若き見知らぬ者たちのレビュー・感想・評価
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ジョーカーと同日に見るのは勧めない
不幸の連続で、見ていて気分が暗くなる。
だけど、こうゆう境遇の人も居るのだろう。
同一人物に訪れないにしても、悪意はそこら中にある。
目を背けてはいけない。
なぜこの作品を作ろうとしたのか理解できない
磯村勇斗さんや岸井ゆきのさん、染谷将太さんなど、大好きな役者さんが揃っていたため、かなり期待を持って鑑賞しましたが……。
端的に言って本作の最大の見せ場は総合格闘技の試合シーンです。演者だけでなく、撮影スタッフも含めて素晴らしいと思います……。が、このシーンって関連する出演者含めてまるごとオミットしても作品として成立しますよね?
主人公の磯村勇斗さんに様々な不幸な出来事が襲いかかり、彼がそこに苦悩することはギリギリ理解可能ですが、過去の出来事を含めて、それぞれの要素が特段何も関連しないため、作劇の都合上「辛いエピソードを集めました」という印象しかありません。
タイトルバック直前の印象的な描写やラスト近くの滝藤さんの悲劇的な描写も「思わせぶりな描写」にすぎず、煽りたかったんですかね、という思いしかないです。
監督の訴えたいことはわからないでもないですが、不幸を積み重ねて数え役満のように描いても、そこに何か芯となるようなものが感じられなければ、しらけるだけです。
どんどんと綺麗になり、振り幅の大きな感情表現を見事に演じ切った岸井ゆきのさん。常に少し曲者のような怪しい演技でいつものように魅力してくれる染谷将太さん。お二人の演技は大満足でした。
しかし、格闘技シーンとそれ以外では、あまり楽しめる作品ではなかったです。
敗れざる者たち
皆様のレビュータイトルを拝見。その中に、気になるものがあったので観ました。
実際の事件にインスパイアされた映画とのことですが、どこまで事実なのか、分かりかねます。ただ、この映画が創られたことは、事実です。
一瞬でもいい。煌めく刻があれば、ヒトは苦難を受け入れることができるとか。だとしても、大き過ぎる苦難が、ヒトを潰して行く様を見届けるのは、果たして…。
この映画観ると、結婚は生涯最大のダークイベントに見えてしまいます。夢と希望で踏み出した先に、家族の苦痛しかないように見えます。それこそが、若き見知らぬ者たちなのかな。
私は、あの子たちに、頑張れとは言いません。だって充分頑張っているから。ただあの子たちに、手を差しのべることもないと思います。見て見ぬふりと言われたら、その通りです。私も、自分の家のことで余裕がないからね。それに、あの子たちは、敗者ではない。弱者でもない。きっと今、どこかで、足を踏み出している。その先に、他者の痛みに共感できる、若き見知らぬ者たちが、現れることを願います。
とはいえ、私だったら、どうしよう?。取り急ぎ、地域包括センターで、ケースワーカーと相談、可能なら、ファイナンシャルプランナーと面談。場合によっては、不動産は売却、そのお金を基に、それぞれの生活を立て直す…って、そんなリアルな話、誰も知りたくないよね。
以上、若くない見知らぬ者の、独り言でした。
個々の題材のリアリティは?
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
主人公・風間彩人(磯村勇斗さん)の母親・風間麻美(霧島れいかさん)が、精神的におかしくなったままで家族が翻弄されている映画の中盤辺りまでは、一般からは見え辛い厳しい環境を描いている重要な作品だと思われていました。
しかし、主人公・風間彩人が、彼が働くカラオケバーにやって来た男3人組が風間彩人を暴行し路上に連れ出し、頭を殴られ出血しているのに、その後にやって来た警察官の松浦(滝藤賢一さん)と瀬戸(東龍之介さん)に過去の職質の因縁から半ば放置され、警察に連行される過程で脈が弱まり、病院で死んでしまった場面を見て、正直個人的には何なんだこれは?と思われてしまいました。
なぜなら、余りにも男3人組の因縁のつけ方が映画にとって都合が良く作為的で、加えて例え警察に問題があろうとも警察官が負傷者の救護活動を真っ先に行わないのは余りにもリアリティが欠けていると思われたからです。
すると、この時点のリアリティの無さは、映画全体の振り返ってのリアリティへの信頼度を低下させたと思われます。
ところで今作の映画『若き見知らぬ者たち』は、以下の4つの重要な要素が含まれていたと思われます。
1.精神障害を持った家族の、永遠に続く介護負担の問題
2.警察不祥事に関する問題
3.格闘技の話
4.カラオケバーの経営の話
特に、2の警察不祥事に関する問題は、主人公・風間彩人や格闘家の弟・風間壮平(福山翔大さん)の友人にも警察官・治虫(伊島空さん)がいたり、父・風間亮介(豊原功補さん)が元警察官で誤認逮捕で自殺したことが後に明らかにされたりと、今作はやけに警察へのこだわりが強く描かれていました。
しかし、その割には、映画の中の警察官の描写に対するリアリティが、私には総じて感じられませんでした。
すると映画にとって都合が良いと感じさせた3人組の暴行と警察官の職質の因縁による半ば放置での(私にはリアリティを感じさせなかった)主人公・風間彩人の死によって、振り返ると、この作品のそれぞれのエピソードが(それぞれ大切な題材であるはずなのに)、主人公・風間彩人の孤独を際立たせるための道具として使われているのではないか、との疑念を起こさせました。
つまり、精神障害を持った母や、警察の不祥事に関する問題や、弟の格闘技の話や、カラオケバーでの経営の話が、全て主人公・風間彩人の孤独と不幸を際立たせる道具に私には見えてしまったのです。
今作は、妄想の中で主人公・風間彩人や警察官・松浦が拳銃に撃たれる場面や、ワンカットで過去と現在を繋ぐ場面など、現実と妄想の区別が曖昧に描かれる場面も多々ありました。
もちろん、妄想や過去と現実の現在とをシームレスにつなぐ手法は作品によっては効果を発揮することもあるのですが、今作に限っては、それぞれの題材リアリティへの制作者側の真摯な姿勢を弱める効果の方が大きかったと、個人的には思われました。
作中の主人公や登場人物らが妄想の中に逃げ込むのは構わないのですが、であるならかえって、制作者側は自身を突き放してより現実のリアリティを追求する必要があったと思われます。
私的には、中盤までの精神障害の母親の介護に絞ったリアリティある映画にした方が良かったのではと、僭越思われました。
また、警察の不祥事を描きたいなら、もっと警察中味の調査をした上のリアリティある描写が必要だったと思われました。
警察不祥事や格闘技など、これでもかと要素を増やして主人公・風間彩人の孤独と不幸を際立たせようとすればするほど、逆に主人公・風間彩人の孤独と不幸は独りよがりになりリアリティの説得力を失って行ってしまったと思われました。
中盤までの母親の精神障害の困難さの描写で留めておけば良かったのにと、悔やまれる映画になっていたと僭越ながら思われました。
前作とはスタッフが異なり、残念な結果に
内山監督の前作の撮影は四宮秀俊さんで、脚本は細川岳さんが監督と共同だった。が、今作にはこの二人のクレジットがなかった。前作「佐々木、イン、マイマイン」は胸を締めつける鮮やかさと目を離せないストーリーのうねりがあった。が、この「若き〜」にはまったく感じられない。ということは、前作は、撮影の四宮秀俊さんと脚本の細川岳さんのチカラと才能が大きく影響していたのだろう。いきなり大きな映画にジャンプしてしまったことで、大事な何かを置き忘れてしまった。かなり期待していたが、残念だ。ただし、これが内山監督の現在値なのだろう。
助けてを言えない人たち
ちょっと前に夫となんで闇バイトなんてもんがこんなに起こるのだろうかみたいな話をした。私の意見はバブル後に生まれた世代って右肩下がりの日本しか見てなくて、何も希望が持てなくて、生きるのがやっとになって、モラルがなくなってきてるからじゃないかなと。夫も完全に同じ意見だと言っていた。
それってつまりは助けてって言えない人たちなんだと思う。生きることに必死で助けを求める時間すらないのかもしれないけど。彩人にしろ日向にしろ誰かに助けを求めれば、特に彩人なんて行政なりに助けを求めれば自分も母親ももっとうまいこと生活できるだろうに。
それが若き見知らぬ者なんだろうか?冒頭のシーンは彩人がなんとか人としてのモラルを保ってる、でも心の中ではもうとっくに転がり落ちてることの表れのかなとぼんやり思いながら話がすすんでいった。
現在と過去のシーンがシームレスに映される。結局過去は過去、と割り切れない人間の性を見せつけられているようで苦しい。でも現実の人間もそんなもんだよなと思う。
彩人を演じる磯村勇斗は本当に良い役者になっているよなぁと思う。すり減るというか、まるでこぼれ落ちていくかのような若者を見事に演じていたと思う。
母親を演じる霧島れいかは圧巻。あそこまで壊れた人間を演じられるものなのかと思った。
ただやはりあまりにも脚本が荒唐無稽すぎるというか、わざとなのかわからないけど説明不足すぎるというか余白がありすぎるというか。
警察の対応にしろ店の床を見た二人の反応にしろなんで?ということが多すぎた。
そのせいで後半の壮平の試合シーン、あれはいいシーンだった!と思うのに前半のなんで?を引きずって印象が霞んでしまった。
惜しいというか勿体ないと思う作品。でも思わず今の若者についての話をしたことを思い出してレビューに書いてしまうくらい頭を働かせてしまった。それが目的だったとしたら、私はまんまとこの作品にハメられた観客の一人なんだろう。
ただ胸糞すぎる、映画。主人公が凄すぎる、自分だったら逃げ出したり母...
ただ胸糞すぎる、映画。主人公が凄すぎる、自分だったら逃げ出したり母親をあやめてしまう可能性があるのにちゃんと向き合って頑張っているのになぜ光の手を少しも描かなかったのかが分からない。いや、これはあくまで現実ではなく映画なんだからそこが少しだけでも欲しかった。後、あの警察なぜ捕まらない?ってか解剖したら酒を飲んでいないことすぐわかりそうだし致命傷となった原因もわかると思うが。
生き地獄、無駄な長回しが多い
なかなか救いのないストーリー。
実話なら目を背けたくなるでしょう。
胸糞悪いストーリーではありますが、途中までは演者も演出も映画っぽくて好きなほう。
予告通り、主人公が死ぬと思いながら鑑賞しましたが、ちょっと予告詐欺かな。拳銃出てくるなら、、、とか思ってしまったけど。
あのシーンは不可解。なぜアルコール?警察は検死も誤魔化せるのか?血溜まりは?とか、ちょっとリアリティが無く引っかかる。いいシーンなのに勿体ない。
無駄な長回しが多く観ているのがちょっと辛い。
特に、試合シーンはさすがに意味不明。約10分、格闘シーンが長回しされますが、眠くなる。何かあるのか、、、と思いつつ、10分は長い。ボクシング映画でも長すぎる。演者が10分間、カット無しの長回しで戦うのは確かに凄いことだけど、それは撮影の都合で、観客無視。その後も体感で3分くらいの無言のシーンとか意味不明。早く終われよ、、、って思ってしまった。マイナス1点。
試合のシーンまでは、救いのない切ないストーリーですし、主演2人の演技はとても良かった。
最後の20分間、あんなに苦痛に思う映画も珍しいけど、ストーリーもそうだけど、後味悪い。あれが無ければもっと高評価かも。
次作も引き続き期待しております
内山拓也監督作品で、磯村勇人さん、岸井ゆきのさん他粒ぞろいの出演者に期待しかなかった本作。サービスデイの丸の内ピカデリー午前の回はいつものことですがガラガラ。。何なら、同時間帯に隣のシアターで上映している公開4週目の『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の方が入っていく人が多かったかもしれません。
で、観た感想ですが、「期待が高すぎたかな、、、」とかなりのトーンダウン。冒頭でも触れた俳優陣は皆さん確実に素晴らしいのですが、作品としては設定も脚本もモヤモヤしつつ、中盤以降は正直「長いなぁ…」と思いながら観ていました。
とは言え、独特な世界観やその表現方法には、やはり作家性の高さを感じます。現実の中で夢想するように過去を振り返ったり、はたまた幻想を見たりする演出は、特に過労と睡眠不足で意識混濁気味の彩人(磯村勇人)の危うさをこれでもかと言うほど感じ、そしてあのタイトルがドーンと出るシーンは鳥肌物。更に、終盤の壮平(福山翔大)とファビオ(ファビオ・ハラダ)の試合シーンはガチ感が凄く、その激しさに思わず身悶えてしまいました。
ところがその一方で、肝心のストーリーはやや煮え切らない。テーマからしてずっとダウナーなのは全く悪くないと思いますし、そういう現実を生きざるを得ないリアルがあることは解ります。ところが、この物語に見る「現実」はあまりに抽象的でリアリティが感じられないのです。特に「病人」や「ある組織」という対象にミステリアスな印象をもたせる有りがちな設定。後にフンワリと回収していきますが、その経緯から現在に至るまでが語られないため納得度は低いまま。また難病の母・麻美(霧島れいか)、物語上都合よく登場して悶着あったり、反面、存在感を忘れるくらい姿が見えなかったり。勿論、難病を軽く扱うつもりはないでしょうが、結果的には現実味からは程遠い印象を感じて残念です。(ちなみに、症状は全く異なるものの、私も母が難病を発症して約2年半、主に家族で介護をした経験があります。)
とは言え、完成度という意味ではしっかりと高く、内山監督のポテンシャルは大いに感じられます。そして勿論、磯村さん、福山さんの熱演はそれだけで観る価値高いですし、染谷さんのフォルム込みの安定感、岸井さんの包容力、そして何といっても今作でなかなかの爪痕を残した東龍之介さんなど、俳優たちの演技については見どころ満載です。
と言うことで、内山監督、次作も引き続き期待しております。
それでも生きていく...
難病に侵された母を必死にもがき、苦しみながら支えていく家族の姿に本当に胸が苦しくなった。
ただの物語と思っては観れない、いつ自分たちに起こるかもしれない事だと思って観ていました。
監督が実際ヤングケアラーだったというお話を聞いて、この家や小物、家具、細かい部分に至るまでリアリティを追求されていてこだわりがとても感じられた。
「生」と「死」を対比したカメラワークも斬新でよかった。
一連の流れで「拳銃」がキーポイントになっていて、
必死にもがいていて、苦しい時はそこから逃げたい、消えてしまいたいと自分を拳銃で撃ってしまいたい衝動、俺なんか撃たれてもおかしくないと思う気持ち…
あの映像によって、口には出せない心情を描写していたのではと思う。
1人の人間の死によって、家族や友達、その死に関わった人々の倫理観や人生観さえも影響を及ぼすことがわかる。
良心の呵責に苛まれる警察官、それを知ってこの組織にいることはできないと違う道を歩むこと決めた警察官。
彼の思い、志を受け継ぎ、亡くなったあとも彼の母を介護をし、支え続ける日向。
子供の時にいつも近くで見ていた両親の不仲に、結婚というもの、子供を持つということに不安しかなかった彩人だったのに、まるで彼の形見のように日向のお腹には彼の子供が宿る。
亡くなった父親と同じタバコを吸う彩人。
父親から教わった暴力から身を守る術を身につけ、総合格闘技で頂点を取った壮平。
不器用ながらも、警察官だった父親への尊敬の念と愛が感じられる。
人が死ぬことは何かが終わる事でもあるけれど、そこから生きている人達はまた新しい何かが始まるのである。
『ドライブ・マイ・カー』の霧島れいかさん、母親役すばらしかった。同一人物には思えない演技力は圧巻でした。
自分は一体、
何を観に行ったのだろう。貧困と介護の負の連鎖、胸糞悪い警察とヤカラ客、2回有った発砲シーンも想像でなーんだって感じ。誤認逮捕の因果が巡る訳ですが、修斗の一本勝ちと磯村くん、岸井さんの存在感が無ければかなりキツかった。ちょこちょこ豪華キャストでしたが、セコンド小柴さんは違和感バリバリ。
もうひとつの佐々木インマイマイン
もうこれは佐々木インマイマインそのものよ。設定が違うだけで、作品の核となる部分は同じ。大切な人の死を理不尽に描き、残された者がその死にどう向き合うのかを余韻のように見せる。
警官の行動がさすがに極端過ぎたのと、試合のシーンがあまりに長かったのが残念だったけど、全体としては私は良かった。ある出来事をきっかけにまるで贖罪かのように全てを背負って社会の底に引っ掛かりながら生きる彩人。なんか掴み所のない人物ではあるけど母親に優し過ぎたのかな、きっと。もっと自由に生きる選択だってあっただろうに。
あと日向って爆食したりお腹気にするような素振りがあったように感じたけどそういうことなんかな。前作でも新しい命の誕生描いてたし。日向が食卓で見せた最後の表情がとても印象的。磯村勇斗と岸井ゆきのがめちゃめちゃ良かった。
かっこつけてるけど、センスを感じず失敗作の雰囲気でこっちが恥ずかしくなる。
タイトルからして予想はしてたけど
これはオシャレな感じを気取りつつ、深い闇に触れてなんかしら賞が欲しい感じの作品。
ちなみにフォントもダサかったです。
かっこつけてるのが透けて見えすぎると全てが浅く薄く感じる。
タイトル出したところで主人公は自殺しますが、
それは妄想で、結局これ妄想でごまかしつつ
悲惨な家庭の日常をオシャレに撮りたいってやつだと理解。
リアルでもなく、独自の世界観も感じず
お母さんは完全に無駄遣いでした。
最後のシュート?格闘技の試合は完全に蛇足で冗長。
そこ長々と描いて勝ってチャンピオンにしちゃったら
今までのなんだったんだとなる。
言い出したらキリがないな
監督は別の方向へ進んだ方がいいと思う。
映画やりたきゃ好きにすればいい。
誰にもおススメしない。
観たことすら忘れてた作品。昨日みたんですけどね。
上映中作品リストみてたまたま思い出してレビューしました。
ほんとに薄い作品。
浅瀬で撮った映像
潮干狩りよりもさらに浅瀬。
インターナショナルビジュアルのメイキングを見て一抹の不安を抱えながら(内心はダサ過ぎて恥ずかしいと思い)横浜で鑑賞。
インターナショナルメイキングで映っていたくらいの希薄な問題定義がそこにはあった…
過剰な演技に、過剰なカメラワーク。意味のないオシャレな雰囲気。その全てが浅はかな作り手の意図なのか…それともオシャレ映像が好きなだけのクリエイターなのか?
佐々木インマイマインもその気があったが、まだ企画した俳優たちが内容に対してしっかり向き合っていただけあって作りあがりも良かったが、それが今回の若き見知らぬにはなかった。てか、タイトルもちょっと恥ずかしくないか?
薄いと言うか浅い。そんなラーメンを食べた気がしています。
一番苦手だったのはお母さんが叫ぶあの場面でした。ちゃんとなんか調べてからやろうよ。
若き見知らぬ者たち、ではなく見て知らぬふりをされる者たち
この映画を観に行ける人とは真逆の世界で暮らす人の話がゆえに評価も厳し目になってますね。
彩人の母親を思う優しさ、限界がもうそこまで来てることにも気づいてる。看護師の彼女も同じ気持ちどころか彼までが潰れてしまわないかと思い悩みながらも明るく振る舞う姿に感心させられる。
そんな家庭の唯一の希望が格闘技で夢を叶えようとしてる弟。
仲間たちやスーパーの店長、近所の畑の主人、みんな彩人に同情し心配してる。
これは映画の中の話だが今の日本に表立って見えない、見てないだけで誰もが自分の近くにいるということを伝えたいのだろう。
映画ではヤングケアラーという言葉が最近社会に現れてきたが、個人的には好きな言葉ではないのだが親、兄弟が介助がいるなら介助するのが家族だと思うのだけれど、それが限界、限度を超えたそれの場合に社会がどう向き合うかが社会の問題としての提起だろう。
観ていて静岡で老老介護の果てに妻を海に突き落として殺めてしまった夫と彩人が重なって見え、また京都で生活保護が受けられず、金がなくなり母親と無理心中しようとしたが一緒に逝けなかった息子の事件など悲しい事件が一向に減らない社会の問題に私達はもっと目を向けなければならないのだとつくづく思い知らされました。
家族への愛情、切っても切れない家族の絆がどうしても周りの理解者に助けを求めない気持ちもわからなくはない。
しかし家族の介助が人生の全てにしないようにすることが社会福祉に求められることなんだろう。
映画として出演者の演技が素晴らし過ぎてリアルで絶望を伝え過ぎたのかもしれないが、彩人が頭を棒打されて出血の跡に弟も友人も気が付かなかったシーンこそが、このような家族を見て見ぬふりの社会を表してると感じましたね。
演技は素晴らしい
磯村さん目当てで男友達を無理やり誘い鑑賞しました。
まず1番最初に思ったのが観客に若い人がほとんどいないこと。私たちを含めてもう1組しかいなかったと思います^^; 確かに人生経験の少ない私達(現役高校生)からしたら難しい題材だったように感じますし、もっと成長したときに観ると共感できる部分もあったのかもしれません。
それでも重い病気がある母親を介護しながら、優しい言葉をかけるあやとの姿にはとても胸が苦しくなりました。「あなた良い人ね。私と結婚して。」母親に言われ「うん。しようね」と答えるあやとがとても印象に残っています。磯村さんのこの世の全てに絶望しているような哀しくて虚しい表情がたまりません。鬱々とした演技がとてもお上手です。
最近今作と同じように髭を生やした磯村さんが主演のビリーバーズという別作品を鑑賞しましたが、似た感じのビジュアルにも関わらず全く違う表情と声質。磯村さんの演技力にはいつも圧倒されてしまいます。今話題の若手イケメン俳優ではなく彼が「風間彩人」を演じたからこそ、そういった重苦しい雰囲気をリアルに感じることが出来たと思っています。
そして内容についてですが… 観終わったあとに一番に感じたことが「で、なにを伝えたかったの?」でした。一緒に行った友人にも思わず聞いてしまいました(笑) 理解できなかったのは私の理解力がないからだと思い他の方のレビューも読んでみたのですが、やはり同じように感じた方も多いようですね。ぬるーっと始まり、ぬるーっとおわった2時間でした。彩人の死に方も雑。雑すぎる。例の3人組が酔っ払って店に入ってきた時点でん?とは思っていたのですが、まあ予想通りボコボコにされて最終的に死亡。「え?え?今?ここで死んじゃう?死因これなの??」驚きが隠せませんでした。ただただ救われない可哀想な人生。なにが彼を殺したのか。社会からの暴力かと予想していましたが個人の暴力とは。なるほど。主人公がそういう死を迎えてしまったせいでその後の格闘技も全く頭に入ってきませんでした。結局弟はチャンピオンになり… で?という感じ。格闘技シーンもすごく長くてボクシングの知識も興味もない私からしたら暇な時間でした。友人は隣で興奮していましたが。そして警察がクソなことはもちろんですが、スナックに残された血に友人と弟はなぜ何も触れないのでしょうか?血痕に気づいた友人が真相を暴く──。のかと思いましたが普通に警察の隠蔽が成功?して終わりましたね。
とにかく疑問に残る点がいくつもありすぎてなかなかスッキリできない映画ではありましたが、役者さん達の演技は本当に素晴らしい。近いうちにもう一度観に行きたいと思います。
救いようがない
なんかズーと重苦しい映画。どこをとっても救いようがない。どのテーマも、中途半端感が、否めない。ズーと救いを求めて観ていたが、何も起こらない。いや、勝利は手にしたが。格闘シーンだけは、迫力あった!
モヤモヤ
磯村君と岸井さんなら行かねば…と見に行きました。
前々からstrangerと聞くとなんとなく、彷徨ってる人のイメージ、安定しない感じを抱いていました。
今作は、過酷な日々を生きる人たち、見知らぬ誰かの話。
ヤングケアラーからそのまま大人になるまでずっと母の介護が日常となっている、風間兄弟、そして彼らを取り巻く恋人や友達の物語。
きつい話でした。
主人公があんな風に突然亡くなる展開で、えっ…て感じでした。
疑問な箇所がいくつか。
毎日限界な状態で、面倒みのいい彼女、信頼できる友達がいて、母があのままというのはどうなんでしょう。情報も沢山あるだろうし、福祉のお世話にならないのか。
あと、母は父の借金や死のショックで病んだのかと思いきや、脳の病気とは。
警官たち。チンピラ3人と ひとりだけ血まみれな人を見て、あんな対応になるだろうか。パンフには監督の友人から聞いた実話を基にしたとあり、理不尽を描いているのはわかりましたが。
滝藤さんの役回りがなんだかな。。
お腹の子はどうなるのか。弟はこれからやっていけるのか。カラオケバーのモニターつけっぱなし、汚れた床に無反応など色々モヤモヤします。
*****
福山翔大さんは、TBS ドラマ「オールドルーキー」が初見。車椅子テニスプレイヤーの役だったのでスポーツの印象がつきました。【追記】…と思っていたら、もっと前の「仮面ライダーゴースト」に出ていたとwikiにあり、見てたがさすがにわからない。
観ていると段々不快になって行く感じの作品。 本年度ベスト級。
岸井ゆきのサン目当て。
世の中の理不尽な出来事を表現した感じだったけど、観賞後は不快感しか残らない(笑)
役者の皆さんの演技は素晴らしく、特に霧島れいかサンの難病を患った演技に圧倒される。
警官がクソ。
何で救急車呼ばないの?
カラオケスナックに来た三男組もクソ。
あそこまで普通はしないだろっ!
理不尽な感じを表現したかったんだろうけど突っ込みたくなった(笑)
唯一の救いは総合格闘技の試合。
かなりリアルな感じでカメラワークも生々しい感じを映し出して感じ。
もし負けていたら本当に救われない作品に仕上がっていたかも(笑)
岸井ゆきのさん演じる日向。
もう家を出ても良いのでは?と思ってしまいました( ´∀`)
幾つものアンコンシャスバイアス
知り合いの話だが、短期間に三度「職質」を受けた人がいる。
2008年に起きた「秋葉原通り魔事件」をきっかけに休止されていた歩行者天国が、
2011年にテスト開催されたとのタイミングで。
本人の迷彩ズボンにリュックを背負っていた外見も
疑わしかったのかもしれない。
警官側からはけして触れようとはせず、
自らリュックを開けて中を見せるよう(強く)促すところは
本作で描かれている始終と共通。
勿論、やましいことは無いので唯々諾々と従い、
直ぐに解放された由だが、それにしても
「続けて三回かよ!!」と憤慨していた。
ただ、その「職質」が、後々の悲劇を呼び込む契機になることも。
警官だった父親は、ある事件で手柄をたてたものの突然に退職、
カラオケバーを開く。
が、何故か莫大な借金を残し突然自殺。
それを見た母親は正気を失う。
兄の『彰人(磯村勇斗)』は昼には工事現場で働きながら
夜は父が遺したバーを開け、背負った借金を細々と返済する。
弟の『壮平(福山翔大)』はMMAのプロとなり、
階級のチャンピオンを狙えるランキングにいる。
兄弟二人と『彰人』の恋人で看護師の『日向(岸井ゆきの)』で
母『麻美(霧島れいか)』の面倒を見るが、
家の内外での奇矯な行動に身も心も休まる暇はない。
社会情勢を扱った昨今の作品同様、
ここでもやはり幾つかの課題が提示される。
一つは公助に頼らず、自助に閉じてしまう介護の問題。
一旦沈んでしまえば、再び浮かび上がるのは困難で
「親ガチャ」とか「社会格差」で片づけるには
余りにも理不尽な。
または、一たび面倒を起こすと、それが常について回るラベリングの問題。
周囲も色眼鏡で見てしまい、それが命を脅かすのに直結するケースがあるのは
由々しき事態。
或いは公的機関が、時として権威を振りかざすことも俎上に乗る。
直近でも「大川原化工機事件」があったばかりだが。
疑いをかけられた側だけでなく、
かけた側の一部にも心に傷を負う者はおり、
それが『風間』家の悲運につながるのは、
なんともやりきれない連環だ。
終盤の盛り上がりに寄与する迫力満点のMMAの試合シーンは、
『壮平』が我が身に降りかかった不運の鬱憤を晴らす場として機能するかと思っていたら
然にあらず。
あくまでも肉体と肉体の純粋なぶつかり合いとして描かれる。
暴力とは異なるすがさがしさに、
鑑賞者は僅かながらの光明を見ることになる。
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