満江紅 マンジャンホンのレビュー・感想・評価
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中国深い、マジ深い、半端ない。
チャン・イーモウの映画は『LOVERS』以来。彼を「国策映画屋」と一括りにするのは違うと思う。
『24』のようなヒリヒリする展開が続き、笑える場面も多い。そして中国文化のエッセンスが凝縮されていた。
立場を明確にしない者ほど生き残る——それをDNAレベルで理解している人間たちが描かれ、キャラクターは誰もが違って誰もがリアルだった。が、本来
豫劇、詩、謡、歴史物語、知を愛し、自由を愛するのが本来の中国人だ。籠の鳥にも、犬にもならない。
国民党軍人の息子として大陸で生き続けた彼の矜持を感じた。
秦檜は現実路線を取った官僚だったにすぎず、単純に売国奴と断じるのは短絡的だ、という視点がもう一歩欲しかった。和平しなければ南宋は100年も続かない。が、あれが限界なのだろう。
それでも、最高傑作だと思う。
俳優の演技が上手かった
「コメディ/スリラー」というジャンルに惹かれて鑑賞。
まず印象的だったのは、彼らが移動する場面で必ず流れる音楽。
あのドラの音入り京劇風の爆音ラップ?は、癖になる!
緊迫した場面が続くものの、クスッと笑えるところも度々あって重くなりすぎないせいか…2時間半以上あったけど、長く感じなかった。
ストーリーについては……
張大の最後があまりにも辛すぎないだろうか?
絶望、ですよ。
孫均の行動が理解出来なかった…
「満江紅」の詩は、中国ではみんな知っていて、岳飛は悲劇の英雄なんですね。
この映画も中国ではすごくヒットしたらしい。
スピーカーのない時代は、ああやって伝えたんだなぁ…
しかし…ラストはあれで良かったのか…?よくわからんです。
出演の俳優さんの演技、上手かったと思います。
イー・ヤンチェンシー…20代には見えない!
何だ、あの雰囲気は……今後、注目しよう。
ムロツヨシ(違う)も良かった…あの拷問はマジでつらい撮影だっただろう。
他の俳優もそれぞれ魅力的だったし。
この監督チャン・イーモウ氏は、魅力的な演者を見つけるのが得意ですね。
密書コント
予告で少し『梟』に似た雰囲気を感じ、鑑賞。
あれも微妙にコメディ要素が入ってたけど、本作はちょっとしつこ過ぎた気がする。
いきなり使者の遺体発見シーンから始まり、緊迫感が…と思いきや、牢屋で早速コント。
生き延びるためだし、張大の口の上手さを伝えるためなのは分かるが、最初から嘘八百の証言。
その後も周囲の犠牲も省みず保身第一。
孫均はすぐ相手を斬り殺すし、証人の口を封じてる疑いもあったけど、結局ただの短気。
誰も信じられない中で、あっちこっち駆けずり回り、時には全部ひっくり返され振り出しに戻る。
多くの登場人物が入り乱れることもあり、自分には非常に難しかった。
本サイトでも役名が2人しか載ってなかったから、何殿や武殿があんなに絡むとは思わず。
自分の理解力が足らないのだろうけど、最終目標が見えなかったんですよね。
なのでずっと各々の保身と出世欲を見てた感じ。
観終わった今も、密書が元々誰に届けられる予定だったのか分かってない。笑
あと、終盤で宰相(本物)が遺詩の暗誦を放置してたのも腑に落ちず。
無駄なコントを入れずに2時間くらいで纏めてくれたらまだ分かり易かったのか。
それとも中国史に疎い自分にはそもそも無理なのか。
張大が表情のつくり方までムロツヨシそっくりで、そこは面白かった。
鑑賞直後「さすがチャン•イーモウ」と気分が上がったけど 時間とともに「彼は昔の彼ならず」感がひたひたと押し寄せてくる件
私が香港映画ではない「中国映画」というものを鑑賞し始めるきっかけを作ってくれたのが他ならぬチャン•イーモウ監督でした。彼は今世紀に入ってからは北京で行なわれた夏季冬季それぞれの五輪の開会式/閉会式の総監督を務めるなど、もう一映画監督の枠に収まりきらない「巨匠」として映画界に君臨しています。この『満江紅』は2023年の作品で興行収入が日本円に換算すると900億円超という大ヒットになったそうな(まあ中国は日本の約十倍の人口ですからね。こういう数字は文字通りの「ケタ違い」になります)。
で、観てみると、やっぱり、面白く大満足でした。コメディあり、シリアスあり、サスペンスあり、アクションあり、その他もろもろな要素がてんこ盛りの絢爛豪華な幕の内弁当といった感じ。
舞台は12世紀の中国です。南宋王朝は北方の女真族の金王朝と激しい戦いのさなかにありました。金に奪われた領土の回復を目指して戦った岳飛(この武将は中国の歴史上でもっとも人気のある英雄と言っていいと思います)が謀殺されてから4年、南宋の宰相 秦檜(岳飛を謀殺した黒幕で後世では「売国奴」と呼ばれる国民的不人気キャラ)は金との和平交渉に乗り出します。ところが、南宋への密書を携えた金の使者が何者かに殺され、密書の行方もわからなくなります。といったところから始まる物語です。
私は、岳飛は同じ12世紀の人でいくさにめっぽう強かったけれど勢力が強くなるのを恐れられ謀殺された悲運の武将ということで、日本で言えば、源義経みたいな印象を持っていました。両者とも歴史上の英雄として人気が高いという共通点もありますし。でも、義経が源平の戦いという、いわば国内内戦での英雄であるのに対し、岳飛は北方の女真族との戦いで力を発揮したので、漢民族の皆さんには特別な思い入れがあるのでしょうね。あと、岳飛には武人としてだけでなく、文人としての側面もあり、この映画では彼の残した詩が大きな意味を持つことになります。
さて、物語は中盤以降、ドンデン返しの連続みたいな感じになります。話が二転三転どころか四転も五転もするような感じで物語の行方に釘付けとなります。そして、ドキドキしながら大団円、感動のうちにエンドロールと続き、終わって劇場内の照明がつくと、あー、よかった、大満足、さすがチャン•イーモウとなるわけですね。でも鑑賞直後の大興奮はどこへやら、時間がたってくるにつれ、まあ、確かにチャン•イーモウの晩年の代表作と言われるようになるかもしれないけど、彼のフィルモグラフィの中で燦然と輝く傑作かと問われれば、そうでもないよなと興奮がさめてきます。ドンデン返しの連続もなんだか浅くて薄い感じだったよな、陳腐な感じもするし…… 序盤に出てきた密書の話は映画用語でいう「マクガフィン」だったと思いますが、それにしても、それを序盤から中盤にかけて引っ張りすぎで前半が冗長だったなとかの構成上の問題点を思い出したりもします。まあよくできたエンタメで、かつ、いつものようにとても美しく撮れているのですが、例えば、コン•リーが主演した彼の最初期の三部作と比べてどっちが好きかと問われたら、私は間違いなく最初期のほうと答えると思います。
ということで、この『満江紅』はそれなりの予算をかけ、国民的な英雄である岳飛の詩をモチーフとして、中国の観客に媚びているようなところが鼻につく感じです。巨匠もたいへんですなあ。あと、彼は過去の作品のコン•リーやらチャン•ツィイーやらの例でわかるように女優を美しく見せて上手に使うのに長けていると思うのですが、今回はそれほど目立った女優がいなかったような。そう言えば、一昨年に観た彼の前作の『崖上のスパイ』は1930年代の旧満州を舞台にした作品で、雪景色はきれいだったけどストーリーはパッとしなかったなあ、おまけにラストが中国共産党万歳みたいでなんだかなあだったし、と思い返しながらも、モスクワで訓練を受け満州に潜入した4人組のスパイのうちのひとりで最年少の役をやってたリウ•ハオツンがやたら可愛いかったしなあと感慨にふけっておりました。
何はともあれ、まあいろいろと言いたいこともありますが、概ね満足いたしました。チャン•イーモウ監督の次作を楽しみにしたいと思います。あと、そこに出てくる「謀女郎(モウ•ガールズ)」が誰になるかも楽しみです。
《注》謀女郎(モウ•ガールズ): チャン•イーモウ監督の作品でデビューした女優たちを指す。コン•リー、チャン•ツィイー、ドン•ジエ、チョウ•ドンユイ、ニー•ニー、リウ•ハオツン等。まあ、段々とガールと呼べなくなる人が増えてくるとは思いますが。
ラストが中途半端
中国(南宋)が北方から金に脅かされる時代。金と内通し和平路線をとる宰相、秦檜 (しんかい)を、秦檜に殺された主戦派の岳飛 (がくひ)派の残党が、金の使者からの書簡を奪い、皇帝、高宗に直訴するという話。でいいのかな?
金を創った、完顔阿骨打は歴史で習った記憶がある。
今年も中国映画を何本か観たが、どれも中国では上映禁止になった作品ばかりだったため、冒頭の中国政府公認マークは久しぶりにみた。香港、台湾の映画はこのマークは見たことがない。
時代劇とはいえ、体制に対するテロを起こす側を描く内容なのに、政府公認なのでどういうまとめ方をするのかドキドキしながらスタート。
主役クラスがムロツヨシ、大泉洋、佐藤二朗によく似た俳優。コミカルなシーンも多く、場内からも笑いが起こる。人が無慈悲に斬り殺されるのは、日本の戦国時代の時代劇同様。喜劇と悲劇のバランスがよい。シーンの切り替えに流れる中華ラップがアクセント。何かしら内容に絡んでそうだったので日本語訳が欲しかったところ。
騙し騙されるスパイ映画並みの展開が見事。
でも、やはりラストは中途半端に感じてしまった。体制に抗うものには救いがないというメッセージが伝わる。
本格的な中国南宋時代の陰謀劇
満江紅 マンジャンホン
なんといっても「滿江紅 岳飛」の漢詩を知らないと翻意がわからない。
幾重にも裏切りとトリックが繰り返され主題が何か分からないくなり、終わりが見えなくなる。
しかし、ラストには如何にも中国らしい時代劇な結末があった。
カメラも役者もストーリーも素晴らしく、再鑑したくなる逸品。
下記はネタバレ参考資料
滿江紅 岳飛
憤怒のために髪が逆立ち、冠を突き上げるほどだ。
手すりに寄りかかる時、
雨が寂しく降って止んだ。
頭を上げて遠方を見わたす。
天を仰ぎ、声をあげて、心の奥底に溜まった鬱懐を出せば
雄々しく、激しい感情がこみあげてきた。
私が三十余歳(岳飛の当時の年齢)までに立てた功名と功績は小さな取るに足らないものだ。
これまでの昼夜問わず、各地での激しい戦い。
なおざりにしてはいけない。もう少年の頭は白くなってしまった。
空しく、悲しみが刃物が肌に密着したようにぴったりと密着しているようだ。
岳飛は農民出身ながら文武両道で当時は官軍ですら行っていた兵の略奪を許さず、文民統制と周辺国への配金主義による弱腰外交から、中国歴史上、最弱の軍隊と呼ばれる宋と五指に入る屈強な軍であった金を相手に連戦連勝を重ねました。
中国大陸の南部にまで侵攻した金軍を北宋の首都であった開封にまで撤退させた功績から農民等の平民層に大変な支持されました。
しかし岳飛の勢力が拡大することを恐れた宰相・秦檜によって無実の罪で投獄され、処刑されてしまいます。
死後、無実であった事が証明されると名誉回復されて「鄂王」に封じられ、西湖のほとりには岳飛と共に処刑された養子の岳雲と共に祀られています。
現在は「岳王廟」と呼ばれ、岳飛を慕う多くの中国人が訪れています。
レビュー3
(^○^)
満江紅 マンジャンホン
中国の巨匠チャン・イーモウが、裏切りと策略の渦巻く南宋朝廷を舞台に、
失われた密書をめぐる陰謀劇の行方を壮大なスケールで描き、中国で大ヒットを記録した歴史サスペンス。
非業の死を遂げた名将・岳飛の遺詩に着想を得て、脚本完成までに4年の歳月をかけて撮りあげた。
12世紀の中国。南宋王朝は北方の強国・金と激しい戦いを続けていた。
金国に奪われた領土の回復を目指した英雄・岳飛が処刑されてから4年が経ち、南宋の宰相・秦檜は、ついに金国との和平交渉に臨む。
しかしその前夜、交渉の要となる金国の使者が殺害され、南宋の皇帝に宛てた密書も消えてしまう。
若き武将・孫均と下級兵士・張大は、夜が明けるまでの2時間以内に犯人を探し出すよう秦檜から命じられる。
調査を進めていくなかで、張大と孫均がそれぞれ胸に秘める思惑も明らかになり、さらなる陰謀が浮かび上がる。
中国の国民的俳優シェン・トンが張大役、「少年の君」のイー・ヤンチェンシーが孫均役でダブル主演を務め、「崖上のスパイ」のチャン・イー、「ゴッドスレイヤー 神殺しの剣」のレイ・ジャーインが共演。
満江紅 マンジャンホン
満江紅 Full River Red
2023/中国
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