「Q.何が彼を殺したのか―――。」若き見知らぬ者たち uzさんの映画レビュー(感想・評価)
Q.何が彼を殺したのか―――。
A.単なる酔っ払いの暴力です。
序盤からほとんど説明もなく、息の詰まるような日常が描かれます。
弟の世界戦や大和の結婚パーティなど明るい話題は出るものの、なかなかそういった場面は出てこない。
やっと描かれた楽しいパーティの裏では悲惨な出来事が…
恋人の日向や友人らなどは善人として描かれながら、彩人の現況を変えるような力は無い。
職質の場面から警官はずっとクズです。
中盤までの閉塞感は、観ているのが辛いほどで凄まじいものがありました。
しかし彩人が(割と雑に)亡くなってから、作品が空中分解。
大和が警察署に直談判に行くまではよかった。
壮平の試合も、ノーカットで迫力とリアリティのある映像自体は素晴らしかったと思うが、あれ、必要あったかな。
試合前に長いモノローグがあったけど、中盤気配が消えてた壮平に語られてもイマイチ響かない。
台詞であれだけ語った後の試合も冗長。
直接の原因は間違いなくあの酔っ払いどもなのに、あの状況から解放してたの?
警官たちも、今さら「罪悪感あります」みたいなカット入れられても…
何より、介護だ借金だやっといて死因がアレだと、ただただ不幸な男を見せられただけになってしまう。
現在と過去をシームレスに行き来するカット演出は素晴らしかった。
ただ、結果的に嫌な気持ちになるだけの作品になってしまい残念です。
一度関わってしまった以上、彩人の母との繋がりを断てない日向の姿も、呪いだなぁ。
共感&コメントありがとうございます。
パーティーと惨劇の対比とか無力感だったんですが、実際酷い状況以外に言いたい事は感じられず。彼女は妊娠? にっこりって・・お母さんの奇声に耳を塞いだりもしていたのに。
所々は良いシーンもあったんですけどねぇ。それにしてもクライマックスの激しい試合が、こんなにも響かないなんて悲し過ぎる(笑)
uzさんがおっしゃる「空中分解」という言葉が一番ピタッとはまる気がしますね。良い部品使って組み上げたはずのロケットだったが発射後ほどなくして見事に空中で爆発してしまった感じです。
ここ最近で一番ガッカリしたかもです。