劇場公開日 2024年4月19日

「クレア・フォイさまさま」異人たち 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5クレア・フォイさまさま

2024年6月20日
PCから投稿

クレア・フォイのナチュラルな芝居は、
その多彩さと深みで観客を圧倒する。

冷静な女王陛下を演じるときの寡黙さ、
ひとこと多い世話焼きオカンの親しみやすさまで、

目のやり場、小さなしぐさ、一挙手一投足、
彼女の演技はどの役でも自然で真に迫るものである。

そのオールラウンダーぶりだけでも十分に楽しめる本作は、
異人とオカンの行ったり来たりを、存分に堪能できる作品である。

ちがう言い方をすれば、
クレア・フォイのブリッジの説得力が無ければラストも、
作品全体も成立していたか、、、
怪しい。

本作はフェリーニや黒澤のような世界中の巨匠が晩年に手掛ける、
子供時代の思い出と夢が交差するような作品に似た趣がある。

当時は、まさか山田太一まで!

そんな思いで鑑賞した記憶がある。

更に本作は、クィア作品としての一面も持っている。

自分に起こっている目の前の事を一歩引いて見ることで、
新たな視点を得ることができる。

更に10歩、100歩、一年、十年、二十年引いて、
その中で見えてくるものは、、、、

星の位置からなら、
他者の視線を恐れずに進む勇気も与えてくれる。

FGTH懐かしい

蛇足軒妖瀬布