若き見知らぬ者たちのレビュー・感想・評価
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演技は素晴らしかったが…
うーん、伝えたいメッセージが話からなった気がする。
油断すると(精神的に)誰か(もしくは自分)に殺されるぜ!だからみんな必死に毎日これで良いんだって言い聞かせて生きてんだ!みたいな感じ??
磯村勇斗さん演じる風間に救いがなさすぎて(別に救いがないとダメなわけではないんだけど)見ててかなりしんどい。
そしてその周りの人たちも難しい距離感でいる感じが…
「磯村勇人さんと岸井ゆきのさん」
中盤、風間がいよいよ限界で吹っ切れた感ある場面に出会した日向。
磯村勇斗、岸井ゆきの2人の向かい合ってのシーンは流石の演技力ですごく見応えがあった。
恋人である日向の何か1つでもかける言葉間違えたら、なにかが終わるかもしれない緊張感と優しさのあるやり取り。
そして風間のギリギリ正気(いや多分正気なんてとっくにどっかいってるけど)で、何をきっかけに犯罪でもなんでもしちゃうかもしれない。とにかくギリギリ止まれてる感じ。
いやな緊張感が凄まじかった。
「日向も限界」
日向は日向で過食症のようで彼女もまた限界超えてしまっている。
見るからに限界の風間に比べ、一見わかりにくいぶんこういう人の方が急に命を落としたりしてしまう(ように感じる)行動をしてしまうのかもしれない。
彼女もまた彼のラストがあれではね…
「カラオケバーの血痕」
なぜ友人も弟もお店に残った血痕に気がつかない??せめてもの真実に繋がるかもしれないものなのに…弟に関しては割れたグラスなんかと一緒に掃除してしまうし…
友人は警察に話を聞きにいくくらい事件性に疑問をもっていたのに…
隠蔽され続けるとしても、気がついてくれる人がいれば見てる側としては少しマシな気持ちになれたかもしれない…
これがなんだか1番やるせないというか、救われないなぁと思う点だった…
「兄弟の対比」
兄が火葬されている時、弟も同じように横たわり暑いサウナスーツで汗をかいているなど、対比がで描かれる部分がいくつかあるが、似ているけどあまりにも違い過ぎる皮肉というか、似た者同士ということなのか…なんだかここでの意味が分からなかったなぁ
「撃ち抜かれる描写」
アバンタイトルのところでも差し込まれる拳銃でのシーン。
自分で撃ち抜くこともあれば他者である場合もある。
風間は自ら撃ち抜き、悪徳警察は事件を起こした現場に行き、物思いにふけっていると撃ち殺される。
自分で本当の自分を殺して生きてるってことだったり、悪いとはわかってるけど良心とかに飲み込まれたら今の生活が終わるってことの表れだったのかなと思うけど、確証はないなぁ。
「総括」
俳優陣、特に磯村勇斗さん、岸井ゆきのさんの演技は流石とも言える見応えのあるものだったが、嫌な描写が多く心に残る割にはメッセージ性のようなものが伝わってこず(理解が足りないだけかも)嫌な気持ちだけが残るだけになってしまった作品でした。
お芝居は良いが重すぎて救いもない
演技と画は素晴らしかったですが映画としては嫌いですね
お話が、、、、、
何が言いたいか分かりませんでした
興味を持てませんでした
つまらないです、私には合いませんでした
『とにかくリアリティ不足で萎えるし、カタルシスも無いからしんどいだけ』
若者の貧困、介護問題がテーマでした?、辛い事が目白押しで後半に有りはずのカタルシスを期待してましたが有りませんでした、用意してあったのだったとしたら客が気づかないのであればダメでしょう
辛いシーンもリアリティが足りないので、『そんなバカな』と映画に乗れずに冷めてしまいました
お話がリアリティない方向でいくのであれば、格闘技のリアルな撮り方は矛盾してるし、ファンタジーで行ってほしかった
し
長年格闘技観てるんですけども
格闘技シーンはなんだろう観てて残念だった
タイトルマッチの筈がレベル低いというか、、、
あんまリアリティが無かったです
俳優陣の演技は本当に素晴らしいと思いました
スオミの映画と被りますが、本が悪いと俳優陣の演技に目がいくよねって思いました
ジャンプショットとか、長回しでの時間操作など多様な画造りはとても興味を引く作りでしたし、嫌いではなかったです
次回作は一応観てみたいと思います
?????
だめだー
警察官の行動の意味が解らない…
30代ぐらいの若者たち、それぞれのモヤモヤや日常を描きたかったの?
あの若い警察官もそのひとつ?
頭から血流している人、スルーなん?
どんだけ治安悪いねん。
防犯カメラは?
スナックに血溜まりあったら事件でしょ!
いやー、脚本がないわー。
いつの時代やねんっ!!
若者の何を伝えたかったのでしょうか?
ストーリーに???が多すぎるわー。
良い俳優勢揃いなのに、もったいないなー。
ラジオ体操第一よーい
初っ端からしんどい状況の特盛つゆだく。じりじり全体を舐め回すカメラのせいでさらに何か起きるんじゃないかという緊張感も合わさって息が詰まる。もともと寝不足感のある磯村勇斗の目つきにこっちも目がシパついてくるし、まさに銃でひと思いに逝かせてくれという感じ。その溜まりまくったしんどさがどこかですっきり解消されるのかというとそんなことはなく、弟が格闘技で闘ったところでムカムカも治まらず、最後までしんどいままである。
底辺の若者の苦悩を描きたいのかもしらんけど、母親の介護の労苦とか自らわざわざ不幸を背負いこんでるとしか思えず、話のための話になっちゃってる感。杜撰な取り調べの神奈川県警のクソっぷりも同様なのだが、自分としては同県警にいい印象がないのでそこは納得。早朝からネズミ捕りやってる暇があるなら、ちゃんと捜査をしろ(現実の個人的怨恨)。
まあ、カメラ・撮影が大変そうな長回しがんばってる映画ということで、若い内山監督には次作期待したい。
無題
脚本グッド
胸痛くなるから鑑賞注意⚠️
現在までの出来事、事の経緯がフラッシュバックしつつ
現在でもなお問題が次々にやってくる
どんな過去を持っていたって問題課題を荒れることなくこなす兄弟
それを支える周りの人間
追い討ちをかける警察の対応
鑑賞後は空しさがありつつ
彼女の光、弟の光が見れて少し希望を持ちつつ
劇場を後にしました
途中の後頭部の演出は思わず喜んでしまったが
非現実だった
彼はずっと苛まれることを期待
おすすめしません。
陰々滅々たる気分になる。
監督は何か警察に恨みでもあるのだろうか。警察に対する嫌悪感を煽るような内容になっている。
一見、社会派だが、実はきちんと取材などしてないのではないか。
俳優さんたちが頑張っておられたので、かろうじてこの点数。
日本で一番悪い奴ら 神奈川県警編
が、正式なタイトルである事を知らない人が多かったようだ。
← ツッコミ禁止
レビューを読んでいたが、こんなに怒りのレビューが多い映画はデビルマン実写版以来。
関東住み、もしくは関東に住んだ事がある人間だったら、神奈川県警の悪行三昧は周知の事実で、落語を見に行った時も、
枕で噺家が
「 不祥事を起こした人間の服を見てみたら、神奈川県警って書いてありました!」
って言って会場は笑いに包まれまれる。それくらい、神奈川県警の不祥事ってのは、鉄板ネタなのです。
分かりましたか?関東以外に住んでる皆さん?
これは、憶測でモノを言うから、非常に危険なんだけど、俺に求められているモノって、映画評論じゃないと思うんだ。
だって、キネ旬検定の試験見てみたら、分からなすぎて、何が分からないのかが、分からないレベルなんだ。評論読みたかったら、他所がお勧めです。
さて、憶測だが、この監督、パヨクじゃね?
不幸な家庭環境で、慎ましく生きている主人公の映画に、唐突に警察の職務質問のシーンが挿入されるが、もうこのやり取りで分かったね。
警察官が大嫌いだという事を。だって、ストーリーにさほど必要ないもん。
必要じゃないエピソードは、綺羅星のごとくあって、面倒くさいので文章にはしないが、妹の唐突な過食シーンは何だ?
あのシーン以降、何もないじゃん?エピソードが多い割には、それからのシーンが無い為に、中に浮いたエピソードばかり。風呂敷畳まないのは、韓国映画のチェ・ジウが出演した以外見る所が無いニュー・ノーマルなみの投げっぱなし脚本。
暴行、殺害現場となったスナックで、血溜まりとかがそのままなのも、あり得ないし、パンピーが何故、事件の現場にのこのこ居座れるんだ?あの神奈川県警でも、そこまでザルじゃないぞ?
狂武蔵の400人斬りほどは、無惨ではなかったが、弟の格闘技のシーンのワンカットは言われなきゃ、気づかなかった。そこは、チカラ入れるべきとこじゃない。リアルな格闘技見たかったら、格闘技チャンネルを見るよ?
警察批判をやりたくて、「 日本で一番悪い奴ら」を目指すも、「 朽ちない桜 」 程度、いや、「 朽ちない桜」 以下の脚本に成り下がっている。ちゃんと、プロの脚本家を雇えよ?
この程度の警察批判だったら、チラシの裏か、ブログ...、いや、ブログは消えつつあるから、tictokでやってください。貴方、目障りです。商業映画の世界に来んな。
いや、でもこれより酷い邦画ってザラにあるぞ?下に下がいるからね。
みんな、良い映画見てこの映画の事忘れよーぜ?無視だ!無視!
というわけで、U-NEXTで「 日本で一番悪い奴ら」 を見て穢れを祓いましょう!かしこみー、かしこみー、をまもうすぅー!
何者にもなりきれなかった者たち
何を言いたい?何を伝えたい?結局、何がしたかった?雰囲気だけ社会派ドラマの、若手実力俳優によるペラッペラな群青劇。何も無い。何も出来ていない。対話のできない母、秩序が乱れた警察、救ってくれない社会、失った居場所。要素だけつまんでも、監督にどうしてもこれだけは伝えたいという信念がなければ、〈風〉な映画にしかならない。
最近この手の映画流行ってるから、自分もやってみよう。そういう適当でやっつけな感じがひしひしと伝わってくる。「佐々木、イン、マイマイン」の独自性はどこへ?めちゃくちゃ没個性じゃないか!
キャストや予告からかなり期待していた作品なだけに、これはあまりに残念。何ひとつとしての心に残るものがなかった。登場人物の描き方が恐ろしいほど雑で、特に主人公なんかは悲惨な境遇をただジッと受け止めているだけで、ほとんど話すことも自分を変えるために動くこともしないから、とてもじゃないけど感情移入出来ないし、「あんのこと」のあんのように、社会が生み出してしまった可哀想な若者、とは思えなかった。いやいや、せめてもうちょい行動してくれよ。そのまんま立ち止まっているだけじゃ、物語として帰福が無くて面白くないじゃないか。
結局自己責任。何に狂わされたのか、全くもって分からないし、社会が彼を見放したというよりも、彼が社会を勝手に見損なっているといった感じで、追い詰められるくらいなら早く母親を施設に入れろよと思う。
そもそも、彼女の日向が1番の被害者。よくもまあこんなどうしようもない男と一緒にいるよね。なんの希望もない、闇オーラ全開の彼のために夜勤でお金を稼ぎ、お義母さんのことも面倒を見て、どちらかというと追い詰められるのは日向の方じゃないのか?彩人に狂わされた日向の人生。なんてことだ。
前半はまだ悪くない作りをしていて、心がグッと苦しく場面も多くあり、若手俳優の好演のおかげでかなり見入っていたのだけど、後半に差し掛かってから徐々に様子が変になり、訳が分からない、理解し難い方向へと物語が進んでいく。え、そういうことが言いたかったの?それだと物語崩壊してしまわないか?驚愕してしまうほどご都合主義な展開に、嫌悪感を抱いてしまった。なんなのだこれは。社会の闇でもなんでもない。あまりに酷い数分間。そこに矢を向けるのは、お門違いなんじゃないのか?それだったら、これまで要らなかったんじゃないのか?
なんで気づかないんだ!なんで何とも思わないんだ!どうしてそれで平気な顔してられるんだ!とツッコミが止まらない。真面目に作ってきたはずのドラマがぶち壊し。カメラワークは秀逸で、見た目はいい作品だから見てられるけど、物語としては最低最悪な展開で、見るに絶えなかった。格闘技は本当に意味がわからない。要らん。こんなのに尺を使うな。無駄に無駄を重ねる始末。見たいのはこれじゃない。「ジョーカー2」と同じ匂いがする。そんな説教、映画館に来てまで聞きたくない。
割と久々に映画で見た岸井ゆきのは、より一層いい女優になっていた。ますます演技に磨きがかかっていく。古川琴音が似たようなポジションを確立しつつあるけど、やっぱり自分は岸井ゆきの。日本映画では欠かせない、最高の女優だと思う。もっと出て欲しい。
演出、映像、音楽はとても良く、藤井道人映画を彷彿とさせる作りでその面では好きだったけど、何にせよ脚本が酷かった。こんなのはやっちゃダメだ。滝藤賢一にこんな役やらせたことは一生忘れないからな。
この世のあらゆる暴力
実際にあった事がモチーフ。
一人の男性が生きてきた証を商業的な
今にぶつけ、投げ掛けてきた。
母親の重い鬱病、警察の軽い言動。
鍵の掛かってないお店に散乱した
グラスや血痕が残ってるのに、何もしない
何も感じない人々。どこか優しいようで
無責任。モヤモヤ感がヒートアップしていく。
理不尽に重なる負の連鎖。
そこにのし掛かるヤングケアラーと借金。
辛くて重い。
あの銃弾が頭に突き刺さる日々を過ごして
いたんだね。滝藤賢一さんが事故現場に
手を合わして、一瞬撃たれるかもの脳裏シーン。
いつかは撃たれるかも知れない深層心理。
色んな事を隠蔽してるはず。
若い警官が『人なんて曖昧て不確かなものです』
の言葉に対して染谷奨太さんが『だから信じるんですよ』の返信が人の根本的な根っこ。
そこが無くなったら終わり。
この世のあらゆる暴力から自分の範囲を守る
が信念だが、這い上がろとしても落ちて行く
苦しさ。真っ暗。
個人だからそうなのか、社会の一部なのに
見えない底辺だからなのか……。
見て見ぬふりの世の中に重いストレートな
映画でした。
この映画は、未だに男尊女卑である日本での男性の生きにくさを描いた作...
この映画は、未だに男尊女卑である日本での男性の生きにくさを描いた作品だと思われるんだけど、どこまでそれを監督が客観的に捉えられてるのかよく分からなかった。
この映画の中で主人公も主人公の父親も、男性的な責任感やプライドによって自滅していく。
弱い立場に追い込まれたりや大きな失敗を犯してしまっても、弱みを見せられない、弱みを見せられないから助けを求められない、弱みを見せると他の男性や権力の暴力に殴り殺されるのではないかとゆう恐怖に怯えている(作中は実際に権力や周りの男性の暴力によって殺されてしまうわけだが)
要は、男尊女卑の社会で男性が履かされた下駄によって殺されるわけである。
とゆうのはわかるが、この映画はそれを描いてどうしたいのか、その先に何があるのか分からず
終始モヤモヤが残った。
オープンエンドである、とか
観客に考えさせる。みたいなことをいうには
映画の作劇がお粗末すぎると思う。
いまいちだったなと思う点として
男性が履いた下駄によって追い詰められる原因のひとつに
弱みを見せられない。弱みをみせると暴力に襲われるとゆうならば、その「暴力」をどうにかするべきなのに最終的に格闘技とゆう、もっとも暴力的な試合の盛り上がりで全てうやむやにしようとしてる様にしか見えないこと。
(そもそも、ボクシングなどの試合を終盤に持ってきて全てエモい感じの力技で終わらせる映画が私は苦手)
しかも、亡き父親の暴力から自分の領域を守れとゆう言葉を思い出していたり、結局のところ暴力には暴力で戦って勝つしかないとゆう風に見えてしまう演出がまったく納得できない。
そして、警察ヤバすぎ問題。
神奈川県警に何か恨みでもあるのかとゆう、デフォルメされた悪意の塊のような権力警察官。
(なんか神奈川県警って色々やばいよねって話は聞いたことある気がするが)
警察のシーンは、お店の床の血溜まりの所とか、さすがに捜査どうなってんの?って思ってしまって色々雑だなーと思ってしまった。
店に押し入ってくる男たちも、無理矢理作られた
累計的な粗暴な男たちって感じで
薄っぺらいので、暴力自体も無理矢理で薄っぺらいものに見えてしまい微妙。
冒頭のセックスシーンも無くてもいいかな。
細かいところ修正したら、もうちょっとスムーズに観られそうな感じもするので残念だな。
こうなったらよかったのかもとゆうのを考えると
主人公の死によって、
案外全てが上手く回るようになって、主人公が意地になって頑なに守っていたものはなんだったんだろう。みたいな虚しさで終わるとかの方が納得できそう。
だいぶヒリヒリして、無常感、むなしさがずっと漂よう作品だった。脚本...
なぜこの作品を作ろうとしたのか理解できない
磯村勇斗さんや岸井ゆきのさん、染谷将太さんなど、大好きな役者さんが揃っていたため、かなり期待を持って鑑賞しましたが……。
端的に言って本作の最大の見せ場は総合格闘技の試合シーンです。演者だけでなく、撮影スタッフも含めて素晴らしいと思います……。が、このシーンって関連する出演者含めてまるごとオミットしても作品として成立しますよね?
主人公の磯村勇斗さんに様々な不幸な出来事が襲いかかり、彼がそこに苦悩することはギリギリ理解可能ですが、過去の出来事を含めて、それぞれの要素が特段何も関連しないため、作劇の都合上「辛いエピソードを集めました」という印象しかありません。
タイトルバック直前の印象的な描写やラスト近くの滝藤さんの悲劇的な描写も「思わせぶりな描写」にすぎず、煽りたかったんですかね、という思いしかないです。
監督の訴えたいことはわからないでもないですが、不幸を積み重ねて数え役満のように描いても、そこに何か芯となるようなものが感じられなければ、しらけるだけです。
どんどんと綺麗になり、振り幅の大きな感情表現を見事に演じ切った岸井ゆきのさん。常に少し曲者のような怪しい演技でいつものように魅力してくれる染谷将太さん。お二人の演技は大満足でした。
しかし、格闘技シーンとそれ以外では、あまり楽しめる作品ではなかったです。
敗れざる者たち
皆様のレビュータイトルを拝見。その中に、気になるものがあったので観ました。
実際の事件にインスパイアされた映画とのことですが、どこまで事実なのか、分かりかねます。ただ、この映画が創られたことは、事実です。
一瞬でもいい。煌めく刻があれば、ヒトは苦難を受け入れることができるとか。だとしても、大き過ぎる苦難が、ヒトを潰して行く様を見届けるのは、果たして…。
この映画観ると、結婚は生涯最大のダークイベントに見えてしまいます。夢と希望で踏み出した先に、家族の苦痛しかないように見えます。それこそが、若き見知らぬ者たちなのかな。
私は、あの子たちに、頑張れとは言いません。だって充分頑張っているから。ただあの子たちに、手を差しのべることもないと思います。見て見ぬふりと言われたら、その通りです。私も、自分の家のことで余裕がないからね。それに、あの子たちは、敗者ではない。弱者でもない。きっと今、どこかで、足を踏み出している。その先に、他者の痛みに共感できる、若き見知らぬ者たちが、現れることを願います。
とはいえ、私だったら、どうしよう?。取り急ぎ、地域包括センターで、ケースワーカーと相談、可能なら、ファイナンシャルプランナーと面談。場合によっては、不動産は売却、そのお金を基に、それぞれの生活を立て直す…って、そんなリアルな話、誰も知りたくないよね。
以上、若くない見知らぬ者の、独り言でした。
個々の題材のリアリティは?
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
主人公・風間彩人(磯村勇斗さん)の母親・風間麻美(霧島れいかさん)が、精神的におかしくなったままで家族が翻弄されている映画の中盤辺りまでは、一般からは見え辛い厳しい環境を描いている重要な作品だと思われていました。
しかし、主人公・風間彩人が、彼が働くカラオケバーにやって来た男3人組が風間彩人を暴行し路上に連れ出し、頭を殴られ出血しているのに、その後にやって来た警察官の松浦(滝藤賢一さん)と瀬戸(東龍之介さん)に過去の職質の因縁から半ば放置され、警察に連行される過程で脈が弱まり、病院で死んでしまった場面を見て、正直個人的には何なんだこれは?と思われてしまいました。
なぜなら、余りにも男3人組の因縁のつけ方が映画にとって都合が良く作為的で、加えて例え警察に問題があろうとも警察官が負傷者の救護活動を真っ先に行わないのは余りにもリアリティが欠けていると思われたからです。
すると、この時点のリアリティの無さは、映画全体の振り返ってのリアリティへの信頼度を低下させたと思われます。
ところで今作の映画『若き見知らぬ者たち』は、以下の4つの重要な要素が含まれていたと思われます。
1.精神障害を持った家族の、永遠に続く介護負担の問題
2.警察不祥事に関する問題
3.格闘技の話
4.カラオケバーの経営の話
特に、2の警察不祥事に関する問題は、主人公・風間彩人や格闘家の弟・風間壮平(福山翔大さん)の友人にも警察官・治虫(伊島空さん)がいたり、父・風間亮介(豊原功補さん)が元警察官で誤認逮捕で自殺したことが後に明らかにされたりと、今作はやけに警察へのこだわりが強く描かれていました。
しかし、その割には、映画の中の警察官の描写に対するリアリティが、私には総じて感じられませんでした。
すると映画にとって都合が良いと感じさせた3人組の暴行と警察官の職質の因縁による半ば放置での(私にはリアリティを感じさせなかった)主人公・風間彩人の死によって、振り返ると、この作品のそれぞれのエピソードが(それぞれ大切な題材であるはずなのに)、主人公・風間彩人の孤独を際立たせるための道具として使われているのではないか、との疑念を起こさせました。
つまり、精神障害を持った母や、警察の不祥事に関する問題や、弟の格闘技の話や、カラオケバーでの経営の話が、全て主人公・風間彩人の孤独と不幸を際立たせる道具に私には見えてしまったのです。
今作は、妄想の中で主人公・風間彩人や警察官・松浦が拳銃に撃たれる場面や、ワンカットで過去と現在を繋ぐ場面など、現実と妄想の区別が曖昧に描かれる場面も多々ありました。
もちろん、妄想や過去と現実の現在とをシームレスにつなぐ手法は作品によっては効果を発揮することもあるのですが、今作に限っては、それぞれの題材リアリティへの制作者側の真摯な姿勢を弱める効果の方が大きかったと、個人的には思われました。
作中の主人公や登場人物らが妄想の中に逃げ込むのは構わないのですが、であるならかえって、制作者側は自身を突き放してより現実のリアリティを追求する必要があったと思われます。
私的には、中盤までの精神障害の母親の介護に絞ったリアリティある映画にした方が良かったのではと、僭越思われました。
また、警察の不祥事を描きたいなら、もっと警察中味の調査をした上のリアリティある描写が必要だったと思われました。
警察不祥事や格闘技など、これでもかと要素を増やして主人公・風間彩人の孤独と不幸を際立たせようとすればするほど、逆に主人公・風間彩人の孤独と不幸は独りよがりになりリアリティの説得力を失って行ってしまったと思われました。
中盤までの母親の精神障害の困難さの描写で留めておけば良かったのにと、悔やまれる映画になっていたと僭越ながら思われました。
前作とはスタッフが異なり、残念な結果に
助けてを言えない人たち
ちょっと前に夫となんで闇バイトなんてもんがこんなに起こるのだろうかみたいな話をした。私の意見はバブル後に生まれた世代って右肩下がりの日本しか見てなくて、何も希望が持てなくて、生きるのがやっとになって、モラルがなくなってきてるからじゃないかなと。夫も完全に同じ意見だと言っていた。
それってつまりは助けてって言えない人たちなんだと思う。生きることに必死で助けを求める時間すらないのかもしれないけど。彩人にしろ日向にしろ誰かに助けを求めれば、特に彩人なんて行政なりに助けを求めれば自分も母親ももっとうまいこと生活できるだろうに。
それが若き見知らぬ者なんだろうか?冒頭のシーンは彩人がなんとか人としてのモラルを保ってる、でも心の中ではもうとっくに転がり落ちてることの表れのかなとぼんやり思いながら話がすすんでいった。
現在と過去のシーンがシームレスに映される。結局過去は過去、と割り切れない人間の性を見せつけられているようで苦しい。でも現実の人間もそんなもんだよなと思う。
彩人を演じる磯村勇斗は本当に良い役者になっているよなぁと思う。すり減るというか、まるでこぼれ落ちていくかのような若者を見事に演じていたと思う。
母親を演じる霧島れいかは圧巻。あそこまで壊れた人間を演じられるものなのかと思った。
ただやはりあまりにも脚本が荒唐無稽すぎるというか、わざとなのかわからないけど説明不足すぎるというか余白がありすぎるというか。
警察の対応にしろ店の床を見た二人の反応にしろなんで?ということが多すぎた。
そのせいで後半の壮平の試合シーン、あれはいいシーンだった!と思うのに前半のなんで?を引きずって印象が霞んでしまった。
惜しいというか勿体ないと思う作品。でも思わず今の若者についての話をしたことを思い出してレビューに書いてしまうくらい頭を働かせてしまった。それが目的だったとしたら、私はまんまとこの作品にハメられた観客の一人なんだろう。
ただ胸糞すぎる、映画。主人公が凄すぎる、自分だったら逃げ出したり母...
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