「この世のあらゆる暴力」若き見知らぬ者たち まこやんさんの映画レビュー(感想・評価)
この世のあらゆる暴力
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実際にあった事がモチーフ。
一人の男性が生きてきた証を商業的な
今にぶつけ、投げ掛けてきた。
母親の重い鬱病、警察の軽い言動。
鍵の掛かってないお店に散乱した
グラスや血痕が残ってるのに、何もしない
何も感じない人々。どこか優しいようで
無責任。モヤモヤ感がヒートアップしていく。
理不尽に重なる負の連鎖。
そこにのし掛かるヤングケアラーと借金。
辛くて重い。
あの銃弾が頭に突き刺さる日々を過ごして
いたんだね。滝藤賢一さんが事故現場に
手を合わして、一瞬撃たれるかもの脳裏シーン。
いつかは撃たれるかも知れない深層心理。
色んな事を隠蔽してるはず。
若い警官が『人なんて曖昧て不確かなものです』
の言葉に対して染谷奨太さんが『だから信じるんですよ』の返信が人の根本的な根っこ。
そこが無くなったら終わり。
この世のあらゆる暴力から自分の範囲を守る
が信念だが、這い上がろとしても落ちて行く
苦しさ。真っ暗。
個人だからそうなのか、社会の一部なのに
見えない底辺だからなのか……。
見て見ぬふりの世の中に重いストレートな
映画でした。
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