「我が眷属になれ」傷物語 こよみヴァンプ bionさんの映画レビュー(感想・評価)
我が眷属になれ
差し込まれる文字カット、エフェクトされたアオリ演出、研ぎ澄まされた言葉遊び、極め付けは躊躇ないエロ表現。エロ表現といっても、童貞の阿良々木くんの低い臨界点に収まる範囲で、美しい文体でドキッとさせてくれる。
日光を浴びて、燃えるように落ちていく阿良々木を救うキスショット。化物語で忍野忍になってしまったことはわかっているだけに、これから解き明かされる顛末に期待が膨らむ。
幼い少女の姿で、古語を使うキスショットは、小悪魔的で可愛いが、手足が戻るたびにどんどん妖艶さが増していく。それに合わせて坂本真綾の声に艶が加わり、ゾクゾクする。
忍野メメは、基本おちゃらけているが、肝心な場面になると、研ぎ澄まされたナイフのように鋭い言葉を発する。究極の選択に悩む阿良々木くんに示した解決方法には唸ってしまった。
三者一両損の大岡裁きは、聞いたことがあるが、皆がギリギリ不幸になる解決法なんて聞いたことがない。コイツは、メフィストフェレスのようでいて、導く者の役割をする。
TOHOプレミアムシアターで鑑賞したこともあり、バトルシーンは音響も含めて日本最高レベル。阿良々木くんが覚醒するシーンが最もお気に入り。
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