「漂う念の行く末は」わたくしどもは。 mizukaさんの映画レビュー(感想・評価)
漂う念の行く末は
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映像の妖しさと説明のない場面から様々な想像をしながら観る。
かつて賑わった鉱山跡。
金を求めて欲望が集まった町。
労働者として連れてこられた者たちが無惨な末路をたどった町。
そこは死者の念が彷徨う場所。
その町で死者が過ごす時間は短い。
風が吹けば煙がかき消えるように次の場所へといってしまう。
しかし己の欲のために人を犠牲にしたものは永遠にここを彷徨い続けるのだろう。
ただれた体を引きずりながら。
念が狭間の世界で体を持ち、目で見て、言葉を話し、愛し合うことができるのならば
私たちが念や狭間ではなく実体だと思っているこれと「それ」、ここと「あそこ」はそれほど違いがないのかもしれない。確かめるすべは、一度経験した後ならばニ度は死なないということ。しかし実際に確かめてみるわけにはいかない。
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