「誰かを守ることは誰かを傷つけること」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かを守ることは誰かを傷つけること
あれから数年後。
門出とおんたんは亜衣や凛と同じ大学へ進学し、オカルト研究会に入り新たな仲間と共にキャンパスライフをスタートさせる。
一方、母艦は未だ上空に存在し、侵略者たちと人類の戦いは激化していった。
小比類巻率いる青共闘が暗躍し、政府とS.E.S社は要人だけを乗せる方舟計画を秘密裏に進める中、門出たちの前に大葉という謎の少年が現れ……
前章がめちゃくちゃ面白かったので後章も。
原作と違うエンディングということで、終わり方については多少賛否分かれているっぽけど、個人的には前章と同じくらいの満足度だった。
悪とは何なのか。
前章では闇堕ちしたくらいの扱いだった小比類巻くんが後章ではヒールとしてかなり活躍している。
彼が悪の面が強く描かれていたが、それは表象化している悪であり、悪は決して彼だけではない。誰もが悪である。
門出は並行世界で小比類巻と同じような世直し的暗殺を繰り返し自殺した。
おんたんはそんな門出の運命を変えるべく、世界の滅亡を選択する代わりに門出を守った。
悪が正義と表裏一体である以上、自分の正義を貫くことは誰かにとっての悪になるということである。
侵略者は本当に侵略者なのか?政府は本当に正しい情報を発信しているのか?
何かと優しくなれない現代において、目に見える表面上の事象だけでなく、その奥にある部分にもっと目を向けるべきなのかもしれない。
前章は門出の物語、後章はおんたんの物語という印象を受けた。
たとえ世界が滅ぶとしても門出を絶対に守ると自分を変えたおんたんに涙が止まらない。
絶対の悪や絶対の権力者なんて存在しないけど、門出はおんたんの絶対だし、おんたんは門出の絶対。
ぶっ飛んだワードセンスで明るいところも大好きだけど、実は人一倍想いを抱えている純粋なところも大好き。
とにかく前章よりも「はにゃにゃふわ〜」が増えていて嬉しかった。
原作漫画は途中まで読んでいるので、この劇場版を踏まえた上でラストまで読んでみたい。
ちなみに今回も普通の上映ではなく、轟音シアターというやつだった。
料金同じで特に書いてなかった(多分)ので何も知らずに入ってから気づいたんだけど、正直すごい変化は感じなかったかも……(映画によるのか?)