「傑作になり損なった凡作?」若き見知らぬ者たち グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
傑作になり損なった凡作?
映画鑑賞中から???だった点を順不同で書いてみた。
①若い方の警官が良心の呵責から告発、或いは最低限の再調査を行うように警察内部での問題化、もしくは遺族に上司の隠蔽のことを教える等の行動はなにもしないまま?
②①がなかったとしても、医師の判断で彩人の飲酒量の検査結果や酒瓶による傷であることは分かるから司法解剖になりませんか?
(あの警官二人はそれをもみ消せるほどの大物ではまったくない!)
その結果、あのカラオケスナックでの調査が本格化するのでは?
③父親が「誤認逮捕で責められたことを苦に自殺」(という理解で合ってる?)という経緯があったことから、彩人の家族にとって警察は悪代官のような存在=滝藤賢一はその象徴のように描かれていたが、この警官が本当の悪者である3人を放ったらかしにしてまで救急車を呼ばない理由がまったく理解できない
④いやいや、この映画のテーマは警察の闇を浮き彫りにすることなんかではなく、もっと深い社会派ヒューマンドラマじゃなかったっけ?
不運な境遇にあっても、心はとっくに絶望でほとんど折れているのに、それでも公助に頼ることをせず(もしくは頼る方法を知らない)、自助努力でなんとかしようと真面目に働き、かろうじて生きている人。そんな人に追い打ちをかけるように襲いかかる不幸。
周囲にはそれを支えようとしてくれる人だっていたのに。日向=岸井ゆきのは彼の子を授かるほど愛していたのに(トイレのシーンはそういうことですよね?)。
これでもかというほど徹底的に報われることのない『若き見知らぬ者たち』。
穴だらけの設定は、それなりに意図的なものだとは思うのですが、ことごとく裏目に出てしまった。
そんなふうに感じました。
嘔吐のシーンは、ストレスによる過食からの嘔吐だと思われます。
家族にもなれず宙ぶらりんの状態で母親の介護の手伝いまでしている彼女にもまた限界がきていることを表していると私は解釈しました。ピザやケーキなどの大量の食料を買い込んでいることから、おそらく常習的にやっている、一種の自傷行為にも近い行動だったのかなと推察できます。
お金がないとしても、何とかお母さんを施設に入れてあげようって描写もなく、酔客が店で暴れまわった時点で、警察に電話しようとする描写もなく、肝心要の警察が意味不明のあれで一気に冷めました😓
あっごめん…からのあの、トイレの行だったので、私も妊娠ていうことと認識しましたがわかりにくかったですよね。
そして何よりも、やはりこれでは警察の悪事や隠蔽が、メインになってしまっていますよね。
そんな訳あるかいっ!のオンパレードでした。
おはようございます。ご無沙汰しています。私が感じた点を的確に記載したレビュー、流石です。私、今週10年振りの会社カレンダー三連休で(普段は祝日も会社)映画三昧と、久しぶりの秋の日々を楽しんでいます。ではではでは。