毒舌弁護人 正義への戦いのレビュー・感想・評価
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本当に素直に「特権階級批判」と受け取るの?
2023年公開の香港映画。 香港映画の歴代興行収入ナンバーワン、ということで見る者すべてのハードルを上げてくれている(笑)。 原題は『毒舌大状/A Guilty Conscience』。 Guilty Conscienceは ”罪悪感” あるいは ”良心の呵責” という感じだろうか? 主役の弁護士・林涼水役には黄子華(ダヨ・ウォン)、 娘に対する傷害致死で服役中のツァン・キッイ役にモデル出身の王丹妮(ルイーズ・ウォン)、 主人公を支える女性弁護士・カークワンには楊偲泳(レンシ・ヨン)、 主人公を兄と慕う ”御曹司” に何啟華(ホー・カイワ)など。 中でも主演のダヨ・ウォンと、バディ役のホー・カイワは、コメディがホームグラウンドらしい。 ストーリーは、 王道の?法廷ミステリーなんだが、さりげなくコメディ風の味付けと皮肉が見え隠れする。 「特権階級 vs. 市民階級」の対立構図で説明するサイトも多い。 特に、ラストシーン。 主人公の弁護士が特権階級の意識や行動を痛罵する演説をぶつから余計にそう感じるかもしれない。 ここ数年で香港は変わった。 中国化が一気に進んだし、抗議活動も完封されたかに見える。香港っ子たちの心も、中国化を受容したのか? 私はそうは思わない。 彼らの香港を思う気持ちは、むしろ増幅していると思う。 体制側についた人を心で嘲笑い、「本土の人間と一緒にされたくない」という自尊心が沸々と沸き立っているのではないか。 そう願ってやまないあまのじゃくな私には、 「特権階級」を批判するセリフは、イギリス式生活を謳歌し自由主義を懐かしむ富裕層に向けられたのではなく、 力(ちから)で香港を統治しようとしている中国政府とその支持者に対する痛烈な皮肉に見えた。 カネにものを云わせてすべてをコントロールしようとするリッチマンたちを、チカラにものを云わせてすべてをコントロールしようとする中国政府に置き換えたのではないか。 だから興行収入がナンバーワンになれたんじゃない? なんて考えすぎかな。。。 ひとつの作品としては、 ストーリーに裏切りや意外性があるわけではなく、 最新の技術が盛り込まれてもなく、 すごい殺陣やカーチェイスもなく、 一世一代の名演技が見られるわけでもない。 香港映画がんばれ!のエールを加えて、☆3.0です。
弁護士版「がんばれ!ベアーズ」香港編‼️
判事をクビになった主人公は弁護士へ転職、仕事をテキトーにこなす主人公のせいで、児童虐待の容疑をかけられた無実の女性が17年の刑を受けてしまう。改心し、何とか女性の無罪を勝ち取ろうとする主人公だったが・・・‼️この主人公がものすごくイヤな奴で、まったく共感できないと思っていたら、心機一転、一つ一つの事件を誠実にこなすナイスキャラに変貌‼️ラストは敵である検事まで協力してくれる展開で胸アツ‼️観ている側も応援したくなる「がんばれ!ベアーズ」風裁判映画の香港版‼️
法廷モノにハズレは少ない。 無実の人間が無罪になり、悪が裁かれる展...
法廷モノにハズレは少ない。 無実の人間が無罪になり、悪が裁かれる展開は爽快感がある。 香港の裁判では裁判官も検察官も弁護人もカツラをかぶらないといけないのか。 最初に観たときはふざけているのかと思った。 また、裁判官だけでなく、検察官と弁護人も黒い法服を着るのも意外。
後半ググッと
裁判物というと、悪を憎み・裁き・結果を出す。 そういうスカッとしたものが多いけど。 まー最初は「これギャグもの?」で。 全くやる気がない主人公に、共感できない。 のだけど。 中盤過ぎから、小さなヒントから真実を導き弁護していく。 そこには同じ弁護士仲間がいるのが、チームっぽい。 「先輩」「兄貴」って呼ぶの、香港あるある。 特権社会が犯人を隠し、無実の人に罪を被せる。 そこに反発していく主人公、やるじゃん!って。 風変わりではあるけど、こういう裁判物もありかな。 ⭐️今日のマーカーワード⭐️ 「正義もここに座っている」
天秤を持ったビーナスが求めるもの それはコモンセンスにおけるイクオリティ
実に面白かった‼️過去最高の評点 こんな弱いもの見方の信念をもった弁護士が増えて欲しい(ちなみに裁判官や検察官は国の犬で、三権分立とは程遠いし、一般市民と感覚がかなりずれている ある意味エクストラオーディナリーな世界) 弁護士(人)が幾度と繰り返すセンテンスに、コモンセンスがある(香港英語なので聞き取りにくいが…)字幕約は忘れたが、一般的な普通の感覚とでも言おうか、心に突き刺さるワードであった 人間すべての核となるべきところだと思うが、マネー プレステージ ポジションによって核すら変化していますが、ビリーフを持って生きていかないとダメだな〰️と自分を見直せる、とても良い時間でした
検察官を弁護士に依頼するのが意外とキモだった
法廷ものはハズレが少ない。そんな持論を持つ私なので、大した情報がないまま本作を視聴した。 興味深いのは香港の法制度。検察官を弁護士に依頼することがあるなんて!手ごわい弁護士が検察側に回るとやっかいだからという対策がなかなか面白かった。 「毒舌」とうたっているが、これ毒舌なのかな。口が悪いと毒舌はイコールではない気がするんだけど。それでも、香港にもいる大富豪一家の傲慢さと、犠牲になった弱者という構図は、万国共通の面白さだ。主人公が挫折を味わったり、他の弁護士と協力することでチームものとしての面白みもある。 ただ、ラストの追い込み方には疑問が残ってしまう。精神的な揺さぶりに頼る感じ。いや、あの裁判ではそこにすがるしかなかったんだろうけど。もうちょっと痛快な決着がついてくれた方がよかった気がしてしまう。ここらへんは完全な好みの問題だけど。 香港で相当ヒットしたという本作。通常であれば続編が作られるんだろうな。続編ができても何ら不思議はないエンディング。ちなみにあのエンドロールは国民性なんだろうか。ジャッキー・チェンの映画でよく見る手法(オフショットの映像)だったのがまた面白かった。ただし、笑えるところはあまり多いと思えなかった。後で観ていた中国系の方々は大笑いするシーンが多かったから香港でウケたのもわかる。 多少の不満はあるが、やはり今回もハズレではなかった。法廷もの強し!
期待を裏切らない裁判エンターテインメント
ダメ裁判官が左遷を機に弁護士に転身。その初仕事で大ポカやって依頼人が冤罪で投獄されてしまい2年後に巡ってきた再裁判で事件の真相の解明とともにバックにいる巨悪と対決するってのが大筋です。 よく「潜水艦」「ボクシング」「法廷裁判」の3ジャンルの映画に外れなしと言われる。前二者については今年封切の邦画で?なものがあったが、本作はシリアスと笑いのバランスがとれた良質なエンタメに仕上がってた。主人公と、バディを務める女性弁護士と黒いバックを持つ「御曹司」弁護士との絡みは楽しく、ライバル役の判事は終盤とても良い味を出してきます。伏線の張り方も上手く最後に綺麗にパズルが完成する映画的鑑賞後感は心地よい。 日本でリメイクするなら竹野内豊と黒木華で「イチケイのカラス・アフター」って感じでしょうか。しかし英国の流れ汲む香港の法廷では、関係者は今でもあんなカツラを被って裁判するのかね。
何かがおかしい、何もかもがおかしい
聴覚障害の娘の虐待事件の被告となった母親の弁護をする元判事の弁護士と、若手女性弁護士の話。 毒舌とは言うけれど、言ってることは真当で辛くもなんともないと感じたのは自分だけ?な始まりから、左遷されて判事を辞めて弁護士として初めて受けた仕事で、富裕層と闘うことになって行くストーリー。 余裕ぶっこいてあっさり引き下がって、いきなり2年後?と思ったら、被告の変貌っぷりは最早ギャグですねw 一応マジメな法廷ものではあるけれど、ちょいちょいみせる主人公と御曹司の軽妙さはrelaxさせてくれるし、話しの流れもテンポもお見事で、全然尺の長さを感じさせず。 ヒゲメガネチリ毛の変貌はかなり無理があったし、それ無しでは成り立たないところはあるけれど、人情に訴えてくるお見事な弁論…いや演説?が痛快でとても面白かった。
香港映画歴代興収No.1!!【80点】
今年1月に香港で公開され、『寒戦2』『アニタ』などを抜き歴代1位と素晴らしい記録を打ち立てた本作をついに観ることができた。 多分ダヨ・ウォン(黄子華)の出演作を観るのは初めて。 楽勝と思っていた裁判の裏に潜む権力の闇。ゆるーい笑える所もあれば、終盤の息をのむ裁判シーンとかなり楽しむことが出来た。セリフの8割が英語だったマイケル・ウォンは中々興味深いキャラ。胡散臭く感じたり、インテリに感じたりおもしろい。 ラム弁護士のその後の活躍が見たいと思える内容だった。
誰も守らない面会室の禁煙!
法廷物として、特に新しい手法は無いし、弁護側にあまりにも有利に出来過ぎでは?という感じですが、133分の割にはテンポ良く飽きることなく鑑賞出来た点と、エンドロールの通りに香港映画界頑張れを込めた感想得点です。
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