「逸脱と受容」あずきと雨 ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)
逸脱と受容
加藤紗希のユニセックス的な佇まいに見惚れてしまった。メジャー系リメイクならユキ役は石橋静河だな。
ノブは平均値から少々逸脱した自分の価値観をうまく説明できず諦めているように見える。ユキはアズキもマヨネーズもお断りの「普通の」人でそんなノブの逸脱を受け容れきれない一方で、リコの見晴らしへのこだわりや家出には寛容で同情的に接する。リコとノブは互いに邪魔にならない。そしてノブは、家出娘を突然同居させるというユキの逸脱にほぼ抵抗しない。この受容の矢印の向きが面白い。ユキがリコという迂回路を通じてノブを受容できる(かもしれない)ようになったとき雨が降ってきてしまう。この余韻がたまらなく良い。
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