若き見知らぬ者たちのレビュー・感想・評価
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気になるところが多すぎる
佐々木、、、の監督と聞いて特に前情報入れずに鑑賞
中盤の展開が現実離れしてることに驚く。
神奈川県警であることが強調されているため、モデルとなった事件があったりするのか、、、と思ったが、そうでもないらしい。
あの辺の展開は、特に不祥事の多い神奈川県警に代表されるような公の暴力性を批判したかったと解釈したのですが、、、
だとすればあのような現実離れした描写は逆効果では?と思いました。滝藤賢一も、そんな奴いないだろ、、、と思ってしまう。なんか上手じゃないなと。
現実を批判したいのであれば、ディテールには拘って欲しい。
もちろん店内の血とかも含め
リアリティラインの置き所がブレてしまって、気になるところが多すぎて乗れないよ。
そんなことならいっそ、ジョーカーのように現実かどうかわからないようにしちゃえばよかったと思うけど、それはジョーカーすぎるか。
総じてやりたいことがよくわからなかった。
意義あるものを撮ろうとあう熱さは伝わってくるけど、、それがうまくハマってなかったのかな。
演技は素晴らしかったが…
うーん、伝えたいメッセージが話からなった気がする。
油断すると(精神的に)誰か(もしくは自分)に殺されるぜ!だからみんな必死に毎日これで良いんだって言い聞かせて生きてんだ!みたいな感じ??
磯村勇斗さん演じる風間に救いがなさすぎて(別に救いがないとダメなわけではないんだけど)見ててかなりしんどい。
そしてその周りの人たちも難しい距離感でいる感じが…
「磯村勇人さんと岸井ゆきのさん」
中盤、風間がいよいよ限界で吹っ切れた感ある場面に出会した日向。
磯村勇斗、岸井ゆきの2人の向かい合ってのシーンは流石の演技力ですごく見応えがあった。
恋人である日向の何か1つでもかける言葉間違えたら、なにかが終わるかもしれない緊張感と優しさのあるやり取り。
そして風間のギリギリ正気(いや多分正気なんてとっくにどっかいってるけど)で、何をきっかけに犯罪でもなんでもしちゃうかもしれない。とにかくギリギリ止まれてる感じ。
いやな緊張感が凄まじかった。
「日向も限界」
日向は日向で過食症のようで彼女もまた限界超えてしまっている。
見るからに限界の風間に比べ、一見わかりにくいぶんこういう人の方が急に命を落としたりしてしまう(ように感じる)行動をしてしまうのかもしれない。
彼女もまた彼のラストがあれではね…
「カラオケバーの血痕」
なぜ友人も弟もお店に残った血痕に気がつかない??せめてもの真実に繋がるかもしれないものなのに…弟に関しては割れたグラスなんかと一緒に掃除してしまうし…
友人は警察に話を聞きにいくくらい事件性に疑問をもっていたのに…
隠蔽され続けるとしても、気がついてくれる人がいれば見てる側としては少しマシな気持ちになれたかもしれない…
これがなんだか1番やるせないというか、救われないなぁと思う点だった…
「兄弟の対比」
兄が火葬されている時、弟も同じように横たわり暑いサウナスーツで汗をかいているなど、対比がで描かれる部分がいくつかあるが、似ているけどあまりにも違い過ぎる皮肉というか、似た者同士ということなのか…なんだかここでの意味が分からなかったなぁ
「撃ち抜かれる描写」
アバンタイトルのところでも差し込まれる拳銃でのシーン。
自分で撃ち抜くこともあれば他者である場合もある。
風間は自ら撃ち抜き、悪徳警察は事件を起こした現場に行き、物思いにふけっていると撃ち殺される。
自分で本当の自分を殺して生きてるってことだったり、悪いとはわかってるけど良心とかに飲み込まれたら今の生活が終わるってことの表れだったのかなと思うけど、確証はないなぁ。
「総括」
俳優陣、特に磯村勇斗さん、岸井ゆきのさんの演技は流石とも言える見応えのあるものだったが、嫌な描写が多く心に残る割にはメッセージ性のようなものが伝わってこず(理解が足りないだけかも)嫌な気持ちだけが残るだけになってしまった作品でした。
ラジオ体操第一よーい
初っ端からしんどい状況の特盛つゆだく。じりじり全体を舐め回すカメラのせいでさらに何か起きるんじゃないかという緊張感も合わさって息が詰まる。もともと寝不足感のある磯村勇斗の目つきにこっちも目がシパついてくるし、まさに銃でひと思いに逝かせてくれという感じ。その溜まりまくったしんどさがどこかですっきり解消されるのかというとそんなことはなく、弟が格闘技で闘ったところでムカムカも治まらず、最後までしんどいままである。
底辺の若者の苦悩を描きたいのかもしらんけど、母親の介護の労苦とか自らわざわざ不幸を背負いこんでるとしか思えず、話のための話になっちゃってる感。杜撰な取り調べの神奈川県警のクソっぷりも同様なのだが、自分としては同県警にいい印象がないのでそこは納得。早朝からネズミ捕りやってる暇があるなら、ちゃんと捜査をしろ(現実の個人的怨恨)。
まあ、カメラ・撮影が大変そうな長回しがんばってる映画ということで、若い内山監督には次作期待したい。
何者にもなりきれなかった者たち
何を言いたい?何を伝えたい?結局、何がしたかった?雰囲気だけ社会派ドラマの、若手実力俳優によるペラッペラな群青劇。何も無い。何も出来ていない。対話のできない母、秩序が乱れた警察、救ってくれない社会、失った居場所。要素だけつまんでも、監督にどうしてもこれだけは伝えたいという信念がなければ、〈風〉な映画にしかならない。
最近この手の映画流行ってるから、自分もやってみよう。そういう適当でやっつけな感じがひしひしと伝わってくる。「佐々木、イン、マイマイン」の独自性はどこへ?めちゃくちゃ没個性じゃないか!
キャストや予告からかなり期待していた作品なだけに、これはあまりに残念。何ひとつとしての心に残るものがなかった。登場人物の描き方が恐ろしいほど雑で、特に主人公なんかは悲惨な境遇をただジッと受け止めているだけで、ほとんど話すことも自分を変えるために動くこともしないから、とてもじゃないけど感情移入出来ないし、「あんのこと」のあんのように、社会が生み出してしまった可哀想な若者、とは思えなかった。いやいや、せめてもうちょい行動してくれよ。そのまんま立ち止まっているだけじゃ、物語として帰福が無くて面白くないじゃないか。
結局自己責任。何に狂わされたのか、全くもって分からないし、社会が彼を見放したというよりも、彼が社会を勝手に見損なっているといった感じで、追い詰められるくらいなら早く母親を施設に入れろよと思う。
そもそも、彼女の日向が1番の被害者。よくもまあこんなどうしようもない男と一緒にいるよね。なんの希望もない、闇オーラ全開の彼のために夜勤でお金を稼ぎ、お義母さんのことも面倒を見て、どちらかというと追い詰められるのは日向の方じゃないのか?彩人に狂わされた日向の人生。なんてことだ。
前半はまだ悪くない作りをしていて、心がグッと苦しく場面も多くあり、若手俳優の好演のおかげでかなり見入っていたのだけど、後半に差し掛かってから徐々に様子が変になり、訳が分からない、理解し難い方向へと物語が進んでいく。え、そういうことが言いたかったの?それだと物語崩壊してしまわないか?驚愕してしまうほどご都合主義な展開に、嫌悪感を抱いてしまった。なんなのだこれは。社会の闇でもなんでもない。あまりに酷い数分間。そこに矢を向けるのは、お門違いなんじゃないのか?それだったら、これまで要らなかったんじゃないのか?
なんで気づかないんだ!なんで何とも思わないんだ!どうしてそれで平気な顔してられるんだ!とツッコミが止まらない。真面目に作ってきたはずのドラマがぶち壊し。カメラワークは秀逸で、見た目はいい作品だから見てられるけど、物語としては最低最悪な展開で、見るに絶えなかった。格闘技は本当に意味がわからない。要らん。こんなのに尺を使うな。無駄に無駄を重ねる始末。見たいのはこれじゃない。「ジョーカー2」と同じ匂いがする。そんな説教、映画館に来てまで聞きたくない。
割と久々に映画で見た岸井ゆきのは、より一層いい女優になっていた。ますます演技に磨きがかかっていく。古川琴音が似たようなポジションを確立しつつあるけど、やっぱり自分は岸井ゆきの。日本映画では欠かせない、最高の女優だと思う。もっと出て欲しい。
演出、映像、音楽はとても良く、藤井道人映画を彷彿とさせる作りでその面では好きだったけど、何にせよ脚本が酷かった。こんなのはやっちゃダメだ。滝藤賢一にこんな役やらせたことは一生忘れないからな。
この映画は、未だに男尊女卑である日本での男性の生きにくさを描いた作...
この映画は、未だに男尊女卑である日本での男性の生きにくさを描いた作品だと思われるんだけど、どこまでそれを監督が客観的に捉えられてるのかよく分からなかった。
この映画の中で主人公も主人公の父親も、男性的な責任感やプライドによって自滅していく。
弱い立場に追い込まれたりや大きな失敗を犯してしまっても、弱みを見せられない、弱みを見せられないから助けを求められない、弱みを見せると他の男性や権力の暴力に殴り殺されるのではないかとゆう恐怖に怯えている(作中は実際に権力や周りの男性の暴力によって殺されてしまうわけだが)
要は、男尊女卑の社会で男性が履かされた下駄によって殺されるわけである。
とゆうのはわかるが、この映画はそれを描いてどうしたいのか、その先に何があるのか分からず
終始モヤモヤが残った。
オープンエンドである、とか
観客に考えさせる。みたいなことをいうには
映画の作劇がお粗末すぎると思う。
いまいちだったなと思う点として
男性が履いた下駄によって追い詰められる原因のひとつに
弱みを見せられない。弱みをみせると暴力に襲われるとゆうならば、その「暴力」をどうにかするべきなのに最終的に格闘技とゆう、もっとも暴力的な試合の盛り上がりで全てうやむやにしようとしてる様にしか見えないこと。
(そもそも、ボクシングなどの試合を終盤に持ってきて全てエモい感じの力技で終わらせる映画が私は苦手)
しかも、亡き父親の暴力から自分の領域を守れとゆう言葉を思い出していたり、結局のところ暴力には暴力で戦って勝つしかないとゆう風に見えてしまう演出がまったく納得できない。
そして、警察ヤバすぎ問題。
神奈川県警に何か恨みでもあるのかとゆう、デフォルメされた悪意の塊のような権力警察官。
(なんか神奈川県警って色々やばいよねって話は聞いたことある気がするが)
警察のシーンは、お店の床の血溜まりの所とか、さすがに捜査どうなってんの?って思ってしまって色々雑だなーと思ってしまった。
店に押し入ってくる男たちも、無理矢理作られた
累計的な粗暴な男たちって感じで
薄っぺらいので、暴力自体も無理矢理で薄っぺらいものに見えてしまい微妙。
冒頭のセックスシーンも無くてもいいかな。
細かいところ修正したら、もうちょっとスムーズに観られそうな感じもするので残念だな。
こうなったらよかったのかもとゆうのを考えると
主人公の死によって、
案外全てが上手く回るようになって、主人公が意地になって頑なに守っていたものはなんだったんだろう。みたいな虚しさで終わるとかの方が納得できそう。
だいぶヒリヒリして、無常感、むなしさがずっと漂よう作品だった。脚本...
だいぶヒリヒリして、無常感、むなしさがずっと漂よう作品だった。脚本が個人的には少し?のところがあり、最後ももう少し救いを感じて、分かりやすくなってるのを期待してしまっていたので、残念だった。演出部分は芸術性を感じる部分もあり、嫌いではなかったが、俳優の人達が非常に素晴らしかっただけに、少し期待はずれではあった。警官しっかりやってくれ!
なぜこの作品を作ろうとしたのか理解できない
磯村勇斗さんや岸井ゆきのさん、染谷将太さんなど、大好きな役者さんが揃っていたため、かなり期待を持って鑑賞しましたが……。
端的に言って本作の最大の見せ場は総合格闘技の試合シーンです。演者だけでなく、撮影スタッフも含めて素晴らしいと思います……。が、このシーンって関連する出演者含めてまるごとオミットしても作品として成立しますよね?
主人公の磯村勇斗さんに様々な不幸な出来事が襲いかかり、彼がそこに苦悩することはギリギリ理解可能ですが、過去の出来事を含めて、それぞれの要素が特段何も関連しないため、作劇の都合上「辛いエピソードを集めました」という印象しかありません。
タイトルバック直前の印象的な描写やラスト近くの滝藤さんの悲劇的な描写も「思わせぶりな描写」にすぎず、煽りたかったんですかね、という思いしかないです。
監督の訴えたいことはわからないでもないですが、不幸を積み重ねて数え役満のように描いても、そこに何か芯となるようなものが感じられなければ、しらけるだけです。
どんどんと綺麗になり、振り幅の大きな感情表現を見事に演じ切った岸井ゆきのさん。常に少し曲者のような怪しい演技でいつものように魅力してくれる染谷将太さん。お二人の演技は大満足でした。
しかし、格闘技シーンとそれ以外では、あまり楽しめる作品ではなかったです。
敗れざる者たち
皆様のレビュータイトルを拝見。その中に、気になるものがあったので観ました。
実際の事件にインスパイアされた映画とのことですが、どこまで事実なのか、分かりかねます。ただ、この映画が創られたことは、事実です。
一瞬でもいい。煌めく刻があれば、ヒトは苦難を受け入れることができるとか。だとしても、大き過ぎる苦難が、ヒトを潰して行く様を見届けるのは、果たして…。
この映画観ると、結婚は生涯最大のダークイベントに見えてしまいます。夢と希望で踏み出した先に、家族の苦痛しかないように見えます。それこそが、若き見知らぬ者たちなのかな。
私は、あの子たちに、頑張れとは言いません。だって充分頑張っているから。ただあの子たちに、手を差しのべることもないと思います。見て見ぬふりと言われたら、その通りです。私も、自分の家のことで余裕がないからね。それに、あの子たちは、敗者ではない。弱者でもない。きっと今、どこかで、足を踏み出している。その先に、他者の痛みに共感できる、若き見知らぬ者たちが、現れることを願います。
とはいえ、私だったら、どうしよう?。取り急ぎ、地域包括センターで、ケースワーカーと相談、可能なら、ファイナンシャルプランナーと面談。場合によっては、不動産は売却、そのお金を基に、それぞれの生活を立て直す…って、そんなリアルな話、誰も知りたくないよね。
以上、若くない見知らぬ者の、独り言でした。
前作とはスタッフが異なり、残念な結果に
内山監督の前作の撮影は四宮秀俊さんで、脚本は細川岳さんが監督と共同だった。が、今作にはこの二人のクレジットがなかった。前作「佐々木、イン、マイマイン」は胸を締めつける鮮やかさと目を離せないストーリーのうねりがあった。が、この「若き〜」にはまったく感じられない。ということは、前作は、撮影の四宮秀俊さんと脚本の細川岳さんのチカラと才能が大きく影響していたのだろう。いきなり大きな映画にジャンプしてしまったことで、大事な何かを置き忘れてしまった。かなり期待していたが、残念だ。ただし、これが内山監督の現在値なのだろう。
助けてを言えない人たち
ちょっと前に夫となんで闇バイトなんてもんがこんなに起こるのだろうかみたいな話をした。私の意見はバブル後に生まれた世代って右肩下がりの日本しか見てなくて、何も希望が持てなくて、生きるのがやっとになって、モラルがなくなってきてるからじゃないかなと。夫も完全に同じ意見だと言っていた。
それってつまりは助けてって言えない人たちなんだと思う。生きることに必死で助けを求める時間すらないのかもしれないけど。彩人にしろ日向にしろ誰かに助けを求めれば、特に彩人なんて行政なりに助けを求めれば自分も母親ももっとうまいこと生活できるだろうに。
それが若き見知らぬ者なんだろうか?冒頭のシーンは彩人がなんとか人としてのモラルを保ってる、でも心の中ではもうとっくに転がり落ちてることの表れのかなとぼんやり思いながら話がすすんでいった。
現在と過去のシーンがシームレスに映される。結局過去は過去、と割り切れない人間の性を見せつけられているようで苦しい。でも現実の人間もそんなもんだよなと思う。
彩人を演じる磯村勇斗は本当に良い役者になっているよなぁと思う。すり減るというか、まるでこぼれ落ちていくかのような若者を見事に演じていたと思う。
母親を演じる霧島れいかは圧巻。あそこまで壊れた人間を演じられるものなのかと思った。
ただやはりあまりにも脚本が荒唐無稽すぎるというか、わざとなのかわからないけど説明不足すぎるというか余白がありすぎるというか。
警察の対応にしろ店の床を見た二人の反応にしろなんで?ということが多すぎた。
そのせいで後半の壮平の試合シーン、あれはいいシーンだった!と思うのに前半のなんで?を引きずって印象が霞んでしまった。
惜しいというか勿体ないと思う作品。でも思わず今の若者についての話をしたことを思い出してレビューに書いてしまうくらい頭を働かせてしまった。それが目的だったとしたら、私はまんまとこの作品にハメられた観客の一人なんだろう。
ただ胸糞すぎる、映画。主人公が凄すぎる、自分だったら逃げ出したり母...
ただ胸糞すぎる、映画。主人公が凄すぎる、自分だったら逃げ出したり母親をあやめてしまう可能性があるのにちゃんと向き合って頑張っているのになぜ光の手を少しも描かなかったのかが分からない。いや、これはあくまで現実ではなく映画なんだからそこが少しだけでも欲しかった。後、あの警察なぜ捕まらない?ってか解剖したら酒を飲んでいないことすぐわかりそうだし致命傷となった原因もわかると思うが。
生き地獄、無駄な長回しが多い
なかなか救いのないストーリー。
実話なら目を背けたくなるでしょう。
胸糞悪いストーリーではありますが、途中までは演者も演出も映画っぽくて好きなほう。
予告通り、主人公が死ぬと思いながら鑑賞しましたが、ちょっと予告詐欺かな。拳銃出てくるなら、、、とか思ってしまったけど。
あのシーンは不可解。なぜアルコール?警察は検死も誤魔化せるのか?血溜まりは?とか、ちょっとリアリティが無く引っかかる。いいシーンなのに勿体ない。
無駄な長回しが多く観ているのがちょっと辛い。
特に、試合シーンはさすがに意味不明。約10分、格闘シーンが長回しされますが、眠くなる。何かあるのか、、、と思いつつ、10分は長い。ボクシング映画でも長すぎる。演者が10分間、カット無しの長回しで戦うのは確かに凄いことだけど、それは撮影の都合で、観客無視。その後も体感で3分くらいの無言のシーンとか意味不明。早く終われよ、、、って思ってしまった。マイナス1点。
試合のシーンまでは、救いのない切ないストーリーですし、主演2人の演技はとても良かった。
最後の20分間、あんなに苦痛に思う映画も珍しいけど、ストーリーもそうだけど、後味悪い。あれが無ければもっと高評価かも。
次作も引き続き期待しております
内山拓也監督作品で、磯村勇人さん、岸井ゆきのさん他粒ぞろいの出演者に期待しかなかった本作。サービスデイの丸の内ピカデリー午前の回はいつものことですがガラガラ。。何なら、同時間帯に隣のシアターで上映している公開4週目の『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の方が入っていく人が多かったかもしれません。
で、観た感想ですが、「期待が高すぎたかな、、、」とかなりのトーンダウン。冒頭でも触れた俳優陣は皆さん確実に素晴らしいのですが、作品としては設定も脚本もモヤモヤしつつ、中盤以降は正直「長いなぁ…」と思いながら観ていました。
とは言え、独特な世界観やその表現方法には、やはり作家性の高さを感じます。現実の中で夢想するように過去を振り返ったり、はたまた幻想を見たりする演出は、特に過労と睡眠不足で意識混濁気味の彩人(磯村勇人)の危うさをこれでもかと言うほど感じ、そしてあのタイトルがドーンと出るシーンは鳥肌物。更に、終盤の壮平(福山翔大)とファビオ(ファビオ・ハラダ)の試合シーンはガチ感が凄く、その激しさに思わず身悶えてしまいました。
ところがその一方で、肝心のストーリーはやや煮え切らない。テーマからしてずっとダウナーなのは全く悪くないと思いますし、そういう現実を生きざるを得ないリアルがあることは解ります。ところが、この物語に見る「現実」はあまりに抽象的でリアリティが感じられないのです。特に「病人」や「ある組織」という対象にミステリアスな印象をもたせる有りがちな設定。後にフンワリと回収していきますが、その経緯から現在に至るまでが語られないため納得度は低いまま。また難病の母・麻美(霧島れいか)、物語上都合よく登場して悶着あったり、反面、存在感を忘れるくらい姿が見えなかったり。勿論、難病を軽く扱うつもりはないでしょうが、結果的には現実味からは程遠い印象を感じて残念です。(ちなみに、症状は全く異なるものの、私も母が難病を発症して約2年半、主に家族で介護をした経験があります。)
とは言え、完成度という意味ではしっかりと高く、内山監督のポテンシャルは大いに感じられます。そして勿論、磯村さん、福山さんの熱演はそれだけで観る価値高いですし、染谷さんのフォルム込みの安定感、岸井さんの包容力、そして何といっても今作でなかなかの爪痕を残した東龍之介さんなど、俳優たちの演技については見どころ満載です。
と言うことで、内山監督、次作も引き続き期待しております。
それでも生きていく...
難病に侵された母を必死にもがき、苦しみながら支えていく家族の姿に本当に胸が苦しくなった。
ただの物語と思っては観れない、いつ自分たちに起こるかもしれない事だと思って観ていました。
監督が実際ヤングケアラーだったというお話を聞いて、この家や小物、家具、細かい部分に至るまでリアリティを追求されていてこだわりがとても感じられた。
「生」と「死」を対比したカメラワークも斬新でよかった。
一連の流れで「拳銃」がキーポイントになっていて、
必死にもがいていて、苦しい時はそこから逃げたい、消えてしまいたいと自分を拳銃で撃ってしまいたい衝動、俺なんか撃たれてもおかしくないと思う気持ち…
あの映像によって、口には出せない心情を描写していたのではと思う。
1人の人間の死によって、家族や友達、その死に関わった人々の倫理観や人生観さえも影響を及ぼすことがわかる。
良心の呵責に苛まれる警察官、それを知ってこの組織にいることはできないと違う道を歩むこと決めた警察官。
彼の思い、志を受け継ぎ、亡くなったあとも彼の母を介護をし、支え続ける日向。
子供の時にいつも近くで見ていた両親の不仲に、結婚というもの、子供を持つということに不安しかなかった彩人だったのに、まるで彼の形見のように日向のお腹には彼の子供が宿る。
亡くなった父親と同じタバコを吸う彩人。
父親から教わった暴力から身を守る術を身につけ、総合格闘技で頂点を取った壮平。
不器用ながらも、警察官だった父親への尊敬の念と愛が感じられる。
人が死ぬことは何かが終わる事でもあるけれど、そこから生きている人達はまた新しい何かが始まるのである。
『ドライブ・マイ・カー』の霧島れいかさん、母親役すばらしかった。同一人物には思えない演技力は圧巻でした。
もうひとつの佐々木インマイマイン
もうこれは佐々木インマイマインそのものよ。設定が違うだけで、作品の核となる部分は同じ。大切な人の死を理不尽に描き、残された者がその死にどう向き合うのかを余韻のように見せる。
警官の行動がさすがに極端過ぎたのと、試合のシーンがあまりに長かったのが残念だったけど、全体としては私は良かった。ある出来事をきっかけにまるで贖罪かのように全てを背負って社会の底に引っ掛かりながら生きる彩人。なんか掴み所のない人物ではあるけど母親に優し過ぎたのかな、きっと。もっと自由に生きる選択だってあっただろうに。
あと日向って爆食したりお腹気にするような素振りがあったように感じたけどそういうことなんかな。前作でも新しい命の誕生描いてたし。日向が食卓で見せた最後の表情がとても印象的。磯村勇斗と岸井ゆきのがめちゃめちゃ良かった。
浅瀬で撮った映像
潮干狩りよりもさらに浅瀬。
インターナショナルビジュアルのメイキングを見て一抹の不安を抱えながら(内心はダサ過ぎて恥ずかしいと思い)横浜で鑑賞。
インターナショナルメイキングで映っていたくらいの希薄な問題定義がそこにはあった…
過剰な演技に、過剰なカメラワーク。意味のないオシャレな雰囲気。その全てが浅はかな作り手の意図なのか…それともオシャレ映像が好きなだけのクリエイターなのか?
佐々木インマイマインもその気があったが、まだ企画した俳優たちが内容に対してしっかり向き合っていただけあって作りあがりも良かったが、それが今回の若き見知らぬにはなかった。てか、タイトルもちょっと恥ずかしくないか?
薄いと言うか浅い。そんなラーメンを食べた気がしています。
一番苦手だったのはお母さんが叫ぶあの場面でした。ちゃんとなんか調べてからやろうよ。
救いようがない
なんかズーと重苦しい映画。どこをとっても救いようがない。どのテーマも、中途半端感が、否めない。ズーと救いを求めて観ていたが、何も起こらない。いや、勝利は手にしたが。格闘シーンだけは、迫力あった!
幾つものアンコンシャスバイアス
知り合いの話だが、短期間に三度「職質」を受けた人がいる。
2008年に起きた「秋葉原通り魔事件」をきっかけに休止されていた歩行者天国が、
2011年にテスト開催されたとのタイミングで。
本人の迷彩ズボンにリュックを背負っていた外見も
疑わしかったのかもしれない。
警官側からはけして触れようとはせず、
自らリュックを開けて中を見せるよう(強く)促すところは
本作で描かれている始終と共通。
勿論、やましいことは無いので唯々諾々と従い、
直ぐに解放された由だが、それにしても
「続けて三回かよ!!」と憤慨していた。
ただ、その「職質」が、後々の悲劇を呼び込む契機になることも。
警官だった父親は、ある事件で手柄をたてたものの突然に退職、
カラオケバーを開く。
が、何故か莫大な借金を残し突然自殺。
それを見た母親は正気を失う。
兄の『彰人(磯村勇斗)』は昼には工事現場で働きながら
夜は父が遺したバーを開け、背負った借金を細々と返済する。
弟の『壮平(福山翔大)』はMMAのプロとなり、
階級のチャンピオンを狙えるランキングにいる。
兄弟二人と『彰人』の恋人で看護師の『日向(岸井ゆきの)』で
母『麻美(霧島れいか)』の面倒を見るが、
家の内外での奇矯な行動に身も心も休まる暇はない。
社会情勢を扱った昨今の作品同様、
ここでもやはり幾つかの課題が提示される。
一つは公助に頼らず、自助に閉じてしまう介護の問題。
一旦沈んでしまえば、再び浮かび上がるのは困難で
「親ガチャ」とか「社会格差」で片づけるには
余りにも理不尽な。
または、一たび面倒を起こすと、それが常について回るラベリングの問題。
周囲も色眼鏡で見てしまい、それが命を脅かすのに直結するケースがあるのは
由々しき事態。
或いは公的機関が、時として権威を振りかざすことも俎上に乗る。
直近でも「大川原化工機事件」があったばかりだが。
疑いをかけられた側だけでなく、
かけた側の一部にも心に傷を負う者はおり、
それが『風間』家の悲運につながるのは、
なんともやりきれない連環だ。
終盤の盛り上がりに寄与する迫力満点のMMAの試合シーンは、
『壮平』が我が身に降りかかった不運の鬱憤を晴らす場として機能するかと思っていたら
然にあらず。
あくまでも肉体と肉体の純粋なぶつかり合いとして描かれる。
暴力とは異なるすがさがしさに、
鑑賞者は僅かながらの光明を見ることになる。
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