「クラシック音楽の映画は国内ではそう多くない」サイレントラブ 大岸弦さんの映画レビュー(感想・評価)
クラシック音楽の映画は国内ではそう多くない
サイレントラブ
OSシネマズミント神戸にて鑑賞 2024年2月1日(木)
パンフレット入手
出会いは突然だった。横浜音楽大学の屋上から飛び降り自殺を図った甚内美香(浜辺美波)をその場に居合わせた沢田蒼(山田涼介)が全力で止めた。泣きじゃくる美夏に瞬時に心を奪われ見つめる蒼。追いかけてきた講師が美夏を連れて帰る。美夏が落としていったガムランボールだけを残して。発声障害(声が出せない)の蒼、美夏はピアノ科の学生、どう考えてもふたりはこの先交わることはないように思えた。
美夏はピアノ科の学生、自殺しようとした理由は交通事故によって目が見えなくなり、将来ピアニストになりたいという夢が叶わないと絶望したから。
医師からは「手術は成功したので、いずれ視力は回復するでしょう」ただ美夏は不安を解消できずにいた
横浜音楽大学の旧講堂内にある古いピアノを、美夏は演奏しようとするが手に痺れが残っていて思うように演奏できないことに気が付き、感情が乱れて転んでしまう。そこに助けようと蒼が現れた驚く美夏にストックを持たせるのだった。
自宅マンションの前で美夏は母親と言い争いをみかける蒼。「ピアノを1日も休みたくないの」、と心配する母親を追い返し、歩き出す美夏。距離を置き後ろを歩く蒼。旧講堂に向かうが鍵がかかっていた。校務員室にある鍵を取り出し解錠、ガムランボールの音で美夏を入室させた。そんな毎日がつづいていたある日、美夏から声をかけられ
「わたしの質問に手の甲を叩いて答えてYESなら1回、NOなら2回」
と手を差し出すと、「あなたもピアノ科」という問いに1回叩いてしまうと「」いつかあなたのピアノを聞かせてね」と。
ある時、非常勤講師の北村悠真(野村修平)のピアノ演奏を聴いた蒼はスマホの音読機能を使い「金を払うからピアノを弾いてほしい」と頼む。
著名な音楽家の子息なのだが、乱れた生活、放蕩を尽くしさらに裏カジノに借金がある。蒼になりすまし美夏の前でピアノ演奏しその腕前えを披露。
やがて美夏の信頼を得て、その手を預かり一緒に通学路を歩くようになった。美夏は両手で傷だらけの蒼の手をやさしくつつみ
「わたしにとってあなたの手は神の手。いつもこの手が助けてくれた」
そう美夏がつぶやくと、蒼は心から喜んだ。しかし消し去ることができない汚れた過去があり 明らかになってくる
男たちの争いが勃発する。残虐で凄惨な展開となった。バイオレンス
美夏のいる前であり、大ききく萎縮している。
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終わったときに美夏は立ち上がるが、だれもいない状況で茫然としている
「蒼さん」「高橋さん」そう叫んだが反応はない。
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ある日、高橋の提案で、三人は高橋のポルシェでドライブをすることに おそらく富士山麓へと行くことにある山荘で休憩
高橋は美夏を口説いてキスしているところを、蒼はみてしまったのだ。蒼は激怒、まさか美夏まで奪われるとは
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そして高橋は大きなケガをしてしまい車いす生活を送っていた。
美夏は高橋が乗った車いすを押しながら、「責任は私にあるの」と言うが高橋は否定した。
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美夏はとある刑務所で蒼と面会する
刑務所 面会室でアクリル版を叩いて会話をしている
蒼と音信普通となったが、美夏は調べつくして、とある港湾施設で働いているらしいと知る
そこに向かうと「沢田蒼を探しています」と大声で叫ぶ美夏
必死に探し回るが・・・・沢田蒼はいたのである。蒼は恥ずかしそうな顔である。
大型トラックが高速で迫ってきた。美夏は気が付いていないようだ
蒼は美夏を抱きかかえるように飛び込んでいった
雨が降っていたのか水たまりのようなところに、二人はいたのだ。そう助かったのである。
泥まみれになったふたり
蒼は美夏の手の甲を1回叩き、キスをした
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映画内で扱われた美しいピアノ曲はパンフレットに記載されています
フランツ・リスト 愛の夢第3番 変イ長調
美夏がひとりで旧講堂で弾く曲
ベートーヴェン ピアノソナタ第8番ハ短調 OP.13 第3楽章
北村悠真のレッスン室で生徒が弾いている曲
ショパン ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53(英雄ポロネーズ)
北村悠真が旧講堂で弾く曲
ラヴェル ソナチネ嬰ハ短調 M40 第一楽章
北村悠真が蒼のふりをして旧講堂で美夏にきかせた曲
ドビュッシー ベルガマスク組曲第3番 月の光
別の日に北村悠真が美夏に弾いてあげた曲
モーツァルト きらきら星変奏曲ハ短調 K.265
蒼が寝坊をしたときに、旧講堂に駆けつけると、北村悠真と美夏が連弾で弾いていた曲
久石譲 サイレント
美夏が作曲したという設定でピアニストとしてデビューリサイタルで披露した曲
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「バランスの良い選曲」であることはウレシイですね。
コレ、クラシックが好きな人だとわかると思うんです。
はっきり言いましょうか、作曲家のダブりがないんですよ。
ピアノの世界は「ショパン」が一番尊重されている世界。日本だけでなく世界中です。
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子供の頃からクラシック音楽が大好きで、特にピアノには興味を抱いていた。
ピアノを演奏することができるが他人を感動させる水準ではありません。
この作品を鑑賞したのはこういうことです。
神戸市所在 53歳 大岸弦