「演技は素晴らしい」若き見知らぬ者たち Y♥さんの映画レビュー(感想・評価)
演技は素晴らしい
磯村さん目当てで男友達を無理やり誘い鑑賞しました。
まず1番最初に思ったのが観客に若い人がほとんどいないこと。私たちを含めてもう1組しかいなかったと思います^^; 確かに人生経験の少ない私達(現役高校生)からしたら難しい題材だったように感じますし、もっと成長したときに観ると共感できる部分もあったのかもしれません。
それでも重い病気がある母親を介護しながら、優しい言葉をかけるあやとの姿にはとても胸が苦しくなりました。「あなた良い人ね。私と結婚して。」母親に言われ「うん。しようね」と答えるあやとがとても印象に残っています。磯村さんのこの世の全てに絶望しているような哀しくて虚しい表情がたまりません。鬱々とした演技がとてもお上手です。
最近今作と同じように髭を生やした磯村さんが主演のビリーバーズという別作品を鑑賞しましたが、似た感じのビジュアルにも関わらず全く違う表情と声質。磯村さんの演技力にはいつも圧倒されてしまいます。今話題の若手イケメン俳優ではなく彼が「風間彩人」を演じたからこそ、そういった重苦しい雰囲気をリアルに感じることが出来たと思っています。
そして内容についてですが… 観終わったあとに一番に感じたことが「で、なにを伝えたかったの?」でした。一緒に行った友人にも思わず聞いてしまいました(笑) 理解できなかったのは私の理解力がないからだと思い他の方のレビューも読んでみたのですが、やはり同じように感じた方も多いようですね。ぬるーっと始まり、ぬるーっとおわった2時間でした。彩人の死に方も雑。雑すぎる。例の3人組が酔っ払って店に入ってきた時点でん?とは思っていたのですが、まあ予想通りボコボコにされて最終的に死亡。「え?え?今?ここで死んじゃう?死因これなの??」驚きが隠せませんでした。ただただ救われない可哀想な人生。なにが彼を殺したのか。社会からの暴力かと予想していましたが個人の暴力とは。なるほど。主人公がそういう死を迎えてしまったせいでその後の格闘技も全く頭に入ってきませんでした。結局弟はチャンピオンになり… で?という感じ。格闘技シーンもすごく長くてボクシングの知識も興味もない私からしたら暇な時間でした。友人は隣で興奮していましたが。そして警察がクソなことはもちろんですが、スナックに残された血に友人と弟はなぜ何も触れないのでしょうか?血痕に気づいた友人が真相を暴く──。のかと思いましたが普通に警察の隠蔽が成功?して終わりましたね。
とにかく疑問に残る点がいくつもありすぎてなかなかスッキリできない映画ではありましたが、役者さん達の演技は本当に素晴らしい。近いうちにもう一度観に行きたいと思います。