感じになっている
そのあたりはスルーでOKなのだが、本作には「第6巻」というものがある感じになっていて、それが『キングスマン3』に繋がってしまうのかな、と感じた
いずれにせよ、思ったよりも体感時間の長い作品で、もう少しコンパクトにまとめれなかったのかなとは思った
無駄なシーンがあるというよりは、それぞれのパートに長さを感じるので、集中力の限界が後半に訪れてしまう
そこで脱力感満載のコメディ路線に展開してしまうので、眺めるぐらいのスタンスで臨んだ方が良いのかもしれません
また、ネタバレすると面白さは半減するので、情報はシャットアウトして観ることをオススメいたします(遅いか)