「ファッキンリンリ」リンダはチキンがたべたい! ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ファッキンリンリ
何だか珍しいタッチのアニメ映画だなぁと惹かれるように劇場へIN。特典はレシピカードでした。
アニメーションは最高!でも話はあんま好きじゃない!
そんなタイプの作品でした。
アニメーションは線と色で構成されており、これをちょこまかとちょこまかと動かすの相当大変だったろうなと思いましたし、上空から団地を見下ろすシーンなんかは絵本の世界に入り込んだような感覚でワクワクしました。
この難しいであろうアニメーションに挑戦してくれたアニメーターの方々には感謝が尽きません。
今作の気になった点はブラックすぎるコメディにつられてキャラクターがイカレまくっているところだと思います。
まず主人公のリンダは最初はお父さんを早くに亡くしてしまっているし、お母さんから厳しくしつけられているしで、大変な子だなぁと思っていたんですが、叔母さんの家に放り込まれたあたりからどんどんワガママな面が出てきて、出された料理に文句を言い、下品な遊びをしたりと後々この子がこうなのも親のせいか…と味わうことになりますが、まだこの段階ではまぁ子供だしなぁでギリ許せていました。
そこからチキンが食べたいの一点張りで行動していくので、周りなんてお構いなしに狂ったようにチキンを食べようとする様子ばかりで、タイトル通りっちゃタイトル通りなんですが、このクソガキ…!って何回も思いました。
直近で観た「リトル・エッラ」の主人公も紛れもないクソガキだったので、改めてこのくらいの歳の子供は苦手だなぁと思いました(全ての子がこんなに自由なわけではないんですが)。
しっかしお母さんがそれ以上にヤバいやつでコメディで進んでいるはずなのに笑えずに引いている自分がいました。
勘違いしたまま姉の元に娘を預けて、そこから勘違いを謝ったと思ったら、ストライキ中の街中からニワトリを奪うというシンプル犯罪をやってのけたり、姉に再び迷惑をかけたり、反省する様子なんて全くなく責任をなすりつけまくっていたりと、顔がピキピキってなるくらいにはこの70分でお母さんを嫌いになりました。ここまで不快指数が高いキャラクターは久々かもしれません。
ずっと振り回されっぱなしのお姉さんが不憫でなりませんでした。
妹からの詫びは言葉ですら無いし、姪っ子は駄々をこねるし、頼まれごとなんでもやるもんだと思われてるしで、これ邦画だったら絶縁してもおかしくない話だよなぁとお姉さんに同情しっぱなしでした。
住民たちは抜けている方々が多いので、そりゃ誰も止められないよなぁと遠い目で観ていました。
最後はハッピーエンド風に終わっていますが、お姉さん引き摺り込まれたのにその後何事もなく地上に戻ってるし、お母さん何も反省してないし、リンダはチキン狂いのまんまだしで、ハッピーさについていけずにポカーンとしていました。
倫理観の崩壊したクレヨンしんちゃんの世界という文言が自分の中でぴたーっとはまりました。あのラインだからこそクレヨンしんちゃんは面白いんだなと再確認するきっかけにもなりました。うーん難しい。
鑑賞日 4/13
鑑賞時間 14:50〜16:15
座席 I-12