「20年代のセカイ系」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 おでんさんの映画レビュー(感想・評価)
20年代のセカイ系
前章は原作未読で鑑賞したので、これは面白い「セカイ系」アニメだわ、と純粋に楽しめました。速攻で原作漫画を読破して、今回の後章は答え合わせ的に観ました。
まずは、面白かったです。80年代のAKIRA、90年代のエヴァ、00年代がハルヒ、10年代がまどマギ、と並ぶ20年代を代表する「セカイ系」作品と言えるでしょう。
元来のセカイ系は、地球規模の「世界」と、自身の周りの「セカイ」のどちらを救う、というテーマに、大雑把にいえば、コレらの作品は「両方救うぜ」ってマッチョな回答。
で、新海誠が「天気の子」で「いや、好きな女の子の方でしょ」って、違う答えをしかけたけど、「やっぱ世界も救っとくか」って救いを入れました。テーマ的にはズルい感じでしたが、ラストの神々しさにやられた感じ。
で、デデデデも「天気の子」を引き継いでセカイの方を救う話。引っ込み思案のおんたんは、自分とセカイを繋いでくれた門出さえいれば、世界はいらない、って答え。
これが今の世相ってことでしょう。もはやトランジスタも、ロボットも、Kawaii・萌えも、世界を救えない、ってことなのかな〜
最初にあげましたが、この作品は過去の名作を重ねてきますね。
掴みは使徒襲来でラストは光の十字架でエヴァ、子供みたいな年寄りにSOLの斉射なAKIRA、キホはマミられてループして門出を救うまどマギ。結局、この世界はおんたんハルヒが造りだす閉鎖空間なんじゃね?キョンになり損ねた大場くん。
これはパクりとかではなく、、、音楽でいうコード進行の類似性みたいなものです。よく言われる「丸サ進行」のようなもので、いくら「決戦は金曜日」が「Got to Be Real」でもドリカムは素晴らしい、ってことです。
セカイ系作品としては素晴らしいのですが、どうも古いオタクの自分は、ついつい元ネタ合わせに走ってしまい、純粋に楽しめなかったな〜、という感想でした。