「一年の最後を飾るに相応しい」ロボット・ドリームズ 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
一年の最後を飾るに相応しい
採点4.3
出会いと別れと、友情を描いたサイレントアニメーション作品。
シンプルな作画だけど実に細かく、窓の外や背景などとても丁寧に描かれています。
またマットなトーンだけどとてもカラフルで、観ているだけで楽しい。
舞台は動物の世界。その社会の中での孤独と、出会いがとてもドラマティックに写されているんです。
トラブルから引き離される二人、希望と共に挟まれるロボットの寂しい夢。
その調子っぱずれの口笛がまた悲しいんです。
また、ずっと作品のキーになっているアースの「September」。
この入れ方も実にうまくて、最初のローラースケートや、離れた場所で二人一緒に踊るダンスのシーンは素晴らしかった。
『覚えているか?9月に踊ったことを』なんて歌詞に載せた二人のダンスはなんて素敵な時間でしょうか。
でも、もう会うべきでは無いと姿を隠すロボット。
楽しかった思い出はそのままに、今のパートナーとの時間を大事にしたい。
友情を描いた物語ですが、それはもう別れた恋人たちのよう。
ずっと涙が止まらなかったです。
一年の最後を飾るに相応しい、とても素晴らしい作品でした。
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