「地方発ドキュメンタリーの究極形」無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語 BRUSHYMANさんの映画レビュー(感想・評価)
地方発ドキュメンタリーの究極形
好きなジャンルなので、過去何百とTV・映画ドキュメンタリー作品は観てきましたけど……ちょっと完成度の次元が違うなと思わせる作品。当然ながら構成の妙もあるのですが、終盤「本当にあったこと」のオドロキは驚異的です。「すごい!……人はこういう風に生きて死ねるものなのだろうか……?」と、観た後しばらく考えることになりました。
作り手側に(おそらく意図的に)声高な主張はないにも関わらず、それでもどうしたって、この主人公・サムソン宮本という(全国的には未知すぎる)プロレスラーの信じ難い生き様に引きつけられ、呆気に取られ、笑って、応援して……ついに涙してしまいます。この人のことは世間に知らしめたい!という思いも、しかと感じましたね。
ドキュメンタリーが基本的には「人間の姿をありのままに描く」ものだとしても、サムソン宮本のもたらした磁場は抜きん出て凄まじく、それに引き込まれて人生変わった人々の群像劇でもあります。今「地方で生きる」ということが本当に苦しくなっている時代に、ある種の光明すら見出せた思いもしています。
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