「死ぬ時に生まれたことの意味を知る。」サイラー ナラシムハー・レッディ 偉大なる反逆者 redirさんの映画レビュー(感想・評価)
死ぬ時に生まれたことの意味を知る。
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すべての連帯が必要な人に!!といいたいところですが、そうは言っても本当にド派手で秀逸なインド映画である。
ラストは、なんかこれからRRRに繋がるような高揚感。
ヒンズーの導師が出ていらっしゃるが、さまざまな価値観や性格の地域の領主たちが集まり、民衆とともに民衆のために立ち上がるという、近年に多いラーマ!とかなんとかヒンズー至上主義的宗教的な意味不明の高揚感は一切なく、ナラシムハーは真摯な男で女性問題も勃発せず、ひたすらに植民地占領中略奪された国インドを我が領地から取り戻す、領主が城の中で戦っても領主の戦いでしかない、それではダメだと民衆を戦士として貧しい小作人ではなく共闘する仲間として敬い、裏切りそうな男ライバルの男も、感情ではなく理性を持ち共に戦い、植民者であり収奪者である英国人たちは強欲と浅はかな感情に支配されて悪辣の限りを尽くし、まあ、歴史的な見地からのみ言えば、英国という国が東インド会社設立からインド全土を支配収奪していく様は、その二枚舌三枚舌でユダヤ人とパレスチナ人に口約束して自分のものでもないパレスチナの土地を勝手に分け与えるなどどいうパレスチナ問題の発端の当事者でもあることを当然にも想起させる2023年秋である。
エンドロールで数々のインド独立闘争の志士の写真と名前が、続々とたくさんでてきて、決して死なないナラシムハーの魂を、この映画の成り行きを思い出し噛み締めることができる。
こんなに清々としたインドの映画はなかなかない。終映後拍手。俳優たちはどなたも素敵。これを見ずには死ねない、と言うてもいいような作品。
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