「色味とカメラアングルと幻想と」わたくしどもは。 Marizzaさんの映画レビュー(感想・評価)
色味とカメラアングルと幻想と
極端に文字や装飾を排除し、スクリーン上の登場人物の行動に没入させる印象を受けた。
開始45分まで音楽が掛からないのも戦略だろうか、私たちは何を追っているのか、魅せられているのか、不安と戸惑いさえ覚えながら、物語は進んでいく。
登場人物の言動など、随所に鏤められたディテールを鑑賞しながら拾ったり思い返したりしているうちに、物語は終盤をむかえる。
ただ、佐渡ヶ島の自然景観や音を拾いながらゆっくりと進んでいく時間は贅沢で、物語の方向性を探ろうとする脳内の焦燥感と心理的安堵感の入り交じる101分間は新しい映画体験だった。他の監督作品もまた鑑賞したいと思う。
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