「中学生が、躊躇なく殺人を犯すシーンに戦慄」ゴールド・ボーイ じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
中学生が、躊躇なく殺人を犯すシーンに戦慄
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トレイラーはあまり不穏ではなく、岡田くんの悪役ぶりが際立っていただけに、本編のどんでん返しに驚愕した。
ちょっと設定に無理があるけど、中国原作の話を沖縄に上手く落とし込んでいる。
古い風習や人間関係。都会だとありえない深さ。
問題を抱える子ども達が、ふとしたきっかけで「ゆすり」と「ころし」を計画実行する。
最初は岡田くんが殺人鬼でありサイコパスだと思って、連続殺人をするのかと思っていたけどね。
数学コンクールで1位を取るほどのアサヒ、幼なじみの金髪ヒロシ、ヒロシ母の再婚相手の娘ナツキ
アサヒは頭が良く学校でも1番だけど、母親(黒木華)は父親の不倫で別れており、貧しさに喘いでいる。
ヒロシとナツキはそれぞれの父母が再婚し、ナツキは父親からDV(性的暴行)を受けている。
東昇(岡田将生)の殺人場面を偶然見た(撮った)ことで、アサヒは強請ることを決意する「僕たちの問題ってお金があれば解決するよね」と。この時点でアサヒのサイコパスぶりに戦慄する
いっぱい死ぬ。
中でもナツキの思い切りの良さに驚く。ヒロシは腰が引けていた。冒頭ヒロシはバタフライナイフをチラつかせて高校生から平気でカツアゲするけど優しい人柄だ。途中から画面に移る頻度が減るのはそのせいかも。
沖縄の墓参りの風習に合わせた殺人が怖い。不倫くらいしか罪があるとは思えないアサヒの父とその妻をナツキとヒロシはあっさり毒殺する。
当然、この話は悲劇へと突き進むが、その最中にあってもアサヒは粛々と目的を叶えていく。息子の内なる怪物を知った時の母親の恐怖。
名作。果たして本当に「2」はあるの?
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